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Sun 27
ナイトドルフィンスイミングに挑戦
2004.06.27

今、この原稿は、タイセイヨウマダライルカたちの住むバハマの海の上で書いている。昨年に続いて、今年(2005年)も約1か月間、息子を連れてイルカの撮影に訪れている。今現在の話まで、この連載が続けられるかどうかわからないけど、今回もまた、昨年のイルカと息子の話。

昨年(2004年)は6週間、ドルフィンクルーズ船に乗船していた。最初の頃は海に足をつけるだけで大泣きしていた息子の海友だが、週を重ねる毎に海にも慣れて来て、半ば頃には浮き輪に浮かべた状態で海にぷかぷか浮いているのは平気になった。最初は船の上にいる海友とイルカたちを絡めて撮影できれば良いかな、くらいに思っていたのだが、奴が海に慣れてくると、親としても、カメラマンとしても、だんだん欲が出てきた。

「水中は無理にしても、なんとか水面でイルカと一緒の写真を撮影したい!」。その一念で、海のコンディションの良い時にイルカたちが船尾に接近してくるタイミングを見計らって、海友を海に入れる事を何度か試みたのだが、なかなか上手くいかない。息子本人にしてみれば、海水に浸かるのが楽しいだけであって、別にイルカにそんなに興味があるわけでも無いのだからいい迷惑に違いない。

それでも、8か月という月齢にも関わらず、そんな親のわがままに笑いながら海友は何度もつき合ってくれた。しかし、何度繰り返してもイルカの移動が早くて、一緒に撮影できない。そこでバカな両親が思い付いたのが、夜イルカたちと泳がせるという手段だった。

夜と昼とでイルカの何が違うのかと疑問に思う人もいるだろう。昼間は基本的に、イルカたちは好き勝手に移動したり遊んだりしているのだが、夜のドルフィンスイミングは、船から強力な水中ライトを沈めて、そこに集まってくるイカや小魚をイルカたちが捕食しにやってくるところで一緒に泳ぐのだ。だから、昼間と違って、イルカたちは船の近くを泳ぎ回るので、ほとんど動かずに一緒にいることができる。

真っ暗な海、大人でも最初は躊躇するものだが、海友はまったく泣く事も無く、海に入っていった。浮き輪の両サイドを僕達両親に支えられながら、イルカが接近してくる方に行ったり来たり。で、僕はその状況を撮影していたのかというと、実はずっと浮き輪の側にいたのだった。だから息子の初ナイトドルフィンの写真は、奴を挟んで陽気にポーズを取るバカ親二人がしっかり写っている、ゲストに撮影してもらったピンぼけ写真しかないのだった。

そして、当の海友はというと、たまにイルカに興味を見せるものの、どちらかというとイルカの餌となるイカに強く興味を持っているようだった。おまけに、光に向かって飛んで来たトビウオが頬をかすめたのにビックリして大泣きし、ナイトドルフィンは30分程で終了した。結局、家族でバカな事してる記念写真が欲しかっただけなのである。父親として、妻と息子だけのツーショットでは許せなかったのだ。あの時、“カメラマンとしての思い”ってのは一体全体どこへ行ってしまったのだろうか。

●またまたダイビングワールドで連載されたSUN & SEAというコラムから。プロカメラマンなのに、いかに写真に対して執着心が欠落しているかを暴露してしまった記事です。でも実際は、ボートの近くとはいっても、暗い海で、何がやってくるかもわからない状況下、母子だけを海に入れて、自分が安全な船上にいるのは心配だったというのが半分くらいあるんですよ。いや、本当なんですよ。心配だったんです。今年は、もう少しイルカに興味示してくれるかな?ちなみに昨年は「ドルフィン」と指さして言うようにはなっていたけど、どっちかって言うと、「機関車トーマス」のビデオばっか見て興奮していました。

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