INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

Photographer Takaji Ochi Official Site INTOTHEBLUE水中写真家 越智隆治

Official SNS
Facebook
Twitter
Instagrum

Blog

Photographers Diary

風評被害と支援活動。支援のために行なうべきこととは何なのか?

2013.11.19 / Author.

_29A0304t.jpg
18日は、1日中物資購入に奔走した。3カ所のスーパーを回り、2回民放テレビ局ABS-CBNに物資を搬入した。今日は総額約40万円。物資購入を始めてから、合計で、約172万円になる。ボランティアのトラックだけでなく、軍用トラックもかり出され、レイテ島やセブ北部への物資を運び続けている。
_29A0382t.jpg
セブ市内でジェネレーターやLEDライトを購入しようと思ったが、ジェネレーターは、2週間しないと入荷しないと言われた。LEDライトなどは、再入荷のメドが立っていない。
_29A0358t.jpg
津波のときと同じ現象だ。当時、液状化現象に見舞われた新浦安に住んでいて(今もだけど)、液状化して、おまけに2週間も断水していたにも関わらず、輪番停電のローテーションの中に入っていたので、ライトや電池を買おうとしたが、まったく見つからず、facebookでその事を世界中に発信したら、世界中から山のようにバッテリーやライトが届けられた。自分たちが必要と思う量だけ残して、後は、近所に配ったり、東北の被災地などに転送した。
台風ハイエンがフィリピンに上陸する直前の6日にセブに入り、すでに2週間。
12日から日本の皆様に支援金を募り、13日から毎日のように、物資を購入し続けている。18日夜の時点で¥2,613,373の寄付金をEAST BLUEの口座に振り込んで頂いている。日本に比べて、物価が1/3から1/4のフィリピンで物資を購入するわけなので、その価値は、800万円から1000万円になる。
そのため、一緒に活動している現地ダイビングサービス、BLUE CORALは、日本人、フィリピン人合わせて30人のスタッフがいるが、毎日物資購入のために、10人弱が通常のダイビング業務から外れて、物資購入に尽力している。物資とスタッフ運搬用に、車も2台をフル稼働させている。
_29A0326t.jpg
_29A0225t.jpg
_29A0367t.jpg
_29A0369t.jpg
このような内状を書くには、もう一つ理由がある。ここ数日間で、「台風の影響が心配なので、ダイビングをキャンセルしたい」という連絡が相次いだと聞いたからだ。しかも、年末年始のキャンセルがあまりにも多い。それは、BLUE CORALに限った事では無いらしく、数日前に、何社かのダイビングサービスのオーナーが集まった話合いでも、このままでは、深刻な状況だと話題に挙がったそうだ。中には、「キャンセルして戻ってきた分のお金を支援金に充てさせてもらいます」という連絡もあったと聞いた。ヒロさんとしては、複雑な心境だっただろう。
その答えに関して、BLUE CORALとしては、「ありがとうございます」と言うしかないわけだが、部外者である自分の立場なので言わせてもらえば、現地に来て、潜る事をしてお店に利益を出してあげれなければ、この支援活動も続けることが困難になる。それはセブのダビング業界に限った事ではなく、観光収入が重要な位置を占めるセブの人々全てにおいて当てはまることだ。
「自分たちが食えなくなるのに、援助をいつまで続けられるのか・・・」
セブ南部、セブシティ、マクタン島は、今では、まったく問題無く通常の生活を続けている。ショッピングモールでは、援助物資とはまったく関係無いイベントが催され、巨大でカラフルなクリスマスツーが飾られて、クリスマス商戦のまっただ中だ。海の中も、台風通過直後などに潜って伝えた通り、まったく影響は無い。
_29A0330t.jpg
_29A0350t.jpg
自分も少なからず報道機関にいた人間だから、理解できるのだけど、マスメディアというものは、当然それが使命であるから、災害や紛争の最前線での悲惨な映像や写真を世界中に発信し続ける。日常と変らない生活を取り上げても、意味が無いからだ。
そこに風評被害が生まれる。
引き合いに出すのは、いけないかもしれないが、伊豆大島が被災したとき、伊豆半島は同じような被害を受けただろうか。大島は、伊豆東海岸からはフェリーでたったの30分、距離にして20kmから25kmの距離だ。自粛ムードの漂う伊豆大島と違い、伊豆半島のダイビングエリアでは、連日のようにダイングを楽しむダイバーが、訪れている。
一方、セブシティやマクタン島からマラパスクワ島までは、直線距離にして100km以上。レイテ島のタクロバンまでは、200km弱も離れている。日本で200kmと言えば、東京から静岡や福島などと同じ距離だ。今は被害の「ひ」の字も見当たらないし、治安も台風前とまったく変わりない。
_29A0339t.jpg
たまたまこの時期に、ロケでセブにいた自分は、15日に帰国予定だったが、支援金を募り、物資購入をするために、滞在を延期した。しかし、いつまでもここに留まれるわけではない。被災地に近いセブからの現状報告や、支援物資の必要性を感じていた、発生当初に比べて、今では多くの支援活動が始まっているので、後の継続した支援は、それが可能な、NPO団体、多くの支援活動家の方たちに任せれば良い。自分自身は、月内には帰国をするつもりでいる。
その後を担ってくれるのは、ヒロさんを始め、BLUE CORALのスタッフたちだ。
風評被害も一つの災害だ。
「こんな時に」とか、「自分の身が心配」と思う人もいるだろう。個々によって、考え方が違うことも理解している。だが、もし、本当に援助をしたいと思うのであれば、治安も、台風の被害もまったく無いセブに潜りに来てあげて欲しいと願わずにはいられない。
台風被害に遭ったフィリピンへの支援金を募集!現地ですぐに物資に変えます
引き続き、支援金のご協力は、以下にお願いします。
ジャパンネット銀行
すずめ支店
普通口座 2048472
ド)イーストブルー
※お振込の際、できれば「振込人名」の冒頭に「シエンキン」と付記ください。
重ね重ね、皆様のご協力に感謝いたします。
BLUE CORAL代表・下釜宏 
合同会社EAST BLUE(オーシャナ)代表・越智隆治

RecentEntry

  • カテゴリーなし