'; ?> 果たせなかった水中出産|Kid's Diary 子育て日記 [ イルカやクジラと泳ごう!INTO THE BLUE ] 

イルカやクジラと泳ごう!INTO THE BLUE > Kid's Diary > 果たせなかった水中出産

子育て日記

Fri 17
果たせなかった水中出産
2006.11.17

颯友の出産のときも、海友と同様、自宅水中出産を希望していた。海友のときは初産ということもあり、気合を入れて、英国製のバースプールをリビングに設置してもらい、その中でのお産だった。しかし、二度目の今回は、「何もバースプールでなくても、家のお風呂で大丈夫」とミナが言うので、バースプールは用意してもらわなかった。

陣痛が始まって、5分間隔くらいになっていたので、先生を呼ぶと同時に、僕は風呂場を綺麗に掃除して、43度くらいのお湯を貯めて、水温計を湯船に入れて、極力40度前後を保てるようにしておいた。自宅水中出産の準備はたったこれだけ。はっきり言って、普段お風呂に入るのと大して変わりは無かった。
 
海友のときは、バースプールの中に天然塩を入れて極力海に近いようにしようなんて親心、旦那心全快で色々考えていたのだが、今回はそんな事これっぽっちも考えていなかったし、ラマーズ法だのソフロロジー分娩だのの知識も僕はまったく教わっていなかった。ミナ自身も、ラマーズ法は合わないみたいだったので、お産のときに実践する気は無いと言っていたし。

しかし、水中出産に関しては、二人とも多少のこだわりはあった。イルカと泳ぐのが好きで、妊娠中は2度とも、バハマのドルフィンサイトでのマタニティースイミングを経験していたし、初産のときは、本当に海で生みたいくらいに考えていたこともあった。だから、今回も自宅での水中出産を選択したのだ。あ、でも決定したのは僕では無く、あくまで妻のミナの意思が最優先されているのだけど。
 
今回、最初は和室に布団を敷いて、そこである程度陣痛を我慢して、本人と助産師の先生がそろそろかなと思ったところで、バスタブに移動する予定だった。しかし、ここで思いもよらない障害が・・・。海友である。陣痛で苦しんでいる間中、海友は母の元から離れようとしなかった。泣きながらまとわり続けている。「これじゃあ、お風呂に一緒に入るって言って、バスタブに飛び込んで来るよ。危ないから、お風呂は無理だよ~」と陣痛に苦しみながら、ミナは冷静に判断していた。僕は多少残念に思いながら、「でも入ってみちゃう」と小声で何度かミナに聞いてみたが、その度に「海友がいるから絶対無理だよ」と返事が返ってきた。
 
海友の時の経験から、本人は水中の方が断然楽だったと後で言っていた。でも子供のことを心配して、水中での出産を断念した。ミナ曰く、「骨盤をロープで結ばれて、トラックに繋がれ、両方に引っ張られていくような苦痛」を我慢しながら、自分の子供のこととはいえ、よくまあ気にかけてあげるだけの気概があるもんだと関心した。

でも、元来がのうてんきな二人だから、駄目なら駄目で無理にその方法じゃなくてもいいんじゃない。とすぐに気持ちを切り替えた。しかし、お産もいよいよ終盤に差し掛かり、海友のときにはあまり発した記憶の無かった、「もうだめ、痛いよ~!」という弱音(こんなの普通らしいんだけど)を今回ミナは何度も口にした。

僕は片手で彼女の腕を持って、フォーカスをオートにしたカメラを片手で持って撮影を続けていた。あまりの苦痛で激しく悲鳴を上げる母親に、ただならぬ雰囲気を感じ取った海友は、いつの間にか母の元を離れ、僕の膝の上にのっかってきて、ぎゅっと抱きついてきた。こんな状態ではまともな撮影は困難だ。

しかし、海友がミナの側を離れてくれたので、また「お風呂に入ってみちゃう?」と小声で聞いてみた。「無理だよ!」と苦しそうに答えるミナ。言葉では、「無理だよ!」だったけど、その顔からは(てめ~、こんなに苦しんでるのがわからないのかよ、動けるわけないに決まってんだろ!)と言われているように思えるくらいな気迫が伝わってきて、それ以降お風呂に入るよう促すことはやめた。ミナや助産師さんたちにしてみれば、水中であろうが布団の上であろうが、母子ともに元気に生まれてきてくれればそれでいいわけだ。まあ、それは当然僕にも当てはまることだけど。

お産も佳境に入ったころ、海友は隣の部屋でプラレールで遊びながら、遠巻きにこちらの様子をチラチラと伺っていた。そして、赤ちゃんが生まれ出る直前、何を感じたのだろうか、号泣しながらこちらの部屋に入ってきた。そして、赤ちゃんが生まれる場面をベストポジションで見ることになった海友は、その場で呆然と立ち尽くし、涙を流しながら見守っていた。僕はその瞬間、生まれ出る我が子と、それを受け止める妻、そして海友にカメラを向けて写真を撮り続けた。

特に、海友がどんな反応をするかが気になっていた。出産直後は、やはりまだ母親と泣き続ける赤ちゃんには近寄れず、僕の後ろに回って背中越しに様子を眺めて続けた。僕がへその緒を切るときも、助産師の神谷先生に「お父さんと一緒に切る?」と聞かれたけど、背中に隠れてしまったので、海友のとき同様、僕がへその緒を切った。3度に分けて、ジョキ、ジョキ、ジョキッとゆっくりハサミを入れた。まるで太くて濡れているゴムを切るような感じだ。

しばらくして胎盤が出て、それを綺麗に洗った後に、神谷先生が見せに来てくれた。「大きくて、丸くて、綺麗な濃い藍色をしている、良い胎盤ね」とのことだったが、自分には海友のときに見せてもらった胎盤の記憶も無いし、別の胎盤との比較もできないから良くわからなかったけど、とにかく「ストレスの無い健全な胎盤」は、こんな感じなのだと言われて、悪い気はしない。「赤ちゃんもストレス無くお腹の中で成長していたみたいね。良かった、良かった」。

産後の片付けが終わって、赤ちゃんに母乳を飲ませるまでは、僕にまとわりついていた海友も、いつの間にか、母親と赤ちゃんの側に近寄って、母乳を飲む様子をじ~っと眺めていた。そのときには、生まれてきた赤ちゃんに、自分のお気に入り(僕やミナが持っていても怒りだすくらい、他人に触られたくない宝物)のトーマスのタオルをそっとかけてあげていたのを見て、驚いた。

陣痛が始まってから約7時間。海友のときの18時間に比べれば、全然短いけど、今回の方が辛くて痛かったと、ミナは言っていた。「やっぱり水中の方が楽な気がしたな~」とも。

長男海友のおかげで、果たせなかった水中出産ではあったが、どんなうまれ方であろうと、無事生まれてくれれば、そんなことはどうでも良いわけだ。それに、用意したのは、ただお風呂にお湯を入れるだけだったし。皆が思っているほど、大げさに何かをやるわけでは無いところが、すぐに諦めがついた理由でもあるかもしれない、これが海友のときみたいに、バースプールとか設置してもらっていたら、きっと僕もミナも「せっかく用意したんだから、取り合えず入ってみちゃう?」みたいな、気持ちになっていたかもしれないし。

今日の訪問者:マーシャルズ・ダイブ・アドベンチャーズのオーナーガイド、吉居サトシ君と、彼女の加藤マキちゃんが、マーシャル帰国直後、空港から直接お祝いに来てくれた。サトシ君は、海友誕生のときにも、親族以外で一番最初に海友に会いに来てくれて、海友のときも、今回も、最初の家族集合写真を撮影してくれた。上が颯友が生まれてから、初の家族集合写真。

前にも書いたけど、マーシャルには2月、3月に直行便が飛びます

2007年のJALの直行便の日程は、
2月11日(日)00:15羽田発 - 08:55マジュロ着
2月15日(木)16:00マジュロ発 - 19:30成田着

3月22日(木)03:45羽田発 - 12:25マジュロ着
3月26日(月)16:00マジュロ発 - 19:30成田着

かなり変則的なスケジュールではあるけど、僕が大好きな海でもあります。今までアクセスが悪くて行けないと思っていた方も、是非行ってみてください。癒し系を通り越した、幽体離脱系の海、ぼ~っとするには最高な場所です。詳しくはマーシャルを取り扱っている旅行社、クルーズアンドアイランドまで

今日の撮影機材:Canon EOS 5D + 17mm~40mm

Next 「プラレールな1日

Previous 「平穏に過ぎた1日

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://takaji-ochi.com/mt/mt-tb.cgi/968

コメント(9)

毎回、涙アリ、笑アリ、ですね!
今度こそ(?)、水中出産かな?!

そうだったんですね!!!
いや~、いつでも色々なハプニングあがるんだけど、それをプラス方向へ変えていく越智家は素敵。ほんと、3度目はどうなるのかしら(笑)

感動しちゃいました。でも最後にあの場面でさえ(お風呂には入ってみちゃう?)と
書いて有るのを読みウルウルしてたのに、思わずぷっと吹き出しちゃいました。
ごめんなさい。minaさん読んだら怒るよね。

deyanoriちゃん、何、今度って?もう一人ってこと?

まゆりん、3度目って何ですか~?

KYOKOちゃん、いえいえ、怒らないですよ。本人も読んで笑ってましたから。

最近他のところでも出産のニュースも聞きます。そのたびに感動している私・・・
書き込みを見てまたまた感動しています。
海友くんにとっても本当に貴重な体験、瞬間だったでしょうね!!
すごいなあ・・・早く抱っこさせてもらいたいです♪

出産エピソード、すごいですね!!
読んでて感動してしまいました。海友くんにとっても貴重な経験、瞬間でしたね。
早く抱っこしに伺いたいです♪
楽しみだなあ・・・

さっちん、海友はあのとき、何を思い涙していたのでしょうね。気になるところだけどね。会いにきてね~。

家族写真、素敵です~♪
「ストレスなく過ごせた証拠のきれいな胎盤」に、とっても感動しました。越智家の普段の過ごし方が、そのまま表れているのだろうな♪
お兄ちゃんになった海友くんと遊びたいし、小さな小さな颯友くんを抱っこしたい!(赤ちゃんの抱っこも前より上手になりましたし、ベビーマッサージもできま~すv(\.\)vなんてアピールしたりして)

yukiちゃん、ベビーマッサージいいね~。っていうか僕もお願いしたいですね~。マッサージは大好きだから(笑)。遊びに来てね。ミナにメールしてもらった方がいいかな。それから、イルカの法令の件、遅くなったけど、インフォメーションに掲載しました。
http://takaji-ochi.com/information/categorise/others/000203.html
です。遅くなってごめんね。

コメントする