昨日は妻の誕生日だった。とはいっても、ほとんど通常と変わらない生活。

欲しいものは？の僕の問いに、「プレゼントはいいから、今度の日曜日に1日中、子供たち二人を遊びに連れていってあげて」ということだった。また撮影でいなくなってしまうから、その前に自由にできる日が欲しいということで、オーストラリア出発の1日前に、どこかへ連れていくことに。

今の二人を、一人で面倒見るのがどぉぉぉぉぉんなに大変か、経験しておくこと、ということらしい。まあ、海友はまだしも、颯友が大変。それは夫婦二人でも見ていても大変なんだから、それを一人でとなると、まともに自分の自由な時間なんかありえない。

今からどこに連れていくか思案中だ。

そうは言ってもプレゼントを何も渡さないわけにも行かないので、何か無い？と聞くと、「じゃあ、子供たちのお菓子や、水筒、おむつや着替えなど、を詰めて持ち歩いてうるバッグがボロボロになってきたので、それを新しく買って欲しいという。

妻にとっては、今の子供たちの年齢では、望むもの全てが子どもたちと直結している。子供たちが全てと言っても過言ではない。

だから、高価なプレゼントよりも、子供が自分で「ままへ、おたんじょうびおめでとう」と下手な字で書いた
お祝いの言葉の入った絵をプレゼントされることの方が、何十倍何百倍も嬉しいようだ。

妻はケーキもいらないと言っていたのだけど、子供たちもお祝したがっているし、夜、二人の子供たちを連れて、3人でケーキを買いに行ったら、ケーキ屋さんがしまっていた。買い物慣れしていない僕は、「ケーキ屋がしまってる」と家に電話を入れた。

「ケーキじゃなくていいから、隣のスーパーでアイス買ってきてくれればいいよ」と言う妻。仕方なく、二人を連れて、スーパーでアイスを買って、出ようとすると、そこに花束が売っていた。

寝てしまった颯友を抱き抱えながら、海友に、「ママにお花買っていってあげる？」と尋ねると、「うん！」と答える。「どれがいい？」と言って選んだのが、このバラの花一輪。でも、海友が気に行ったのは、赤いバラよりも、周りのカスミ草。

「この花かわいい」と言って、僕からお金を受け取り、自分でレジに持っていった。僕は少し離れて、眠ってしまった颯友とアイスの入ったスーパーの袋ををかかえて、様子を見ていた。

海友は、花束を買うときに、レジ係の人に向かって「あのね、ママにプレゼントなの」と照れながら小声で言うと、レジ係の若い女性と、後に並んでいた、おばあさんが、優しそうな笑顔で息子を見ていた。

一人で花束を買った息子は、ほほを紅潮させながら、自慢気に花束をかかえて、僕のところに戻ってきた。

家に帰ると、さっそく「まま～、お花買ってきたよ！」と言って、妻に渡し、妻はその花を見て、「すご～い！かわいい～～！、海友ありがと～～！」と満面の笑みで息子を抱き締めた。

恥ずかしくて、なかなか自分から、花束を渡すのなんかできないけど、夫婦になって子供ができると、こうして子供たちが、変わりに素直に感謝の気持ちを伝えてくれるから、まあ、いいかな。