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2010年トンガ、ホエールスイミング17日目。10個体目の親子。そして、「IKUMI」7日目

8月27日(金)、快晴。風は北から、相変わらず強く吹いている。しかし、1週目程ではない。
この日トニーはプロティウスで8時30分に出発。僕はフルーク、エミさんがプナで9時30分に海に出る。
ゲストの3人は、今回3日間とも、「IKUMI」しか見ていないとのことだった。それでも、3日間、クジラと泳げているのだから、ラッキーだと思う。でも、最終日、他のクジラも見たいというリクエストだったので、とにかく探すことにした。
最初に、ノースベイをチェックしに行くが、やはり今年は何もいなかった。そこから、フンガ島の外洋を南へと移動を続ける。途中、エミさんから電話が入り、トニーの乗船するプロティウスがまた「IKUMI」について泳いでいるという情報が入った。これで、7日目だ。しかも、ほとんど同じ場所で泳いでいるらしい。
このクジラの少ない状況で、「IKUMI」親子みたいな存在は本当に大きい。とにかく、「押さえ」は確保してあるから、ギリギリまで他のクジラを探したい。
トンガで、昨年亡くなったスキッパーのオンゴに教わった事は、「自分のクジラを探せ!」ということだった。彼は他の船からクジラを譲ってもらうのを、あまり好まなかった。もっと良いクジラを探してゲストに見せる。それが彼の信条だった。
だから、僕らも「自分のクジラ」を見つけたかった。もちろん、ゲストの人たちは、短い滞在で、「IKUMI」のように、毎日でも泳げるクジラがいた方がいいに決まっている。
だけど、何も見つからず、結局他の船の後に順番待ちすることほど、悔しいことは無い。それが今年のように、クジラの少ない年であってもだ。
頼むから、最終日に、別のクジラを見せてあげたい。そう思いながら遥か水平線まで目を凝らすけど、本当にブロー一つ見当たらない。やはり、このまま「IKUMI」の方まで行くしかないのかなと少し弱気になっていたときに、かなり遠くにブローを発見した。はっきり言って、定かではないくらいに遠く、スキッパーのノアに「あそこでブローが上がってる」と指差しても、「どこだかわからない」と言われる程だった。
とにかく、そのブロー目指してスピードを上げてもらった。おおよそ、この辺だろうという辺りで、スピードを緩めてもらう。周囲の水面に目を凝らす。しかし、何も上がって来ない。(もしかして、幻覚でも見てたのかも)という不安に襲われかけたとき、ノアが「親子だ!」と小さく叫んだ。
あのブローは母親のものだった。ブルーラグーンの外洋側の浅瀬で静かに身体を休めていた。しかし、問題なのはこれからだ。泳げるのか、泳げないのか。
船で追跡すると、母親はかなり大きくテールを上げて、海中に潜り込む。最初は多分その場でストップして休んでいるのではと思い、フットプリントの近くの海中を何度かチェックしてみるが、まったく姿が見えない。海底が見える程浅くて,透明度が高いにも関わらずだ。荒波の中、しばらくは、ブローと、母親の真っ直ぐに上げるテールを頼りに、追跡するしかなかった。海中で止まっている場所が確認できれば、透明度が高いから、必ず見れるはずだ。
何度も見失いながらも、やっと子クジラだけが一度浮上してきたのを確認した。スキッパーのノアが、その位置を見失わないように船を近づける。「この辺にいるはずだ」と彼が小声で告げ、僕らは入水して、彼の指示する方向に向かって泳いだ。
しばらくすると、青い海中に黒い影が見えてきた。親子が身体を休めていた。
海中にいるとき、子クジラはほとんど、母親の鼻先に乗っかるように、ぴったりくっついて甘えている感じが可愛かった。
しかし、子クジラが一度浮上してくると、母親もそれに合わせて浮上してきて、移動をしてしまう。

何度もトライして、「IKUMI」のように、船と人に慣れてもらわなければと思い、見つけにくいこの親子に、その後2度ほどトライをする。行動はほぼ同じだけど、3度とも個体識別用に確認できる距離で撮影もできた。
母親も子クジラも、他の個体に比べて、黒い部分が多いので、「KUROSUKE」と名付けた。本当は「まっくろくろすけ」にしたかったんだけど。長過ぎるからやめた。

「IKUMI」と泳ぎ終わったプナが,連絡を受けてこちらにやってきたので、乗船していたゲストの希望もあり、彼らにこの親子を任せて,今度は僕らが「IKUMI」の方に向かった。
プナが泳いだ後に、すでに、他に2隻が順番待ちをしていたので、彼らが泳ぐおを待って、エントリーした。

これで、「IKUMI」と泳いだのは、7日目、(個人的には6日目)になった。これで、3週目の日本人ゲストの最終日が終了した。
本当にクジラは少ない。しかし、結果的には、このIKUMIのおかげもあり、毎日全員がクジラを水中で見ることができた。
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2011年4月に二見書房より出版して頂いた、写真集「Whales ! クジラ!大写真集」と8月に青菁社より出版して頂いた、「海からの手紙ー Message from the Sea」、発売中です。今現在は、今年3冊目になる予定の写真集作成に取りかかっています。 でも、忙しいから、来年になってしまうかも。。。
スペシャルトリップに参加いただいたゲストの皆様からご感想をいただきました。
>>参加者の声
INTO THE BLUE では、写真家・越智隆治 が、バハマ、トンガ、フロリダ、マーシャル 、 タイ、フィリピン、南アフリカなどなど、取 材で訪れた各国での体験談や変り種情 報などを、写真や動画と一緒にブログ形 式でつづっています。
世界中の海を自然環境をテーマに取材を続ける水中写真家。イルカと人の関係に興味を持ち、国内外の多くの海でイルカの撮影を行っている。
>>越智隆治プロフィール
世界中のダイビングディスティネーションをめぐり、取材した海の魅力などをメインに、紹介しているフリーのPDFマガジンです。是非ご覧ください。 http://www.web-lue.com/











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