INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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メキシコモブラスイム&オルカリサーチ

2023年モブラスイム&オルカリサーチ

2023.08.01 / Author.

2023年5月21日(日)〜29日(月)、5月28日(日)〜6月5日(月)、6月4日〜12日(月)
日本発着のスケジュールでモブラスイム&オルカリサーチのスペシャルトリップを開催しました。

本ツアーは、より効率よく広い海域を捜索するためにセスナを使用し上空からの捜索を選択。
発見した海洋生物の位置や状況を我々が乗船している船に連絡してもらい、現場海域に向かうという形を取りました。
もちろん、船だけでの捜索も可能ですが、日数が短いこともあり毎日セスナを使用して捜索を行いました。

メキシコはバハカリフォルニア、今回のツアーの集合場所であるラパスから車で走ること数十分。
国道のような大きな道路から外れ、舗装がされていない道を通り、砂埃を立てながら目的地へ到着しました。
フライトトラブルがあり到着がかなり遅い時間だったので、その日は軽くブリーフィングをして就寝。
今回の滞在先は、素敵なアメリカ人夫婦が経営するホリデーハウスです。
建物の周りには何もないため、信じられないくらい星が綺麗に見えました。

week0から2までの3週間、合計15日間の出航では、さまざまな生き物との出会いがありました。
その中でも、ベイトボールにアタックするスマガツオとシイラ、ジンベエザメ、ハシナガイルカ、
ハンドウイルカ、カリフォルニアアシカ、モブラの大群には全ての週で遭遇。
その他にも、マダライルカ、そのうしろに続くキハダマグロの群れ、マッコウクジラの群れ、
大西洋ムナグロアジ、クロカジキ、ザトウクジラ、ナガスクジラ、ニタリクジラ、オルカ(シャチ)など、
様々な種の生き物に出会うことができ、改めてメキシコの海の素晴らしさを感じました。

ここから先は、順不同で部分的にピックアップして記録しています。

初日、出航して一番初めに遭遇したのはミナミハンドウイルカのスーパーポッド。
透明度があまり良くないエリアでしたが頭数が多かったため、
エントリーしてからしばらく、イルカたちが通り過ぎていく様子を観察することができました。
浮いているだけで次から次へとイルカが通り過ぎていく状況にいきなり圧倒されたシーン。
イルカたちはヤガラを捕食していた様子でしたが、残念ながらその捕食の様子は撮影できませんでした。

その後すぐにクジラの死骸とシイラの大群がいるとの情報が入ったためそちらに向かうと、
もう形がわからなくなってしまったクジラらしき皮膚の塊と、たくさんのシイラが。
昔、シイラが死体の下についていたのをみた漁師が、屍人食いという異名を名付けたといわれています。
その由来となる現場を目撃してしまったようです。

岸から遠く離れた外洋のエリアでマッコウクジラと遭遇。
かなりの数がいたようで船の周りは見渡す限りマッコウだらけ、その群れの一部を水中で撮影することもできました。

ある日は、出航早々にモブラのvortexを発見。
すぐにアプローチし水面まで上がってくるたくさんのモブラたちを長い時間に渡り観察することができました。
まだまだ同じ場所に留まっていてくれそうでしたが、観察や撮影に満足したゲスト陣。
そろそろ次行きましょうか、とその場を離れたほどでした。

セスナからジンベエザメを発見したとの情報が入り現場へ急行。
現場に到着しましたが船上からは何も確認できず。セスナからの情報を頼りにじわじわとアプローチ。
ようやく船上から目視でジンベエザメを確認できた頃に一隻目がエントリー。
お腹の部分がとても大きな個体でした。
この時期はこのように妊娠したと思われる巨大なジンベエザメとの遭遇もよくあるのだとか。
セスナの有用性が顕著に現れ、正確且つ効率の良いスイムができました。

その後もトランシーバーを使用しセスナや仲間の船とも連絡を密に取り合い、広域を捜索。
トランシーバーを使用して連絡を取り合い、船上からは確認できない生き物の動きをセスナが捉え、
時にはエントリーのタイミングさえもセスナに委ねるシーンがありました。
たまに、すれ違うセスナの飛行を見ることができるのですが、その全てがとっっっってもかっこよくて、
何かのミッションに取り組む映画の登場人物にでもなった気分でした(私だけかな?笑)。
この飛行機が私たちのためだけに飛んでくれている、という事実にひどく感動したのを覚えています。

全週で確認できたイワシのベイトボールについてですが、ベイトボールを発見したと言っても、
実際に水中に入ってみないとどんな生き物がそれらを捕食しているのかは、わからないことが多いです。
この時もベイトボールを見つけ早速エントリーすることに。
初めはスマガツオがイワシを捕食しようと深場でぐるぐる泳いでいる状態でした。
この状態では迫力のある画を撮影することができないため、
カツオたちが自然な状態で捕食を始めるまでは離れて観察します。

捕食が始まるとこんな迫力のあるシーンを撮影できることもあります。

しかしこの時は、なかなかアクティブにならないスマガツオたち。
しばらく待機していると船上に残っていた現地ガイドが、こちらに向かって ”クジラがいる” と叫んできました。
クジラのいる海域に向かうため船に戻れと言うことかなと思い、船に向かって泳ぎ始めた瞬間。
すごく近くでブローの音‼それとともにゲストの大きな叫び声が。
瞬時に状況を理解し、水中をキョロキョロしました。
するとそこには、イワシを捕食しようと我々の真下を突っ切っていくニタリクジラの姿が。

サプライズゲストに歓喜の声が上がりました♡

ボートから見える範囲の海域にたくさんのベイトボールが。
その下にはまたもやスマガツオとシイラがちらほら。
そのうちの一つにアプローチしましたが、隣のベイトボールとくっついたり離れたり、
大きくなったり小さくなったり、、、忙しなく形を変えるイワシたちにしばし見惚れていた、ゆるいスイムでした。

その後、イルカの大群と聞いて駆けつけた場所には、空一面に広がり数えきれないほどの海鳥たちとマイルカの大群。
どうやらイルカたちはベイトボールに捕食に入っている様子だったため、タイミングを見計らいエントリー。
そこには端が見えないほどのイワシの大群と大西洋ムナグロアジの群れ、その後に続くマイルカの群れが。
エントリーしてすぐにはイワシに囲まれて周りが見えない時間が数十秒続いたように感じました。
その後、パッと視界が開けたかと思うと、見たことない柄の大きなアジが何十匹も通り過ぎていく。
この光景は、海面上の鳥たちの動きと併せて、一枚の写真には表しきれない圧巻のシーンでした。

week2のある日、ハシナガイルカの大群に何度かアプローチ。
とてもフレンドリーな個体も混ざっており、たくさん遊んでもらったあとは、
イルカ達と並走し船上からの観察に切り替えました。
ベタ凪の水面から水中を泳ぐイルカ達を見ているだけで幸せだね、と話すゲストさん。
とても平和な時間が流れていたように感じました。
後から聞くと越智はイルカ達の後ろにブルーマーリンがついてたのを目撃したとのこと。私も見たかった、、、

仲間の船からの情報で、とある海域へ向かっていたところ。
我々が乗っている船はどんどん水深が浅い場所へと向かい、
とうとう海底に映る波紋さえもくっきり見えるほど浅い場所へ到着。
というか、そこは真っ白な砂が広がるビーチでした。その少し沖には何やら黒い影、、、

こんなに浅い場所で泳ぐジンベエザメを見たのは初めて。
太陽の光がキラキラと差し込む真っ白な砂地を優雅に泳ぐその姿。かなり印象深いシーンでした。

そしてお待ちかね、シャチとの遭遇について。
出航早々に、シャチの情報があり現場へ急行。そこにはすでに数隻の船がいました。
しばらく様子を観察していると噂を聞きつけた他の船が徐々に増え、20隻近くでシャチを取り囲むような状態に。
そこで私たちは現地ガイドの提案で作戦を切り替えることにしました。
セスナからの情報もあり、おそらくシャチは近くを泳いでいるイルカの群れを目標としているのではないか、と。
そこで、先回りしてシャチがイルカの群れと合流するであろう場所に向かいました。
予想通りイルカの群れと合流したシャチたちは、ハンティングを始めた様子。
今まで見たことないようなスピードで泳ぎ、逃げ回るイルカたち。
イルカが激しくジャンプすることもあれば、両者しばらく潜行して姿を現さない場面もあり、
水中ではいったいどんなシーンが繰り広げられているんだろうと、
大きな期待と少しの不安を抱えてひたすら待機そんな中で、INTOTHEBLUEチームの一隻にもチャンスが巡ってきました。
しかし、突然の出来事でもあり、水中に入れたのは数名のみ。
さらにその姿を撮影できたのは越智だけでした。
その後もしばらく様子を伺っていましたが、船が多いこともありシャチたちが浮上してくる頻度が徐々に減り、
最終的にはロストしてしまいました。

シャチとの遭遇に関しては残念な結果となりましたが、
たくさんの生き物たちに出会えた素敵な思い出を胸に、来シーズンへの期待を持ち続けることにします。

2024年も、5月後半から6月頭にかけて、メキシコモブラスイムを開催します。

week1 2024年5月19日(日)日本発〜5月27日(月)日本帰国
week2 2024年5月26日(日)日本発〜6月3日(月)日本帰国
week3 2024年6月2日(日)日本発〜6月10日(月)日本帰国

ご興味のある方はお問い合わせください。

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