INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

2023年トンガ🇹🇴ホエールスイムWeek1 2019年振りのトンガホエールスイム

2023.08.20 / Author.

2019年に開催後、コロナ禍明け初のトンガホエールスイム。最初の難関は日本からのコネクティングの悪さをどう解消するかだった。日本からニュージーランドのオークランドとトンガの首都トンガタプ(ヌクアロファ)を経由して目的地のババウに入る。コロナ禍前は日曜日の夕方日本を出発して、月曜日の朝オークランド着、1時間程のトランジットでオークランドからトンガタプへ。そしてトンガ入国後の月曜日の午後、国内線でババウへと到着できた。

しかし、今回は土曜日の夜日本出発、日曜日朝にオークランド着でオークランド一泊、月曜日朝のトンガタプ行きの国際線で飛んで、トンガタプでも一泊、火曜日の朝のフライトでババウに入るという、とても非効率的な乗り継ぎで4日かけなければならなくなっていた。

トンガの国内線航空会社がコロナ禍で倒産して、新たに運航している国内線航空会社はオンラインでの予約も出来ず、現地スタッフを頼りにするしか方法が無い。その上クレジットカードでの購入も海外からでは不可能なので現金を送金しなければならなかった。

世界最貧国の一つであるトンガで、かつ敬虔なクリスチャンの国として知られていて、日曜日は法律で働いてはいけない(安息日だから)という、以前から多くの不便さをなんとか切り抜けながらスペシャルトリップを2004年から開催していた、過去の緊張感と不安感を久しぶりに味わった。

トラブルの話しを書き出すといつまで経っても本題に入れないので、とにかく久しぶりのトンガでのホエールスイムレポートに入ることにする。

Week1 Day1(8月15日火曜日)奇跡の親子とエスコート

フライトの遅延などで火曜日の午後のフライトでトンガタプに到着。空港からタクシーでホテルでは無く港に直行して午後2時過ぎに海へ。

すでに多くのホエールスイム船が帰路に着いている時間帯だった。期待は泳げるクジラがいて、タイミング良く譲ってもらえるかどうかということ。運良く近くのリーフエリアと少し遠いノースベイエリアで泳げる親子、親子とエスコートが3組いて、無線のやり取りで、どれかを譲ってもらう段取りがすでについていたので、そのどれかに向かうことになった。

最初は近くのリーフにいる親子に向かおうとしていたが、リーフは透明度が悪い場合が多いので、間に合うならノースベイの方が透明度が高いので、そちらに行きたいとキャプテンのアキに伝えた。まだ泳いでるボートがあるから間に合うはずとのことだったので、無線で確認してもらい僕らが着くまでクジラたちから離れないでいてもらい引き継げることを確認してノースベイへ向かった。

コロナ禍以降国内でのホエールスイムのスペシャルトリップを開催していて、久しぶりにババウのノースベイに来た感想は、とにかく水が青い!ということ。かつ高い崖がシェルターになって風を遮り、南のリーフエリアが風が強くて行けなくても、とても穏やかな場合が多い。この日も南東の風が強かったけど、ノースベイは穏やかだった。

ノースベイに到着してすぐに親子とエスコートと泳ぐボートを発見して、そちらが泳ぎ終わるまで、他で上がったブローをチェックしながら順番を待った。すぐに連絡が来て早速泳げることに。

親子とエスコートは本当に微妙に前進したり、時に水面に止まったりしていた。基本はほとんど潜ることなく簡単にアプローチできた。時にエスコートは歌を歌うシーンも。初日の短い時間の中で良い親子とエスコートに遭遇できたことはラッキーだった。

初日はこの親子とエスコートと2時間泳ぎ終了。「初日にして今までの全てのホエールスイムの経験を超えてきた、トンガすげー!」と初めてトンガに来たゲストがinstaのストーリーにアップしたトンガのクジラに、僕自身も久しぶりに感動した。クジラがいることが少ないノースベイに、このタイミングで泳げる親子とエスコートがいたことは、正直奇跡か、相当運が良いなと思った。フライトが大変ではあったけど、この親子とエスコートのお陰、いやそれだけで無く、情報を確認し、僕らの到着をギリギリまで待ち的確に海に出てくれたクルーたちにも多いに感謝した久しぶりのトンガにおけるホエールスイム初日だった。

そして今年も泳げた親子の個体識別をしてみることにした。

個体識別番号No1  2023081501

識別名 ハジメ オス

母クジラは、胸ビレの内側以外は殆ど黒い

Week1 Day2 親子とシンガー

この日も曇天で時折雨が降る悪天候。南東からの風も強い。朝7:30に出航、フンガ島の北側の外洋側でクジラを捜索。すぐに親子を発見してアプローチ。今年は親子の数が多いと、多くのホエールスイム関係者が口にしていたが、確かにそうなのかもしれない。

この親子はお母さんが顔を上にして海中でとどまっていたが、僕らが上にいる時は小クジラが浮上すると一緒に浮上してくることが多かった。なので極力子クジラに近づかないようにしながら待つようにすると、お母さんも安心したのか、下で待っていてくれることも数度あった。2時間くらい泳いで、他のボートに譲った。

個体識別番No2  2023081601

識別名 ホワイトウィング オス

親子とも胸ビレが表裏とも白いのでホワイトウィングと命名した

その後ノースベイの浅い海域でシンガーを譲ってもらい、数度エントリー。

 

Week1 Day3  三度ノースベイでクジラと泳ぐ

Week1では一番風が強い日だった。南のリーフエリアは強風で海が荒れていたので、チャネルエリアからフンガ島の南、サブマリンロックとの間を抜けてフンガの外洋側に出てクジラを捜索。チャネル内や南側でもいくつかのブローを発見してアプローチを試みるが、波の高い方へと移動していくので追跡はことごとく諦めた。

今日は捜索範囲もかなり限られるし、厳しいかなと思っていたが、タイミングよくノースベイで泳げているペアの順番待ちができたので、外洋側を捜索しながらノースベイへ。風が強くて探しに行くエリアが限られてることもあり、多くの船が崖下の穏やかなエリアでこのペアと泳ぐ順番待ちをしていた。僕らは4番目の順番待ちでかなり早い段階で泳ぐことがてきた。

ペアと言っても、オスとメスはかなり離れて海中にとどまり、オスは時折歌を歌ったりしていた。まだちゃんと受け入れられていないのかもしれない。それにしてもオスがかなり大きくメスは小さかった。ロリコン?と思うくらいのサイズの違いだった。なかなか水中で一緒に撮影するのは困難な距離感で、浮上のときにどうにか一緒に撮影することができた。

後は、オス単体の撮影のみ

この日荒れたリーフエリアでは、24個体のヒートランが目撃されていた。

帰路、スワローズケーブに立ち寄ったが、大勢の水着の中国人女性がカメラマンと一緒にいて、撮影会を行っていたので、その隣にある洞窟で撮影を行ってみた。

Week1 Day4  リーフエリアで30を超えるブローを発見

4日目、空にはまだ雲が広がってはいたものの、風は止み今年初めてリーフエリアに捜索に出かけた。あちこちでブローが上がる。数えただけでも30程のブローを確認。個体数の多さは、コロナ禍以前以上だ。親子も数個体確認できた。しかし、この日はヒートラン狙いだったので、親子にアプローチする度、ヒートランらしきブローを見つけてそちらに移動したり、ヒートランと泳いでいるボートから連絡をもらいそちらに合流してりして、結局どっちつかずな状態が続く。

リーフは透明度も悪いので、ヒートランがあったとしても、なかなか全容を確認できないので、結局は親子を探すことに。

親子とエスコートと泳いでいたボートから譲ってもらいエントリー。エントリー直前にエスコートが離れたので、親子と泳ぐ。

母クジラは、2日目の母クジラとは逆で、テールを上、頭を下にして止まっていて、時にはその場でテールから浮上してきたりした。最初テールの上で撮影していてそのまま徐々に浮上してきたので接触するのでは!と少し慌てて距離を取った。

子クジラは、かなりヤンチャなオスで、とにかく人間に接近してこようとするので、ぶつからないように気をつけながら撮影を行って、なるべくお母さんのもとから離れないように気を遣った。

何度か泳ぐうちに、母クジラがフルブリーチのあと何度もブリーチングを繰り返した。そんな状況でも子クジラは僕らの方へ戻ってきて、一緒に遊ぼうとしたので、流石に母クジラが「知らない人に着いていったらだめでしょ!」って感じでバブルを吐き出しながら猛スピードで接近してきたときには、少しびびってしまった。しかし、母親の方も驚いていたらしく、暖かい海ではなかなか見ることのない、脱糞をしているシーンを目撃した。

もう止まらなくなるかなと思ったけど、その後も何回か泳がせてくれて、他のボートに譲った。

個体識別番号No3 2023081801

識別名 ヤンチャ オス

母クジラはほぼ全身黒いが、まだらな白い点が背面から側面にいくつかあり、腹部は両サイドが白く、中央部分に黒くて太い筋が入っている

Week1 Day5   肝っ玉母さんと歌い続けるエスコート

Week1のゲストが島を離れ、3週間滞在するゲストと2人で乗り合いの船に乗って海へ。今回初の快晴ベタ凪!朝は今まで見たことのないくらいの朝霧に包まれて、クジラを探すどころか目の前の島さえ直前まで気が付かないほどの濃霧。

しかし外洋に出るとおさまった。それだけ雨の日が多かったということだろう。あのコンディションで毎日良いクジラと出会えたことも、運が良かったと思うし、それ以上に今年はとにかくクジラの個体数が多い。

せっかくの快晴ベタ凪なのに、なかなか良いクジラが見つからない。ノースベイからさらに北上してにたが、ちょっと泳げるペアと泳いだ他は、いまいちな反応。

しかし、朝から良いクジラに順番待ちしていたので、チャネルエリアでその親子とエスコートと泳ぐ。

親子は、水面にぷかぷかと浮いていて、まったく動かない。エスコートは海中にとどまり、歌を歌い続けていた。歌ははっきり聞こえるけど、姿は確認できない距離から母娘を見守ってる感じだった。

あまりに微動だにしないので、前に回り込んで少しアクションをしてもらうことに。正面からゆっくり近づくと、多少潜ったり向きを変えたりする。その間もメスの子クジラはなんとなーく、ぼーっと母クジラの上にいて眠ってる感じ。何度か泳いでやっと、子クジラが少し遊びモードになって、母クジラの頭の部分で戯れ始めた。

僕とゲスト以外の人たちは写真撮るでも無く、1日だけホエールスイムに参加してみたみたいな感じの人たちだったので、こちらとしても気楽だった。中にはフィンを履かずにエントリーしてみたり、ガイドがクジラの近くに来てと合図しても、離れて魚の群れ見て喜んでる人たちばかりだった。何より自分もゲストで乗ってるので気楽だった。

個体識別番号No4  2023081901

識別名 スリープ メス

今年初めてのメスの子クジラ。このお母さんクジラの肝っ玉の座り方は、もしかしたら以前遭遇してる可能性もあるので、過去のデータを見返してみようと思う

 

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

2024年もお盆の時期からシルバーウィークまでの7週間、トンガでのホエールスイムを開催予定です。

現在のスケジュールとしては

Week1 2024年8月10日(土)日本発〜18日(日)日本着

Week2 2024年8月17日(土)日本発〜25日(日)日本着

Week3 2024年8月24日(土)日本発〜9月1日(日)日本着

Week4 2024年8月31日(土)日本発〜9月8日(日)日本着

Week5 2024年9月7日(土)日本発〜9月15日(日)日本着

Week6 2024年9月14日(土)日本発〜9月22日(日)日本着

Week7 2024年9月21日(土)日本発〜9月29日(日)日本着

を予定しています。

ご興味のある方はお問い合わせください。

https://takaji-ochi.com/reservation/

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