スリランカ・ホエールスイムweek4初日。今日もマッコウの群れに遭遇。最初は、湾口の透明度の悪いところにいたが、捕食しながら移動していくうちに、透明度の良い海域に出たので、何度かエントリー。その中の一頭が逃げるどころか、こちらに向かって突っ込んできた。どうやら、顔の右前部が陥没していて、しかも、左目の視力がないらしい。だから、左からアプローチした僕らを右目で確認しようとしたのか?それとも、ソナーが機能しなくなってるのか?可哀想なんだけど、なんか、まじまじと見るとハリーポッターのボルデモート卿の顔に見える。
2日目は、出発してすぐに、ハシナガイルカの群れと一緒に捕食するニタリクジラに遭遇。しかし、透明度も悪く、船上からの撮影を行い、マッコウを探しに外洋へ。
なかなか見つからず、他のボートとも連絡を取り合うがどのボートも見つかっていなかったので、少し距離の離れた別のフィーディンググランドへと移動することにした。
フィーディンググランドに向かう途中で、数頭のコビレゴンドウに遭遇した。数回エントリーしたが、個体数が10前後と移動のスピードも早くて、あまり接近することはできなかった。
その後フィーディンググランドに到着して、クリック音を確認したがまったく聞こえなかった。今日は望み薄かと思ったその次の瞬間、スキッパーのニザムが急にボートを猛スピードで走らせ始めた。何か見つけたのかと尋ねると、「向こうにクジラが沢山いる、10どころじゃないよ」というので、ボートの向かう先を目を凝らして見ると、はるか水平線の先に、まるで蜃気楼かのように、クジラたちのブローが横一線に広がって吹き上がっているのが見えた。
「なんだ!あれ?すげえ!皆見えますか?あのブローの数!」と指差しても、まだ遠くて最初は皆よくわからなかったんだけど、徐々に近づくにつれて皆にも、ブローが確認できるようになってきた。
「多分50はいる」それがひとかたまりになって水面をゆっり移動してきていた。しかし、それだけでもすごいのに、その後方にまた別のブローの塊が!そしてその向こうにも!・・・・結局目視できるだけでも7〜8ポッドが固まってこちらに向かってやってきていた。「なんだこれ!!すごい!」。
そう叫ばずにはいられないほどの数が、潜ることもなく、集まってきていた。先頭の群れにアプローチしてみた。数が多い割には警戒心が強く、遠目からエントリーしたのに、クジラたちは微妙に向きを変えて僕らを避けて移動しようとする。
こちらも泳いで方向修正しながらクジラたちに接近する。水中で彼らの姿を捉えた。およそ50ものマッコウクジラの群れが、深く潜行していくこともなく、悠然と泳いでいく。僕らはその様子を真横から撮影する。まるでハンマーリバーならぬ、マッコウリバー状態!
その後も、他のポッドにもエントリーし、50個体、15個体、15個体、30個体、25個体など、の個体数を目視で確認。5ポッドの合計はおよそ135個体くらい。透明度がイマイチだったり、寄り切れない場合もあった。それに、7〜8ポッドを船上から目視で確認していたので、約200個体弱くらいと想定。しかし、まだ確認できていないポッドもあったと考えると、200は超えているかもしれない。
11時過ぎに遭遇し、海中が暗くなる3時くらいまで撮影を続けた。その間、他のボートにも連絡を入れたが、すでにガソリンが無いとか遠いという理由でくることができず、結局最初から最後まで、僕らのボートだけが、約200個体のマッコウクジラの群れに囲まれる状態で、彼女たち一緒に過ごした。
スキッパーで漁師でもあるニジャムに「今までにこんなにクジラ見たことある?」と尋ねたら、「34年間の漁師生活で、こんなの初めてみた」とのことだった。自分もスリランカには、500近いマッコウクジラのスーパーポッドが存在するという話は聞いていたのだけど、実際に遭遇できるたのは、本当にラッキーだったに違い無い。
その夜は皆で祝杯をあげたのだけど、ニジャムは本当に感動していたらしく、その日の夜は「クジラ!クジラ!」と寝言で叫んでいたくらいだったのだとか。
おまけはイエローフィンツナ(キハダマグロ)の写真。この子はクジラのスーパーポッドと泳いでる合間に水面に浮いていたら、なぜか僕のフィンの方に何度も下から接近して来たところを撮影した。何故、そんなに何度も自分の近くまで寄ってきていたのかはわからない。
3日目は、どこを探しても、何も見つからず。他のボートにも連絡を取ったが、誰もマッコウクジラを見つけることはできなかった。もしかしたら、集団でどこかへ移動してしまったのかもしれない。
透明度も徐々に下がってきていて、あと2日間、透明度の高い海域でクジラたちが姿を見せてくれることを期待したい。
2017年度も3月4月頃に、スリランカでのホエールスイミングを企画しています。詳しくはお問い合わせください。