INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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南アフリカ サファリトリップ

南アフリカ、野生動物たちの現状3、生息域を失ったヒョウ

2010.10.19 / Author.

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マホロホロ鳥獣類リハビリテーションセンターでは、様々な事を教わった。ビッグ5に入る、ヒョウ。今回初めて目にすることができた。それだけ、個体数も少ないのだと思っていたのだけど、実際には、彼らヒョウの生息環境も、脅かされているというのだ。
ヒョウは、縄張り意識が強く、しかも一頭のヒョウが広範囲に縄張りを所有するために、四国ほどの規模を持つクルーガーナショナルパークでさえも、手狭になってきているというのだ。
子供を産んだ母親は、しばらくは子供を自分の縄張りで育てるが、成長してしまえば、自分の縄張りから追い出してしまう。行く宛の無くなったヒョウたちは、さらにその外側に自分の縄張りを作っていくわけだ。
しかし、ナショナルパーク内では、すでに限界に達しているのだという。中に縄張りを作れなかったヒョウたちは、当然の事ながら、フェンスで仕切られた内側から、人間の生息域である、外側へと出て行かざるおえない。ナショナルパークの外側にあるのは、その多くが、牧場であったり、プライベートサファリなどのリゾートだ。
必然的に、牧場の家畜を襲ったり、プライベートサファリにいる草食動物を襲ったりして生きながらえるしか方法が無い。そのために、害獣と見なされて殺害されてしまう。
保護されて、野生動物の個体数が増えすぎたことが原因とは言っていたものの、実際には、やはり野生動物の生息域を、ナショナルパークなどの限定されたエリアに閉じ込めざるおえなくなった事が大きな原因であることは間違いない。
フェンスで区切られる事の無い海の哺乳類に対しては、あまり感じる事の無い生息域の限界。南アフリカに来る度に、色々と考えさせられる。しかし、海では感じられないとは言いながらも、やはり特別な種だけを保護し続ければ、早かれ遅かれ、同じような問題が、目の前に立ちはだかり、関わった人々は、その矛盾に苦悩する日が来るのではないのだろうか。
そのときに良かれと思っていた行為が、時を経ることでさらに大きな弊害を引き起こしてしまっていることを、一体誰が想像しえるだろうか。かと言って、何が正しい答えなのかは、自分自信、見つけることはできないでいるのだけど。

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