INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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メキシコ セールフィッシュスイム

セールフィッシュスイム、海に出れない日。4時間泳ぎ続けた日

2012.01.05 / Author.

1週目のゲスト最終日は、風速30ノットの風が吹き、外洋に出ることができなかった。そのため、出航を送らせて、Underwater art museum という、彫刻が数百体も沈められている場所や、ナショナルパークエリアになっているリーフなどでシュノーケリングをした。
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結局1週目は5日間で、2日間、バショウカジキと泳ぐことができた。とは言っても、1日は2人しか水中では見れてはいないけど。まあ、でも1日、全員が一緒に泳げたので、皆満足して帰路に着いた(と思いたい)。
1週目、ゲストのNさんが、鍼灸師だったので、鍼とお灸をしてもらったおかげで、体調は見事に回復していた。
そして、3人が新たに入れ替わり、2週目の初日。海には出れたものの、到着翌日で体調もすぐれなかったせいか、新たに参加した3人が船酔いでダウン。6時出航で、3人ともすぐに寝込んでしまった。
それでもバショウカジキを探し続ける。11時になっても出ないので、また作戦を変更してルアーと疑似餌でおびき寄せる作戦に。するとすぐにバショウカジキが姿を見せたので、全員に入る準備をさせる。まず僕と1週目から一緒のKさんがエントリー。見ると6匹のバショウが!すぐに「皆入って!」と叫び、入ってもらうが、見れたのは1人だけだった。
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それでも、2日間見れていなかったので、初日から出てくれたので、少しほっとした。
船に戻ってすぐに、スキッパーのロヘリオが、疑似餌をしまって、全速力で移動を始めて。「どうした?」と聞くと、にやっと笑って親指を突き立てた。カジキがいたと無線連絡があったのだ。
この日、同じ会社のオーナー、アンソニー(昨年ずっとスキッパーをしれくれた人)がフィッシングチャーターで海に出ていて、彼から連絡が入っていた。船が見えてきた。周囲にはグンカンドリが群がっている。接近するとすぐに、ロヘリオが「皆に準備をさせろ」と叫んだ。
体調が一番悪くて入るのが無理なT君以外がエントリー体勢を取る。グンカンドリが徐々に近づいてくると、「今だ、リーダーに向かって泳げ!」とロヘリオが叫ぶのに合わせて、自分はすでにエントリーをして、鳥山を目指していた。
海は前回の時より荒れている。バショウカジキが水中に姿を見せ始める。個体数はどうやら40匹くらいと少ない。しかし、今回の群れはほとんど動いていないようだった。
エントリーしてからイワシが捕食され続け、数が徐々に減っていく。自分は最後の一匹を食い尽くすまで見届けるつもりでいた。しかし、船酔いと波酔いでSさんが脱落。2時間30分まで入っていた、Yさんも寒くて脱落。しばらくKさんと二人で捕食シーンの撮影を続ける。
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しばらくして、T君がカメラを持ってやってきた。激しい船酔いから復活したのかとほっとしたが、あまり長居せずに、船に引き返した。後で聞いたら、波酔いをしてしまったそうだ。
結局またKさんと二人で撮影を続けた。16GBのCFは途中でいっぱいになってしまったが、カメラを交換しに船に戻らず、気に入らないデータを消去しながら撮影を続けた。どうやらKさんも同じような作業をしているようだった。
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イワシの数が減れば減るほど、バショウカジキたちは大胆に僕らに近よってきて捕食を続けた。それを撮り逃すわけにはいかない。何度も何度も前に撮影したデータを見直しては、消去を繰り返し、撮影を続けた。
後で聞いたのだけど、Kさんも途中から波酔いのせいで、意識が朦朧としていたそうだ。それでも、最後の1匹を食い尽くすまで、海に入り続けていた。気絶する前に捕食が終了してくれて良かったと思った。
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船に戻ると、自分でも珍しくガッツポーズをしてしまった。ロヘリオは、「4時間だ!お前らあのコンディションで4時間泳ぎ続けてたぞ!」と教えてくれた。クルーのウワン、Kさん、そしてロヘリオと握手して、帰路に着いたのが、4時前。
12時前から泳ぎ続けて、4時前まで船に戻ることなく、バショウカジキと泳ぎ続けた。
これで、6日間で3日間、バショウカジキと泳いだことになる。勝率は5割。悪くない数字だ。船酔いが多いことが気がかりだけど。
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この日は、レストランに食事に行かず、ゲストのSさんが持ってきてくれたおせち料理やカップラーメンをホテルで食べて、早々に寝ることにした。ここの島のレストランの食事はどれもイマイチなものが多かったので、このおせち料理には感動した。生き返った。

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