昨日から長男の海友は幼稚園。幼稚園のバス停まで、妻が送り迎えに行っている間、二男颯友を見ていてねと言われ、二人だけでほんの束の間留守番することに。

留守番すると言っても、たかだか20分~30分程度のもの。しかし、最近ママっ子の颯友は、妻が外に出てしまうと決まって「いぐ～！いっしょにいぐ～！」と絶叫していた。しかも、寝起きの超不機嫌な時間帯。

きっと「マ”マ”～！」と絶叫するだろうな～と思っていたのだけど、「ママは～？」と意外と穏やかに尋ねてきた。僕はあまり奴の気持ちを逆なでしないように「ママ、今ゴミ捨てに行ってるよ。すぐもどってくるよ」とちょっとウソをついた。兄の幼稚園の見送りに行ったなんて言おうものなら、「ハッティーもいぐ～！」となりかねないからだ。

「どうする、ポケモンか、ゴーオンジャーでも観る？」といってテレビをつけると、「ううん、パパのおしごとみたい～」とのんびりとした返事がかえってきた。

「え？パパのお仕事？」

「パパのおしごとのみたいの～」

「それって、海の写真のこと？」

「うん」と大きくゆっくりうなずく颯友。

僕は嬉しくなり、仕事部屋に奴を抱き抱えて連れていった。

見せたのは、ＷＥＢ－ＬＵＥのＰＤＦの記事。タイやペリリュー、ヤップ、メナド、バハマ、トンガなどの記事を見せると、魚や海洋哺乳類の写真を見るたびに、「かわいいね～」、とか「かっこいいね～」、とか、「こわい～」とか言いながらもずっと真剣に見続けてくれた。

普段クールな颯友が、こんなにはっきり僕の撮影した写真がみたいと意志表示したのは初めてだった。

しかも、「パパのおしごとみたい～」と言われるなんてそんな嬉しいことはなかった。

妻がいつも「パパのお仕事は写真撮ることなんだよ～」と言ってくれているから、きっとこんな嬉しくなっちゃおうようなことを言ってくれたのだと思う。

「パパの写真が見たい」と言われるよりも、何十倍も何百倍もうれしいひとことだった。　

そして、海友。ちょっと前まで近所の子供たちと一緒に遊んでいるときに、足手まといになる颯友を皆と一緒になって邪魔もの扱いすることが、よく見受けられた。僕も妻もそういうの見るのが一番許せないタイプだったので、「小さい子、自分より弱い子をいじめたりするのは絶対だめだよ！」と、そういう状況に遭遇する度に何度も何度も言い聞かせた。

泣きながら彼なりの言い訳をしたりしていたので、それを聞いた上で本当にどちらが悪いのかはちゃんと本人に説明しながら、何度でも言い聞かせた。

最近、海友の様子が変わってきた。外では他に同年代のお友達がいるときでも、颯友が一緒に遊びたいときには、「ハッティー、おいで！いっしょにやろう！」、「ハッティー、危ないよ、」と言って一生懸命手を差し伸べるようになってきた。最初の写真でも、一人で滑り台を滑ることができない颯友に対して、「皆でつながって滑ろう！」と海友が提案して、皆で滑っているところ。

それが、僕たち両親の前で、僕らの目を意識してやっているだけではなくて、僕らが見えないところでもやっているところを何度も見かけるようになった。

親に褒められたくて、目の前だけで良い子ぶるようなずる賢さは、今のところ海友にはない。それがもう一つの嬉しかったこと。

・・・・・・問題なのは、その優しさを、颯友が素直に受け取れず、「ハッティーが、ハッティーが一人でやるのよ～！」と見事に拒絶してくれることだ。

友達とも遊びたいし、でも弟の面倒もみなければと一生懸命になっている海友を見るにつけ、ちょっと不憫にも思い、「もう少し、素直に兄の優しさを受け止めてやれよ～」と思う今日このごろ。