セールフィッシュスイム8日目、この日も朝8時頃から泳ぎ始めた。あまりに毎日泳げてしまうので、書く事が無くなりそうだ。しかも、毎日数時間。この日も3時間半以上泳いだ。そのほとんどが、留まっている状態から、食いつくしシーンまで。
鳥山にして、4つ違う山に入ることができた。しかも、これで、4日間連続。過去総計で12回中9回の遭遇率。
これだけ色々入れると、バショウカジキの捕食行動に関して、色々と「もしかしたら、こうなのかもしれない」という仮説を個人的に考えたり、新たな疑問も色々と沸き始めたり、撮影に関しても、捕食の瞬間以外にも「この瞬間が撮りたい」と狙いが増えて来て、結局はまた凝りもせず、延々と撮影と観察を続けてしまう。
「捕食」というエグイ状況を間近で見てるにも関わらず、バショウカジキに愛着を感じ始めている。ゲストに冗談で「バショウカジキの個体識別すれば。きっと世界初だよ」と言われた。識別するには、数が多過ぎるし、マンタのように特徴的な模様があるわけでも無い。おまけに体色をコロコロ変えるから、何を目安に識別していいのかわからない。
吻の先端が折れていたり、背びれの千切れ具合に特徴があったりする個体は、そのときにはとても目立つのだけど、じゃあ次会った時も区別がつくかと言うと微妙だ。
こういうのは、やはりフィッシングでの格闘でついてしまうものなのだろうか。
今回も吻が折れてしまった、下の写真の個体がとても目立った。吻が折れている個体というのは、毎回そうなのだけど、獲物を弱らせる"武器"である吻が無い分、餌の捕食率が下がるようだ。その分他の個体よりも、多く餌に対してアプローチをかけている印象がある。
でもその場合の捕食確率は、やはり低いようだ。必然的に、餌となるイワシの側にいる僕らの側にいることが多くなり、愛着がわく。
とか言いながら、この日はあまりに泳げてしまうので、途中でしばらくフィッシングに変更。なんとバショウカジキをヒットする。ゲストのKさん・・・・、写真が掲載されてしまうので、本名で毛塚さんは、世界中の海で様々な海の生き物を撮り続ける写真家。これまでにも、バハマのイルカ、フロリダのマナティ、タスマニアのハンドフィッシュ、エクスマスのジンベエザメ、トンガのザトウクジラ、ニュージーランドのシャチ、エスペランスのリーフィーなどなど、一緒に撮影に出かけた事がある。
生物たちへの愛着は、ある意味変態的に"好き"なオタク的な人。「何でそこまで好きになれるの?」くらいに好きなだけに、持ち合わせた動物運も相当な物で、彼と一緒に撮影に行くと、信じられないくらいの遭遇や瞬間を経験することが多い。
側で見ていると、うらやましくもあり、彼程の生物好きで無い自分は、あやかりたく無くもありといった感じだ。まあ、いずれにしても一緒に行くときの引きの強さは感じていて、久しぶりに一緒になった今回も大当たりして、また相性の良さを実感している。そして、写真もプロ顔負けの凄い作品を沢山撮影している。
と、長い紹介をしてしまったが、これがKさん、もとい、毛塚さんが釣り上げたバショウカジキ(キャッチアンドリリースなのでこのあと、海に戻した。まずくて食べないらしい)を握りしめて、嬉しそうにしているところ。
これなんか、背びれに自分の顎を乗せて、恍惚とした表情を浮かべているところ。こんなところが変態的でいつも笑わせてもらっている。
そして、これがヒットしたバショウカジキが背びれを開いて飛び跳ねてた瞬間。
夢が二つもかなって、良かったですね。毛塚さん。
彼とは、次のターゲットをまた一緒に撮影に行こうと画策中だ。