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Kid`s Diary 旅行

2004年06月15日

カメラマンパパの限界

カメラマンパパの限界 | 旅行 | Kid`s Diary | イルカやクジラと泳ごう INTO THE BLUE

2005年5月~7月の間、息子の海友を連れてフロリダ東海岸のウエストパームビーチに滞在して、バハマのドルフィンクルーズを6週間開催していた。全日程連続で乗船するのは大変なので、3週でインターバルを取り、フロリダ半島の西の付け根に位置するパナマシティーまで、別のイルカの撮影に行くことにした。

パナマシティーは、観光客が多く訪れるドルフィンスイミングスポットになっている。野生のバンドウイルカが、水面に顔を出して、ザトウクジラなどが行うスパイホップみたいにボートを覗き込んでくる変わった習性を持っていて、人気となっている。これは、昔漁師たちが、釣っても売り物にならない魚を野生のイルカたちに与えていた事から始まった習性だという。

この海で、ドナルド・ティプトンという水中写真家がすっぱだかの赤ちゃんを海に投げ込んで、バンドウイルカと一緒にいる水中写真を撮影している。かなりインパクトのある写真だ。イルカと赤ちゃんがまるで意志が通じ合っているかのようにお互いを見つめ合っているようにも見える。

自分も海友をハダカにして海に放り込んで、こんな写真を撮影してみたいなと来る前はちょっと思ったりしていた。しかし、彼らイルカたちがボートを覗き込んで来るのは、餌をくれるものと期待しての行為なのだ。ためしにボート上から水面に向かって手を差し出すと、イルカがその手目がけて水中から身を乗り出してくる。で、さらにためしに、海友を抱えてボートの外に出してみると、これまた同じような行動をする。一見イルカが海友を見て笑っている微笑ましい写真のように見えるが、これは「おおきな餌、早くちょうだい、ちょうだい!」とおねだりしているシーンなのである(笑)。まあ本当に食べられるとは思わないけど、さすがに、僕らにはここまでが限界だった。

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要するにあの写真は、赤ちゃんを餌かどうか、あるいは赤ちゃんが餌を持っていないかどうかをソナーを使ってチェックしているところだったのかもしれないと思うと、今までとちょっとその写真に対する印象も違ってきた。赤ちゃんの方もビビっていたのかもしれない。誰がこの写真の赤ちゃんの親だか知らないけど、確か、撮影したティプトン本人の赤ちゃんでは無かったはず。まあ、世の中、僕ら夫婦よりもさらに上手のノウテンキ夫婦が沢山いるということだ。良かった良かった。

●これも、雑誌ダイビングワールドに掲載されていたコラムSUN & SEAからの記事です。パナマシティーには二人とも今までに4~5回訪れています。ここでは、僕たちが初めて訪れた頃から、このイルカたちの変わった習性を利用して、ベルギーの認知心理学者によるワイルドドルフィンセラピーなるものが行われていました。

キャプティブ(飼われて、飼育下にいるイルカ)ではない、野生である部分を重要視したのは、動物愛護の視点からなのかもしれません。特に僕たちが注目したのは、自閉症児に対するセラピー。最初に訪れた時も、ブラジルから来た自閉症の少年とその家族がセラピーを受けていました。

僕たちはボランティアとして、プログラムに参加して、その様子を近くで見ていました。最初は、ある特定の範囲内までその子に家族以外の知らない人が近づくと、パニックを起こしていた(自閉症の子は自分の置かれている環境の変化に敏感な子も多いんです)のですが、プログラムが進むに従って、そのパニックが減っていくのがわかりました。

そして、何日か過ぎたある日、何気なく近くのベンチに座っていた僕の肩に、その子供が手をかけてきたのです。僕はただ笑って見ていたのですが、彼はしばらくそのままぼ~っとしていました。その後、ミナと手をつないで散歩を始めました。みずから僕やミナに触れているのを見たその子の母親は、大泣きしていました。自閉症っていうのは、先天的な病気で日本でも1000人に一人くらいの割合で生まれて来るそうです。症状も人によってまちまちだし、一見普通の人と何ら変わらないので、それと認識するのはとても難しいです。

ですから、セラピーを行ったからといって、精神的な病気と違って、完治することは無いと言われています。それでも、環境の変化を認知して受け入れる事でパニックになる頻度が減れば、ケアをしていく家族にとってはそれほど嬉しい事は無かったでしょう。イルカと触れあう事が効果があったのかどうかは、僕もいまだにわかりません。それでも、彼が他人に対してのバリヤーを自分から解いた事は事実です。

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