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2006年トンガホエールスイム2nd week 4 日目 クジラのペア

4日目の最終日。天気も回復し、風も止み最高のコンディションに。これでクジラに会えれば、昨日の欠航も帳消しくらいの状況だ。皆期待して海に出る。
皆期待して海に出る。まず、2人乗船の僕らの方がスピードが出るので、先に出発して外洋をチェック。8人乗船が1,2日目に親子に遭遇したリーフエリアに向かうことになった。外洋でさえベタ凪ぎ。これなら見晴らしも利く。しかし、まったくブローが見当たらない。こんなにコンディションが良くてこんなにブローが見当たらないのも珍しい。一瞬子クジラか!と思った背びれはオキゴンドウだった。透明度もよいので、エントリーしてみることにした先周りしてもらって、水面にぷかぷか浮いていたら、一頭のオキゴンドウがこちらに興味を示して接近してきた。ちら見ではあったけど、撮影することができた。その出来事以外は、外洋では何も起こらなかった。

無線でトニーに外洋は望みがなさそうだから、引き続きリーフエリアを探した方がよいと連絡を入れた。向こうもまだ何も見つかっていないとの連絡。またしばらく探すと、やっと一番外洋寄りのフンガ島の南端と、その先のサブマリンロックの間でブローを発見。親子ではなく、ペアのようだ。アプローチが難しそうだが、今のところその2頭しか見つからないので、クジラたちが息をしに上がってくる短い水面休息中に水中に入ってみることにした。エンジンを止めて、2頭があがってくるのをしばらく待ち、浮上したところでボートを50mくらいまで近づけてエントリー。
一度目は誰も目視できずにクジラたちは海中に姿を消した。しかし、ホエールソングが聞こえてきた。真下で歌を歌っているようだ。かなり強烈に身体に振動を感じる。しばらくは3人で水面に浮いて聞き入っていた。しばらくすると歌が途絶えた。ホエールソングが聞こえなくなると、クジラたちの浮上のサインだ。僕は水中と水面をくまなく見渡した。するとボートのすぐ近くに2頭が浮上。僕らは水面をダッシュで移動した。水中に黒い影が見えてきた。2頭が寄り添うように浮かんでいる。1頭は全身が真っ黒。1頭はかなり側面に白い部分が多い。多分カップルなのだろう。なんとか撮影できる距離まで来たが、位置的に逆光だったので、回り込む。2人もなんとか見える距離まで泳ぎ着いているのを確認した。しかし、しばらくすると2頭とも海中にゆっくりと沈んでいってしまった。
今度はボートに戻り浮上を待つ。ほぼ同じエリアに浮上はしてくるものの、しかし、その後は水中で彼らの姿を水中で見れるチャンスは無かった。2頭をあきらめて別のクジラを探すことにした。8人乗りに無線を入れ、今の状況を説明した。向こうもまだまったくクジラが見つかっていないという。一体クジラたちはどこへ行ってしまったんだろう。
かなり広範囲にくまなく探し回るが、やはりクジラが見当たらない。8人乗りは一度別のペアを発見したが、すぐに潜ってしまってなかなか上がって来ないので、諦めて僕らがアプローチした2頭の方にホエールソングを聴きに向かうと無線連絡が入る。僕らも今の状況では、今日はあの2頭しか可能性は無さそうと判断し、同じ場所に戻る。他のボートにも無線で確認したが、どの船もまったくクジラを見つけていなかった。
同じ場所に戻ると、すでに8人乗りの方は何人かが海に入って歌を聞いていた。どうやらさっきのペアはまだ同じ場所にいるようだ。近づくとこちらのボートのすぐ近くにブローが上がった。キャプテンのオンゴが「チャンスだ、海に入れ!」というので、僕らは慌ててカメラをつかんだ。とにかく、今日最終日の二人になんとかクジラを撮影させてあげたかったので、「ワンチャンスだと思うから、とにかくダッシュして先に行って!」と言ってクジラに向かって泳がせた。僕は二人がちゃんとクジラの方に向かって泳ぐのを確認してから遅れてエントリー。8人乗りのボートも接近してきて、この状況を見守っている。
クジラの側に来ると最初白い側面の1頭しか見あたらなかった。しかしそのクジラの真正面からまるでキスでもするかのように黒い個体の方がゆっくりと近づいてきた。顔が重なり合ったと思ったら、2頭がこちらに向きを代えて潜行の体勢に入る。かなり接近してきた。僕はその一連のシーンをファインダー越しに見ながら連写し続けた。
クジラたちが見えなくなると、しばらくしてまたホエールソングが聞こえてきた。僕は船で近づいてきたトニーに「今日はこれしか望みなさそうだから、なんとか順番にはいろう」と声をかける。トニーもそれに同意した。また、クジラの浮上を待っていたのだが、突然少し離れた場所にクジラ2頭が姿を見せる。8人乗船が追尾を始めた。しかしまだ歌は下から聞こえてきてるから、別のクジラのようだ。無線で「あのカップルはまだ下にいるようだから、もしそちらのアプローチが難しかったら、また戻ってきて。こちらはしばらくこの2頭の様子を見るから」と伝える。
どうやら新しい個体は親子のようだ。しばらくは8人乗船の船はその親子を追尾したが、結局水中には入れなかったそうだ。僕らの方は、その後ペアの方も移動を始めたので、追跡を始める。また水面休息をしたらアプローチしてみようということに。一度入水してみるが、見つからない。潜った辺りの水中を探していると、ヒレのようなものが。「いた!でもなんか変だ?」と思ったら、それはヒレではなくて、サメ、しかもタイガーだった。撮影できるか様子を見たが、深いしすぐに姿が見えなくなった。
その後もしばらくクジラはほぼ同じ場所で浮上と潜行を繰り返す。しかし接近すると潜ってしまって、水中で見ることはできなかった。クジラのペアがこういう感じの行動をするときはそろそろ交尾に入ると以前オオゴが教えてくれた。「もしかしたら、そろそろ交尾に入るかもしれないよ。交尾した直後はブリーチングして喜びを表現するんだって」と二人に説明していたら、突然目の前で2頭がブリーチングをした。あまりに近くてしかも突然だったので撮影することはできなかった。
その後、2頭は激しく移動を始めて、どんどんと外洋の沖の方へ向かって行った。そろそろ引きあげる時間だったのと、今日はあまりにあちこち移動をしたので、ガソリンが心配だったのもあって、引き上げることにした。しかし、案の定サブマリンロック手前でガソリンが無くなり、予備タンクのガソリンを入れる。今週は2度もガソリンが無くなった。前回はまだ港に戻る直前だったけど、今回はかなり距離がある。この予備ガソリンでちゃんと帰り着くのか心配だった。コンディションが良くなると、広範囲に探し回るので、こういうことがたびたび起こる。
どうにか僕らのホテルのジェティーまではガソリンがもってくれた。しかし、その直後、ショップに戻る途中でガソリンが無くなったと後でオンゴが教えてくれた。結局、最終日8人乗りはクジラを見れずに終了してしまった。残念。
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2011年4月に二見書房より出版して頂いた、写真集「Whales ! クジラ!大写真集」と8月に青菁社より出版して頂いた、「海からの手紙ー Message from the Sea」、発売中です。今現在は、今年3冊目になる予定の写真集作成に取りかかっています。 でも、忙しいから、来年になってしまうかも。。。
スペシャルトリップに参加いただいたゲストの皆様からご感想をいただきました。
>>参加者の声
INTO THE BLUE では、写真家・越智隆治 が、バハマ、トンガ、フロリダ、マーシャル 、 タイ、フィリピン、南アフリカなどなど、取 材で訪れた各国での体験談や変り種情 報などを、写真や動画と一緒にブログ形 式でつづっています。
世界中の海を自然環境をテーマに取材を続ける水中写真家。イルカと人の関係に興味を持ち、国内外の多くの海でイルカの撮影を行っている。
>>越智隆治プロフィール
世界中のダイビングディスティネーションをめぐり、取材した海の魅力などをメインに、紹介しているフリーのPDFマガジンです。是非ご覧ください。 http://www.web-lue.com/











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