４月2日に引っ越しをした。その後マリンダイビングフェアにヤップ政府観光局のPR担当として出ていたり、引っ越し後の整備などもあり、忙しくしていた。

かなり前から妻の実家がある新浦安で、何とな〜く不動産会社さんに誘われるがままに、物件を見に行くことがたま〜にあった。前に住んでいた場所が好きだったから、移り住むという強い意志があって、見てたと言うよりは、興味半分みたいな。でも、なかなか自分たちがピンと来る物件が無いまま、数年が過ぎていた。

前に住んでいた場所を、二人で見に行った時に、迷わずに「ここに決めた！」と同時に思ったのは、眺望の良さだった。眼下には、谷津干潟、バラ園、桜の咲く公園、秋に木々が赤や黄色に色づく公園が、全て望めて、四季を感じる事ができたし、快晴の時には、富士山まで見渡せた。

マンションの前に何も無いから、リビングのカーテンはほとんど開けっ放しにしていれた。そういう開放感が好きだったから、もし引っ越すのであれば、同じように、リビングのカーテンは開け放せる場所がいい。と思っていたから。

でも、そういう場所ってなかなか見つからないもの。どんなに物件見せられても、なかなか住んでいる眺望を越えるものがなかった。そのうち、何人か問い合わせて来てくれていた不動産会社の人たちからの連絡も減っていった。

そんなある日、ある不動産会社さんの新人社員の人から電話が入って、物件を見に行くことになった。「眺望」を最重要視していたから、今までの人もそれなりに「眺望良し」という物件を見せてくれていたけど、前に住んでいたところと比較すると、「う〜ん、いまいち」というものが多かった。

それが、彼が最初に見せてくれたところが、今まででも、一番眺望が良かったので、「おっ、これは」と感心したのだけど、それでも、二人ともまだ、移り住むまでの決心はつかなかった。

「もう一つ、あります」と連れて来られたのが、今のマンション。駅からはちょっと遠いのだけど、「ベランダ」とは言わず、「ラナイ」というらしい、そのベランダからの眺めを見た途端に、目の前には何も邪魔されるものが無いくらいに、東京湾が視界いっぱいに広がった。

二人ともかなり気に入った。今まで、「どうする？」と言うこともなく、物件を見ていた僕らが初めて、「どうする？」とお互いに言い合った。

「人気物件なので、すぐに買い手はつくと思います。まだ広告にも出していない物件なので」と新人社員さんが、話す側から、次の購入希望者が、その部屋を見にやってきていた。

新人社員さんと別れてから、近くの公園の砂場で，子供たちを遊ばせているときにも、「どうしよう」と二人で悩んでいた。子供たちは、砂場に備え付け（？）のお砂場セットのおもちゃで遊んでいて、それは、買い物かごの中にまとめてあった。

そろそろ、家に戻ろうと思って、子供たちに「帰るよ〜！」と言って、おもちゃを回収して、カゴに戻そうと思ったのだけど、そのカゴが、僕からちょっと離れたところにあった。おもちゃを投げて、そのカゴに入れるには、かなり難しい距離。僕は何とな〜く、（このおもちゃ投げて、全部あのカゴに入ったら、マンションを買うことにする）と決めて、６個あったおもちゃを放り投げた。

１個目、カゴに入る。（お！、やるな〜）

２個目、カゴに入る。（まじで！？）

３個目、カゴに入る。（ちょっとあり得なくない。。。）

４個目、カゴに入る。（や、やばい。。）

５個目、カゴに入る。（き、奇跡に近いな。。。）

６個目、カゴに入る。（や、やっちゃた）

と全部をカゴに入れた時点で、妻に、「じゃあ、買うってことで」と購入が決定した。
妻も「買っちゃう〜？」とその様子を見ていて賛同した。

まあ、概ね、人生なんて、そんなものです。

物件購入を決めてからのその新人社員さんの知識の無さには、多少困惑したけど（笑）、会うと会社や人生に関する悩みを聞かされたりもしたけど（笑）、タイミング良く物件を紹介してくれたからこそ巡り会えたというのもあるし。基本、僕らは、こういう「運」と「縁」に逆らわずに生きているのだと思う。

そういう意味では、新人社員さんには、とっても感謝していますよ。ありがとうございました。駅で会ったら、声かけてね。挨拶してね。