INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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南アフリカ サファリトリップ

南アフリカ、野生動物たちの現状2。サイの角に毒を盛る

2010.10.19 / Author.

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こんな話を聞いた。今、サイの密猟が頻繁に行なわれていることが、問題になっている。狙いは、サイの角。ある国の人々に珍重され、高く取引されることから、以前の象牙に変わって、サイの角を求めて、密猟者がクルーガーナショナルパーク内や、近隣のプライベートサファリにも侵入してくるのだという。
その対策として、あるプライベートサファリのオーナーが、サイの角に注射器で猛毒を混入したのだそうだ。そんな事してサイは大丈夫なのかと心配したが、サイの角は、人間の髪の毛と同じものが固くまとまったものなので、サイの身体には、影響は無いのだという。
それでは、何のために毒を混入するのかというと、密猟者、毒の混入された角を購入した人が、なんらかの理由で、その角に混入された、毒を鼻から吸い込むことで、重体、あるいは死に至る可能性もあるのだという。
実際に、毒を混入した角を購入した人が、この毒にやられて重体になったそうだ。そのことがニュースとして伝わり、「毒の入った角がある」ということで、裏取引されている角の値段が暴落したそうだ。そんな事をしなければ、密猟を防げない現状。サイの角は、アフリカ黒人の一般年収の3年〜5年分に相当するのだと言われれば、密猟が絶えないのも納得がいく。
これが、密猟対策に効果があるとして、同じように毒を混入する手段を取る人が増えてきていると聞いた。密猟は良くない。しかし、それを購入した人間が重体になってしまうような毒を混入するというのは、人道的にどうなんだろうかと疑問に感じた。
この事を教えてくれた、ガイドは、「密猟防止対策の一つとして、自分は有りだと思う」と言っていた。
数日後、マホロホロ鳥獣リハビリテーションセンターに、様々な原因で傷付いたり、親が死んでしまった動物の子供を保護している状況を見学に行った。ここにいる多くが、もう野生には戻すことが不可能な生き物たちだ。そのかわりに、この場所を訪れた人たちに、今の野生動物たちの置かれた現状を知ってもらう教育プログラムの担い手として、そこに存在している。
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「生後11ヶ月のクロサイの赤ちゃんがいるよ」と聞かされていた。シロサイは何度も見たことがあるけど、クロサイは初めてだった。しかも、かなり慣れているという。センターのスタッフの後について、ちょこちょこと姿を見せたクロサイの赤ちゃんは、本当に可愛かった。体重はすでに200キロ近くだと言われたけど、皆が「連れて帰りたい〜」と口に出すくらいに。
しかし、この子の母親も、密猟者に殺されて、この子一人が保護されて、ここに連れてこられたのだと聞いた。

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