年明け、二人の暴れん坊の面倒を見続ける妻のミナも、二人が成長し、颯友がさらに傍若無人になるとともに、子育ての疲労感も増してきているようで、心配している。

そんなとき、バハマのリピーターでもある友人のかほるさんが、スゥェディッシュマッサージの学校に通っていて、練習にマッサージをさせて欲しいとメールをくれた。海友はともかく、ママがいないと号泣する颯友がいたので、マッサージどころか、髪を切りに行くこともままならなかったために、この依頼にもろ手を挙げて喜んだ。「是非お願いします！」

ということで、正月3日にわざわざ家まで来てくれて、2時間たっぷりミナのマッサージをしてくれることになった。しかし、当然家でマッサージするのだけど、その間、暴れん坊の二人を外に連れ出して遊ばせなければいけないのが僕の役目だった。

海友だけなら、もういくらでも平気なんだけど、ママの後追いバリバリの颯友をいかにして、2時間以上あきさせずに、外に連れていくかが問題だった。普通の親子なら、別に問題ないのかもしれないけど、なんせ、ほぼ母子家庭状態だったので、まだまだ僕には慣れてくれてないわけだ。

それでも、疲れた妻に気持ちよくマッサージを受けてもらいたいと、意を決して、二人を連れて、家の前の公園の砂場にでかけた。颯友も思いのほか、機嫌良くて、ママがいなくても嬉しそうに遊んでいた。「これならどうにか時間まで持ちそうかな～」とちらっと時計を見ながら、砂場の目の前のベンチに腰を下ろして、二人の遊びを眺めていた。

しばらくすると、海友のジーンズのズボンのお尻のところが泥だらけになっているのを発見。「あ～またママにしかられるぞ～」と言って、ベンチから立ち上がり、その泥を払いに行った。

パンパン！と泥をはたいたつもりが、なんだか妙に手にまとわりつく、粘着質な泥・・・・。「泥？・・・」じゃない！周囲には、嗅ぎ覚えのある異臭が漂ってきた。「う・・・・、うんこじゃ～ん！」

「海友、これうんこじゃん！どうしたんだよ！」と手を砂場の砂で擦りまくりながら、海友に問いただした。
「うん、うんこだよ。ふんじゃったんだ～」。

「ふんじゃったんだ～」じゃないだろう！なんでふんだ時点で言わないんだよ、お前は～。くさくなかったのかよ～。と報告しないせいで、モロにうんこを触らせられる羽目になったことを恨めしく思いながら、まだ、海友のお尻にへばりついているうんこを、しょうがなく、手でこそぎ落とした。

その間中も、奴は「遊ぶ」ことを止めようとはしない。そして、颯友は、砂場に飽きて、鼻水を垂らし、そして「だ～！」とか叫びながら、どこかへ逃走を始める。抱きかかえようにも、うんこの付いた手で抱き上げることができず、足に挟んで連れ戻す。

しかも、時間はまだ30分ほどしか経過していない・・・・。「まだ、帰れない、帰るわけにはいかないのだ」
そう自分に言い聞かせて、なんとか海友のうんちを、持ってきたティッシュや颯友の鼻拭き用のガーゼでふき取り、水道で洗って、砂場から離れて、芝生の公園でサッカーをやることにした。

そこまで二人を連れていくのも一苦労。なんとかしばらく、サッカー（といってもボールをけってるだけだけど）やってたんだけど、それにも飽きてきた二人。今度は海友が、今一番気に入っている肩車をして欲しいとせがみ始めた。

「そのうんちのついた尻で、俺の肩に乗っかろうってのか、お前は」
そう思ったものの、ダダをこねられても困ると思い、もう少し、綺麗にふき取ろうと思って、もう一枚のガーゼを水にぬらして、お尻のうんこを吹いてみた。・・・ところ、水に濡れたせいで、さらにうんこの異臭が強烈になってしまった。

「こ、これはマズイ・・・、失敗だ」
もう、これ以上は引き伸ばせない。まだ1時間ちょっとしか経っていなかったのだけど、やはりここは撤退するしか思いつかなかった。

ミナとかほるさんには申し訳無いと思いながらも、無念の撤収。家に帰ると当然のことながら、マッサージを受けて横になっているママに向かって、2匹の子ザル、もとい、息子たちは襲い掛かるように突進していく。

僕ができたのは、その前に大きいサルの方を捕まえて、ズボンを脱がせることだけだった。当然のことながら、ズボンとパンツを脱がされたサルは、下半身フルチンのまま、タオルをかけてマッサージを受ける母の上に覆いかぶさっていったのでした。

新年早々、こんなに「うん」に見舞われるとは・・・・。何かいい事なかったら、本当にうんつき損です。

今年もよろしくお願いします。かほるさん、本当にありがとうございました。

ちなみに、このときは写真など撮る余裕がなかったので、写真は、「最近狭い場所がちょっと好きな颯友と、狭い場所に入る颯友をそのまま閉じ込めるのが好きな海友」