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スペシャルトリップブログ

Wed 06
明日から、サメ三昧!バハマのタイガーシャーククルーズへ!
2013.03.06

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ロケで忙しい日々が続きます。ほんのつかの間の家族団らんの時間も、ほとんど次の撮影の準備に追われて、まともに子どもたちと遊べないのは本意ではないのだけど...。

おまけに、前回の北海道ロケは、慣れない寒冷地での撮影ということもあって、色々トラブルが続きました。バハマの次は、戻った直後に、二男の卒園式に出たその午後、寺山編集長が車で僕の家に来て、拉致されるかのように、鳥取へとオーシャナのロケに行くという・・・。その後も過密なロケスケジュールが続いています。

オーシャナを始めて、多方面、特に国内各所から取材の依頼を頂くという嬉しい悲鳴。加えて、ロケの度に様々なメーカーさんから、ロケの合間に次々に機材が届きます。

それらを整理しているだけで、頭が混乱してきちゃったりして。一度落ち着いて時間を取って整理しないとマズいな〜という感じです。

本当は、届いた機材の紹介したいところだけど、もう詰めちゃったのに、取り出して撮影する気力が、今は無いです。すみません。

何はともあれ、寒冷地仕様から、タイガーシャーク撮影仕様に、セッティングを変えて、準備完了!

バハマのタイガーシャーククルーズは、日本ではあまりまだ馴染みが無いけど、欧米人ダイバーの間では、超人気のクルーズ。ここでタイガーシャーククルーズを催行しているクルーズ船が2隻しか無く、しかも1隻の定員が6名と12名という少人数なので、なかなか予約が取れないクルーズでもあるのです。

しかも、9割以上がチャーターベース。このボートのチャーターも2年先まで予約でいっぱいというから、世界的に見れば、本当にプレミアクルーズと言っても過言では無いんです。

まあ、船自体がプレミアかって言うとそこは肯定はできないですけど(笑)。

とにかく、多いときには、6匹ほどのタイガーシャークが一度に姿を見せ、そのポイントでナイトダイビングも楽しめるという、多くの日本人ダイバーからすると、かなりの肝試しクルーズ。

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サメのうようよいるバックデッキから最初の一歩を踏み込むのは、ちょっと勇気がいるかもしれないけど、15分もすれば慣れて来ます。でも、あまり慣れ過ぎて、無謀な行動に出ないように注意は必要ですけどね。

写真のように、最近はスノーケルでサメのウヨウヨいる海中に入ってくる強者もいます。自分もたまにしますけど、奨励はしません。

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タイガーシャークの他に、見れるサメは、無数のレモンシャークとカリビアンリーフシャーク、そして、運が良ければグレートハンマーヘッドシャーク。

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クルーズ船上では、ネットが繋がらないので、下船したフロリダのホテルから、今回の一報はお届けしたいと思います。


Mon 28
カンクン沖、バショウカジキスイム最終日。釣れる群れ、釣れない群れ
2013.01.28

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今年の自分自身のバショウカジキチャータートリップ最終日。昨日と変って、快晴の予報。風は強いけど、向きはそんなに悪くないはず。そう思って、ホテルから出て、カートに乗り込む。しかし、なんだか気温が暖かい感じ。

(う〜ん、なんか変?予報と違うかな)と思いながら、港へ。ゲストの皆は、この日見られれば5日間連続なので、かなり気合い?が入ってる感じ。しかし、それとは、裏腹に、キャプテンのロヘリオの浮かない表情。

「おはよう」と挨拶すると、「タカ、今日はどうするんだ?出るのか?」と半笑いしながら聞いてきた。「何で?波高い?」と訪ねると、「まあ、晴れてるから、波も高いけど、風向きがね」と言う。

確かに、風向きが予報より1日早く変ってしまった感じだ。そうは言っても、最終日。「出れるなら出ない訳にいかないだろう。それとも、出れないの?」と訪ねると「ま〜、とにかく出てみるか」と昨日までのテンションとは打って変って、あまりモチベーションが高くないロヘリオ。

漁師としての経験から、確率が低いこともわかっているからなのだろうか。でも、week2も、week3もそんな厳しい状態で見つけることができたわけで、確率0%じゃないから。そう思いながらも、ゲストの皆には、捜索状況が悪くなった事を伝えた。

もし、見れてないメンバーであれば、そんな事最終日に伝えるのも恐ろしい。
とにかく黙って、何がなんでも探すしかない。しかし、4日間連続で見れてる人たちの反応は、もう自信満々だ。「今日も見れる気がする」と一様に答える。

根拠は無いのだけど、その勢いは必要だろう。ただ、両方の状況を知っている自分としては、見るのに苦労した人たちの事考えると、複雑な心境になる。(もっと、こう、毎週均等に見れてくれればいいのに)と思ったりもする。

まあ、ただ、それが野生の生き物を見るときの醍醐味でもあるわけだ。

とにかく、荒波の中出港。波は昨日より高いけど、晴れているから、気分的には悪くない。でも、捜索中音楽を聞くためにもってきていた、iphoneを忘れてしまった。

この日も波が高くて、遠くに行けない。昨日リーサルウェポンから鳥山を譲ってもらったエリアへとゆっくりと北上する。心無しか、キャプテンのロヘリオも、クルーのウヮンも、昨日までと違ってリラックスしている。

昨日と同じポイントまで付くと、自社のフィッシュングボートの他数隻が釣りをしていた。周りには沢山のグンカンドリたちがいる。なんとな〜く、ばらけていて、皆もあまり探してない感じ。ロヘリオも後ろを向いて、ウヮンと話し込んでいた。

とそんなとき、目の前に鳥山が・・・。「あれ、バショウカジキじゃん」と僕が指差すと、振り返ったロヘリオが「あ、本当だ」と不意をつかれたように答えた。

鳥山には、すでにフィッシングボートが付いていた。確認すると昨日群れを譲ってくれた、リーサルウェポンだった。無線で連絡すると、この日は、20分だけ譲るから、その後群れを返してとの返事。海が荒れているし、このワンチャンスかもしれない。でも、これが見れれば5日間連続達成。

皆、無言で準備を始めていた。毎日泳いでいたから、準備も手慣れたものだ。

荒れ具合は昨日より激しいので、今回もばらけないよう、バショウカジキが移動しているようなら、無理に追いかけない事を皆に伝えてエントリー。しかし、その心配は無く、すでにイワシ玉は止まるのに丁度良いサイズになっていた。

皆が留まって明るい空の下で撮影を続ける。自分はたまに船を確認しながら、撮影を続けた。20分を越えた頃、ロヘリオが船に戻るようにサインを出した。皆に「船に戻って下さい!」と伝えて戻させるのだが、ここで気になることが一つ。僕ら全員戻ってしまったら、あっと言う間に食い尽くされてしましそうなイワシ玉のサイズだった。

ちょっと自分だけ残って、イワシ玉を守っていようかと思ったけど、そういう打ち合わせもしていなかったし、向うの船も状況がわからずに、自分が浮いていたら、海が荒れているから近よって来れないだろうと判断して、船に戻った。

リーサルウェポンは、僕らが全員上がったのを確認して、荒れた海をゆっくりと鳥山に接近していく。しかし、そこで、不安に思っていた事が・・・。グンカンドリたちが、空高く散り始めたのだ。つまり、バショウカジキにイワシが食い尽くされて、バショウカジキの群れもばらけてしまったということだ。

「気まずいね」とロヘリオと顔を見合わせた。コンディションの悪い中、2日間続けて譲ってくれたのに、本当に申し訳無い。「今度から、船が入れ替わるまで、やっぱり自分が最後まで近くにいることにした方がいいね」とロヘリオに伝える。ただ、ゲストが自分だけ残ることに、不満を感じないか、それだけが気になるところだけど。

何故、昨日は、譲ってくれたまま、ずっと泳いでいて良くて、この日は、20分で返してと言われたかと言うと、同じバショウカジキの群れでも、激しく食いついてくる時と、そうでない時があるらしく、昨日はまったく食いついて来なかったのだそうだ。でも、今日のは、かなり食いつきが良くて、釣りを続けたかったらしい。

それを聞くと増々、申し訳無いと思った。ゲストが満足してくれる事も重要だけど、こうして、泳ぐことに協力してくれる地元のフィッシャーマンたち、その船のゲストたちにも、同じように、配慮してあげないと、といつも思う。それは、トンガでもバハマでも一緒だけど、見れた人たちは、もうそれだけで満足だから、自分はどうこうする必要はない。苦労した人たち、見れなかった人たちにどう接するか、それが一番重要な事だと思う。

まあ、とにかく、状況の悪い中、5日間連続スイム達成。これで、今年のトータルでは、20日間で、14日間。7割の大台に乗って、最後のトリップを終了した。

参加して下さった皆さん、お疲れさまでした。

ちなみに、来年のスケジュールは、以下を予定しています。すでに、年末年始はお問い合わせ多数で、満席状態です。ボートをもう一隻チャーターするかもしれません。一隻、4人限定です。

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1週目 2013年12月29日(日)〜2014年1月5日(日)、ボート5日間乗船
2週目 2014年1月4日(土)〜2014年1月11日(土)ボート5日間乗船
3週目 2014年1月11日(土)〜2014年1月18日(土)ボート5日間乗船
4週目 2014年1月18日(土)〜2014年1月25日(土)ボート5日間乗船
5週目 2014年1月25日(土)〜2014年2月1日(土)ボート5日間乗船

上記は、日本発着の最短日程です。これの前後に、セノーテダイビングなど組み込むことも可能です。このスケジュールはあくまで予定です。場合によっては、多少日程が前後する可能性もあります。

Sat 26
カンクン沖、バショウカジキスイムweek4 激しい雷雨を突き抜けて3時間のスイム
2013.01.26

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4日目、風もさらに強くなり、空は厚い雲で覆われていた。島はまだ雨が降っていなかったけど、向かう先には、怪しげな雨雲が広がり、時に稲光が走った。

(この状態でバショウカジキ出ても、泳げないよな〜)。そう思いながらも、この雨雲に囲まれているおかげで、波が多少弱まってくれていることも確かだった。

他のフィッシングチャーターボートも次々に海に出て行った。同じ会社のボートに乗るゲストと仲良くなり、他の海ではこんな魚が撮影できるよという話をしてもらった。大物撮影になってくると、ダイバーからよりも、こうしたフィッシャーマンから情報を得ることが多くなってくる。

その彼に、「もしバショウカジキの群れ見つけたら連絡して下さいね」と伝えて、お互い港を後にした。

昨日群れを見た、島から8マイルのエリアを捜索。その周囲は雨雲で覆われていて、この範囲しか捜索できそうにない状態だった。グンカンドリはいるものの、バショウカジキの鳥山は立たない。

しばらくして、先に出た同じ会社のボートキャプテンに、ロヘリオが無線で連絡を入れる。すると、鳥山が立っているとのこと。

僕が「場所は?」と訪ねると、ロヘリオが笑って指を指す。その先には、激しい雷雨を伴ったどす黒い雲の塊が・・・。「え?あっち?」。そう訪ねる僕に、「あの向うだ4マイルくらい北。いくつか鳥山が立ってるそうだ」と答えながら、伝えられた方位を、船の舵輪の脇の部分に、鉛筆でいつものように殴り書きをする。

「あっちか〜」と思いながらも、この天候では、確実に鳥山が立っている現場に早く行って、早く見せて引き上げた方が良い。フィッシングもあの雷雨の下ではやってないだろうから、抜けるまでの辛抱か。と同意した。

しかし、雨は思っていた以上に激しかった。周囲が見えないくらいの豪雨。GPSが無ければ方向もままならない。たまに、GPSと船の前にある羅針盤を見比べる。GPSが北に進んでいるはずなのに、羅針盤は違う方向を差しているように思えた。

おまけに、すぐ近くで何度か雷が落ち、思わず金属部分から手や足を離した。ロヘリオを見ると、彼も苦笑いしている。「あと、30分くらいで抜けるよ」と言うロヘリオに「30分?」と聞き返すと、「多分ね、多分」と言ってまた呆れたように笑う。

空を見上げた。そんな激しい雨の中、グンカンドリたちが飛んでいるのを見つけた。「こんな豪雨の中でも飛んでる・・・」しばらく見ていると、身体をぶるぶるっとふるわせて、ずぶぬれの全身から水気を払っていた。どうせすぐにまたびしょ濡れになるのに。

少し、明るくなってきた。雨も小雨になり、前方に3隻の船が見えて来た。同じ会社の船もそこにあった。しかし、相変わらず周囲は厚い雨雲に覆われた状態。青空の一かけらも見えない。

それでも、空には沢山のグンカンドリたちが翼を広げて悠然と飛び続けていた。(なんか、青空の下で飛んでる時より、かっこいい)。そう思いながらも、(この鳥の群れに雷が落ちたら、すごい焼き鳥になっちゃうのかな)と、上空を舞う何羽ものグンカンドリを目でなぞりながら、バリバリと雷が落ちるルートを想像したりした。

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3隻の船のうち、一隻の前に巨大な鳥山が立っていた。少し入れさせてもらえないかと連絡を取ると、譲ってくれるという。その船の名前はリーサルウェポン。
(この天候のときに、群れ譲ってくれる船の名前がリーサルウェポンね)とちょっと笑ってしまった。

皆には、フロートの付いたベルトを携帯してもらい、「もし群れが移動していて、付いてこれない人がいたら、その人のペースに合わせます。船に上がるときは、一度に上がらないで、気をつけて下さい」と伝えて、鳥山に接近してエントリー。

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バショウカジキの数は40匹程度。まだ微妙に移動していた。4名中、3名はその移動速度に付いて行ける泳力があった。僕は顔を上げて、高波の中、もう一人に声をかけた。「大丈夫ですか!」という問いに、「ちょっと無理!」と返事が返ってきたので、「じゃあ、一旦上がりましょう」と声をかける。リピーターの女性が気づき、戻ろうとしたが、「3人は群れについていていいから!」と伝えて、追いつけない女性と一緒に船に戻る。

戻ると自分はすぐに群れの方へ。しばらくすると、完全に止まった。船の方を見ていると、止まったのを確認したのか、その女性がまた海に入ってきて、全員でバショウカジキの捕食シーンを撮影し続けた。

しかし、雲が厚く、シャッタースピードを上げるには、ISO4000まで上げなければ行けない程の暗さだった。

空を見上げ、あの雷雨がこちらにやってこないかをチェックしながら撮影を続けた。もし、こちらに来るようなら、すぐに船に戻るよう、皆に伝えなければいけない。しかし、雷雲はこちらから徐々に遠ざかって行った。

止まったイワシ玉に付いて、捕食に来るバショウカジキを撮影し続ける事、3時間。激しく海面を舞っていたグンカンドリもいなくなり、バショウカジキの数も10匹くらいに減った。一人の女性が、波酔いして、船に引き上げる。船を見るとロヘリオとウヮンが(下はどうなってるんだ?)というゼスチャーをしていた。僕は、下にまだいるよという合図を返す。

(そろそろ終わりにした方がいいかな)。そう思い、イワシについて撮影を続ける皆の前に出て、「イワシの群れからちょっと離れて下さい」と伝える。皆に後退してもらった直後、僕らが側にいたので、警戒しながら捕食をしていたバショウカジキたちが、一斉にイワシ玉に群がり、あっという間に食い尽くした。

この状態で、3時間のスイム。時間はまだ12時くらいだったけど、引きあげる事にした。

これで、week4は4日間で4日間の遭遇。合計で、19日間で、13日間の遭遇。最終日、もし見れれば、7割の大台に達する。


Thu 24
カンクン沖、バショウカジキスイムweek4 運の良い遭遇が続いた2日目、3日目
2013.01.24

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week4の2日目も天気は良く、風向きも良好。昨日程では無いけど、波も高くはない。しかし、一つだけ問題が・・・。北のエリアの透明度だ。この日も北に行こうとしていたロヘリオに、「自分もこういうコンディションの日は、南は船も多いし、北の方が良いと思うのだけど、昨日の北の透明度の悪さを考えると、今日は船が多くても南にいた方がいいかもよ」と伝える。

トンガでもそうなのだけど、透明度の高いエリアとそうでないエリアがある。スキッパーは海中には入らないので、状況がわからない。だから、海中の状況を伝えて、捜索エリアを変更するというのは、良くあることだ。

ロヘリオもなるほどと思ったのだろう。「じゃあ、南で釣りでもしながら、鳥山が立つのを待つか」と同意してくれた。北の情報は、同じ会社のフィッシングボートからの無線連絡を待つことにした。

しかし、この日も午前中は何事も起こらないで過ぎた。北でも何も見れていないとの無線。たまに鳥山が立ち、急行するが、到着直前に散ってしまったり、多くのフィッシングボートが、フィッシュオンを狙って鳥山に集まってきて、あっという間に鳥山が崩れてしまったりしていた。

グンカンドリの数は多い。しかし、そのほとんどが、カツオの捕食に群がっていた。何日か前のように、その中にグンカンドリの鳥山が紛れていないか確認を続けるが、それらしき鳥山は見つからなかった。

釣りをしながら、どんどんと時間が過ぎていく。最初は起きていた皆も、酔い止めによる睡魔に勝てず、睡眠を始めていた。

ずっと探し続けていたけど、見つからず、時間は2時を過ぎた。ロヘリオに、「あと30分だけ探して見つからなかったら帰ろう」と告げると、今日は望みも無さそうに感じたのか、昨日見せれているからか、「了解。じゃあ、ゆっくり帰りながら何かあることに期待しよう」と言って、船をムヘーレス島に向けた。

皆にも、「30分探していなかったら、帰りますね」と告げた。その時点でウエットスーツを脱ぎ始めた人もいた。

しかし、ロヘリオは双眼鏡での捜索は続けていた。僕はリラックスしてイヤホンして音楽を聞いていたら、しばらくして突如スピードを上げた。一気に帰るのかと思ったら、僕に双眼鏡を渡して、「鳥山だ、前を見てみろ」という。

覗くと、かなり先にグンカンドリの鳥山が立っていた。それに他に船もいない。まだ当分先だけど、皆に「すみません、準備して下さい」と告げる。

同時に、北に行っていた同じ会社の船から、鳥山が立ったからこっちに来いという無線連絡が入った。しかし、ロヘリオは、「こちらでも鳥山が立ったから、こっちのにトライする」旨を告げて、船のスピードをさらに上げた。

(どうか飛び立ちませんように)僕はそう念じながら、カメラを用意し、フィンに足を通し、マスクを被る。

近くに来ると鳥山の下にイルカの背びれが見えた。皆が一様に落胆する。ロヘリオも悔しそうな顔をしていた。しかし、これまでの経験から、水中に入ると、イルカとバショウカジキが一緒に捕食している事も何度かあったので、ロヘリオに「チェックするから」と言って、鳥山に寄せてもらい、一人でエントリー。

海中にはイルカの鳴き声が響き渡っていた。自分には、バハマでおなじみのタイセイヨウマダライルカたちだ。しかし、ここの子たちは、愛想が無くて、近よって来ない。蜘蛛の子散らすように、泳ぎ去っていく。

その後ろに、バショウカジキの群れを確認した。イワシの群れは大きく、止まる感じは無い。イルカが水面近くにいるためか、バショウカジキたちは、その少し下を泳いでいて、船上からでは確認できなかったわけだ。

船に戻り、「セールフィッシュいるよ!15〜20匹くらい」と告げて、皆でエントリー。イワシもバショウカジキも泳ぎ続けていたので、ゆっくり見るという感じではなかったけど、40分ほど一緒に泳ぎ、2日連続の遭遇。最後のスイムを終了して、鳥山を後にした瞬間に、グンカンドリたちが、空に散り始めた。本当に運の良いタイミングだった。港に引き返したのは、午後の4時。

それにしても、島から8マイルしか離れていないエリアで遭遇とは本当にラッキーだった。

3日目は、海も荒れ始め、まったく青空の見えない曇天で、時に雨も降り続けた。昨日鳥山を発見したエリアで、捜索することにした。鳥は沢山いるのだけど、みな散っている。カツオの鳥山かなと思ったら、ロヘリオが「キングフィッシュ(サワラの一種)だ」と言って、クルーのウァンにトローリングするように促す。そして、釣れたのは、確かにキングフィッシュ。

どうしてわかるんだ?と疑問に思い、訪ねると、「カツオの場合は、捕食のときに、水しぶきが上がるだろ。でも、この鳥山の下では、まったく上がらない。キングフィッシュは水しぶき上げないけど、たまに、イワシを捕食したキングフィッシュが、水上にジャンプするのが見えるんだよ」と教えてくれた。

なるほど、確かに水しぶきはまったく見えなかった。

怪しいけど、バショウカジキのっぽい鳥山にチェックでエントリーしてみるが、イワシしか見当たらなかった。しかも玉になっていなくて、捕食のために、バラバラな状態。

船はゆっくりと北へ。しかし、無線を聞いていたロヘリオが急遽南へと猛スピードで戻り始めた。フィッシングボート同士の無線のやり取りで、キングフィッシュを釣ったエリアで鳥山が立ったというのを確認したからだ。

現場に急行。すでに6隻ほどのフィッシングボートとカンクンからのスイムボートが一隻。状況確認すると、そのスイムボートのゲストに、15分間だけ譲ってくれているとのこと。こちらもその後に入れ替えで15分だけ許可をもらい、入れてもらうことにした。

イワシの群れは十分に小さく、15分と短いながら、皆止まって、バショウカジキの捕食シーンを見ることができた。

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この日は、その後も雨が降り続き、何も見れないまま、1時に帰路についた。ロヘリオが、「こういう日はなかなか見つからないんだよ」と笑った。

それがわかっていたから、普段なら、午前中から他の船に譲ってもらうなんてあまりしないのに、この日は、譲ってもらう判断をしたわけだ。ロヘリオの好判断のおかげで、3日間、連続で皆水中でバショウカジキを見ることができた。

これで、18日間(海に出たのは17日間)でバショウカジキに遭遇したのは、12日間。

Wed 23
カンクン沖、バショウカジキスイムweek4 初日から、バショウカジキ。「意地でも見せる」キャプテンの心意気
2013.01.23

昨日までで、week4の前半の2日間が終了した。風が良いせいなのか、ヨープレートを毎朝飲んでいるからなのか、2日間ともバショウカジキの群れに遭遇することができた。初日からバショウカジキの群れに遭遇できると、精神的にはとても楽になる。しかし、連日激しく泳いだので体力的な疲労は蓄積される。

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week3とweek4の間でセノーテに行った日、コンディションも良く、バショウカジキも出ていたと聞いていた。だから、風が北方向に変ってからは、これで5日間連続で確認されたことになる。

しかし、week4の初日もコンディションが良くて、島から一番近いエリアにグンカンドリたちの姿が多く見られた。しかし、こういうコンディションの場合は、特にこのエリアには、ムヘーレス島からだけでなく、カンクンからもフィッシングボートやスイムのボートが多くやってくる。

キャプテンのロヘリオは、船で混み合う南は避けて北へと船を進めた。北でグンカンドリを見つけられれば、他の船に邪魔されることなく、スイムをすることができる。南に戻るのは、船が少なくなる午後遅くなってからでも良いという判断だ。しかし、この日の北のエリアは、いつにも増して透明度が悪く、船の上から見ても水中の状況はわかるような感じだった。

それに、グンカンドリも見当たらない。早々に見切りを着けて南に戻る。しかし、すでに、そこには、30隻近くのフィッシングボートがいて、鳥山が立つと一斉にその鳥山めがけて船が集まって、バショウカジキ狙いのフィッシングが始まってしまう。

鳥山はどこで立ち上がるかわからない。タイミング良くその近くにいれればいいのだけど、フィッシングボートの側で立ち上がると、当然そのボートや他のフィッシングボートが優先する。目の前で5〜6隻、多いときには、10隻ほどの船が入り乱れてグンカンドリの群れをかき分けるようにフィッシングを行なう。その下には、イワシの群れと、それを追い込むバショウカジキの群れがいる。

フィッシングボートがそれぞれ、釣り上げたいバショウカジキをヒットさせて満足するまでは、こちらは、順番を待たないといけない。しかし、多くの場合、何隻もの船がグンカンドリの群れをかき分けていくうちに、鳥山はちりぢりになり、海中でもおそらくバショウカジキもイワシを放棄して、ばらばらになって、イワシたちは絶体絶命の危機から逃れて、海底へと逃げ延びているのだ。

わかってはいることだけど、目の前で、上空高く飛び去って行くグンカンドリたちを見るのは、悔しい。この日はそんな状況に何度か遭遇した。

そんな時ロヘリオが、「ちょっと北の方でマンタがいるらしいけど行くか?」と聞いてきた。しかし、この週のゲストたちは、西表でガイド経験のある女性だったり、タイや、パラオ、モルジブなどに良く行く人たちだったりして、マンタは見慣れていると判断。「いや、いいよ。それより初日だからバショウカジキ優先しよう」と伝える。

しかし、なかなかタイミング良く鳥山が見つからなかった。そんなとき、マンタの側にいたボートから「鳥山が立った」と連絡が入った。それなら、とその場に急行したが、すでに鳥山は散った後だった。せっかく近くまで来たのだから、とマンタと泳ぐことにした。

マンタは、このエリアでは、北と南の潮がぶつかる、潮目のラインに沿ってみられるのだそうだ。そこにたまるプランクトンなどを捕食しているという。エントリーしてみると、透明度の悪い海の中で、巨大なマンタ(オニイトマキエイ)が、無数のイワシを従えて、激しく捕食を行なっていた。しかも、数は5匹程を確認した。

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潮目なので、プランクトンも豊富かもしれないが、透明度もめちゃくちゃ悪く、その他の浮遊物やゴミなども多くて、撮影には苦労した。それにしても、イワシを従える巨大なマンタの姿は圧巻だった。

イワシを食べ尽くすバショウカジキ、そんなイワシを守る、守護神のごとく巨大なマンタ、弱肉強食と共生の姿を、この海で目の当たりにした。

マンタ撮影が終了して、また鳥山を探してゆっくり南に戻る。先ほどより少し船の数は減った。しかし、すでに時間は午後3時近くになっていた。普通なら港に戻り始める時間だ。どうしよう、こんなコンディションで、鳥山も立っているのに、見せてあげれないのは悔しいな。そう思っていたのは、自分だけではなくて、キャプテンのロヘリオも同じように強く思っていたことだった。

「どうする?」と訪ねる僕に「まだ探す」とだけ答えるロヘリオ。

その言葉を受けて、双眼鏡を手に前方を眺める。そこに鳥山が立った。前方、肉眼では確認できない距離ではあったけど、その事をロへリオに告げると、双眼鏡を受け取ったロヘリオも頷いて、船のスピードを上げた。

近くに他のフィッシングボートがいたが、どうやらすでに釣り終わって、満足していたらしく、ロヘリオが無線で確認すると、泳いでいいとの連絡を受ける。その船に手を振って、皆にエントリーを促す。

最初は移動を続けていたバショウカジキ約40匹の群れも、長く追跡しているうちに、皆も付いて来れるくらいのスピードに変った。全員が初日から止まってバショウカジキの捕食シーンを見ることができた。泳いだ時間は40分ちょっと。ゲストの皆も初日から止まってみれて、大いに喜んでいた。

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港に凱旋したのは、午後5時過ぎ。朝6時過ぎに出港しているので、約11時間。
その日の夜は、釣り上げた魚を、港の前のレストランでセビーチェとフィッシュアンドチップスにしてもらい、祝杯を上げた。

これで、16日間で10日間の遭遇。

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2016.06.28
2017年名古屋、大阪で写真展「INTO THE BLUE 〜青にとける〜」巡回展のお知らせ

2016年5月に東京・六本木ミッドタウンにある富士フォトサロンで開催し、1万人もの方にお越しいただいた写真展「INTO THE BLUE〜青にとける〜」の名古屋、大阪での巡回展日にちが確定しました。 名古屋・富士フォトサロン 2017年5月12日(金)〜5月18日(木) 大阪・富士フォトサロン 2017年6月2日(金)〜6月8日(木)

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スペシャルトリップに参加いただいたゲストの皆様からご感想をいただきました。
>>参加者の声

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INTO THE BLUE では、写真家・越智隆治 が、バハマ、トンガ、フロリダ、マーシャル 、 タイ、フィリピン、南アフリカなどなど、取 材で訪れた各国での体験談や変り種情 報などを、写真や動画と一緒にブログ形 式でつづっています。

越智隆治プロフィール

世界中の海を自然環境をテーマに取材を続ける水中写真家。イルカと人の関係に興味を持ち、国内外の多くの海でイルカの撮影を行っている。
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