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Photographers Diary

5歳の女の子、御蔵島大冒険!黒潮ど真ん中の御蔵島ドルフィンスイムツアー開催レポート

2024.07.09 / Author.

「5歳の娘も参加しても大丈夫でしょうか?」

トンガホエールスイムにご参加いただいた方からこんな一通のメッセージが届きました。

 

正直、一瞬悩みました。

御蔵島は島の形状的に風の影響を受けやすく、東海汽船の着岸率も伊豆七島の中では悪いこと、また、海況によってはイルカ船もかなり揺れが激しく、叩きつけるように船首が振れること、5月という日程的に海水温が低めであること。

 

5歳の子供には過酷な旅になるというのは想像に難くありませんでした。

 

しかし、お母様が「子供にも経験させたい」という強い想いがあったので、色々とリスクもお話した上で、参加されることを決意。

 

さて、女の子は無事にイルカに遭遇できたのでしょうか。

今回は女の子に焦点を当ててレポートしていきたいと思います。

 

《出発前から“御蔵島には着岸しない”予想・・・》

 

実はツアーの前日、島のお宿から電話が入っており、「多分、朝の船は御蔵島に着岸しないと思います。でも来てください、お待ちしています」とのこと。

 

うぅ…それはつまり…。

 

御蔵島には船の桟橋が1つしかなく、北東の風に弱い形状をしているので、22時頃に東京の竹芝港を出港してから翌朝6時に御蔵島に着岸しないとなれば、そのまま八丈島まで行き、折り返して、昼の12時の上りのタイミングで着岸に再トライしなければならず、乗船前から“東海汽船14時間の旅”をお約束されてしまわれたようなもの。

 

経験上、島の人が言うことはほぼ外れることがなく、着岸しないと言われればほぼ100%着岸しない(笑)

 

結果、予言通り、朝の6時には着岸せず、12時に着岸。

しかし女の子はぐずることもなく、持参した砂絵遊びなどをして船旅を楽しんでいる様子でした。

 

《イルカ1本目は荒波の中を大冒険》

 

船長さんに5歳の子を参加させるタイミングを確認すると、午後の回は海が荒れると思うので、乗せることは推奨できないとのことで、女の子は翌日の午前のイルカ船に乗船してもらうことにしました。

 

本人は行く気満々だったのでかわいそうではありましたが、やはり海は危険。

油断は禁物なので、そこは我慢していただきました。

 

さてイルカのほうはというと、なんと黒潮ど真ん中!

透明度もよく、水温も5月にしてはあたたかく、3mmのワンピースで快適に入水できました!

イルカは、群れ群れではないものの、それなりの編隊で登場!

今年生まれたばかりの赤ちゃんを連れたお母さんに数個体遭遇し、“14時間の東海汽船の旅”の疲れも一気に吹き飛びました。

しかし海はそれなりに荒れていて、島半周で終了。

遭遇した個体の数は全イルカの1/3くらいかなと思います。

 

《5歳の女の子、海に出る!》

 

「参加者全員に生き物に遭遇してもらいたい」これがガイドをしている時の最大の願いなのですが、果たして女の子はイルカに遭遇できたのでしょうか。

 

朝6:30、宿の下に着替えた状態で集合。

朝早いのに頑張って起きていました!えらい!

 

まだ薄暗い中船は出港。

昨日よりは海は凪いでいて、なんとか5歳でも耐えられそうな予感です。

 

船に乗る前、女の子のご家族と実はこんな話をしていました。

「海は昨日よりは凪いではいますが、揺れますし、入水後は寒いです。ですので、最初は船の上からイルカを見る感じで、最後の方で入りましょうか」と。

 

とは言っても自然の生き物との遭遇なのでチャンスがあればすぐに言いますとも伝え、いつでも入水できるよう準備はしてもらっていました。

 

海に出て間も無く、そのチャンスは1回目できてしまいました。

「イルカが来ますよ〜入りましょうか〜」と船長の声。

 

船上からイルカの動きを見ると、これはだいぶ良さそうだとわかる。

もしかしたら5歳でも見られるかもしれない。

お母さんに急遽、「さっきは最後のほうのタイミングで入ろうって言いましたが、今回がいいチャンスだと思うので、できたら入ってください」と伝えました。

 

女の子は両親と一緒に入りたがっていたので、私は先に入水して待っていました。

イルカは予想通り、それなりの群れをなして、かなりゆっくりのスピードで遠くの方からこちらの水面に向かって泳いできました。

 

私たちを通り過ぎて、船に向かって一直線に泳ぐイルカ!

これはもしやばったり目の前で遭遇できるか・・・・・・!?!?

 

と思って船に目をやると、女の子がちょうど海に足をつけたばかり。

 

一歩遅かった・・・・。

 

イルカは船首の方へ、女の子は船尾の方から入水。

ちょうどすれ違ってしまいました。

 

その後は海が少し荒れ出し、早朝ということもあり肌寒く、大人であれば見ることができるくらいではありましたが、比較的素通りイルカが多かったスイムとなりました。

 

やはりチャンスはあの最初の1回だけだったか・・・。

結果的には女の子は水中でのイルカとの遭遇は果たせませんでした。

 

《小さな大冒険の結果やいかに!?》

 

スイム終了後に、私はいつもゲストの皆さんを観光協会に連れて行くのですが、今回も女の子のご家族もお誘いして行ってきました。

 

私にできることと言えば、イルカやクジラのお話をしてあげることくらいでしたので、観光協会で世界の鯨類の資料を見ている時に色々な話をさせてもらいました。

帰り際、「海の中でなにが見えた?」と聞いてみると、「イルカは見えなかったけど、岩がこーんなにたくさんあってゴツゴツしててすごかった!」と海の中の情景を、目をキラキラと輝かせながらお話ししてくれました。

小さな身体で寒い海に飛び込んで、それだけのことが観察できたなら十分頑張ったね!すごいね!という話をしていたら他のゲストの方も会話に入ってきてくれて、最終的には、「船の上からイルカ見えたし、海にも入ったから、合わせたらドルフィンスイム完成だね!」というポジティブな発想に!(笑)

 

女の子も皆んなと話をしているうちに、見られなかった悲しみが楽しかった思い出に塗り替えられていったようで、帰宅後お母さんに「また御蔵島に行きたい」と話をしていたそう。

 

それを聞いて、小さな大冒険は成功したかなと思えました。

 

《Into the Blueでは小さな子供たちの冒険を可能な限り応援していきます》

 

世界の海にはそこの海のルールがありますが、そのルールを守った上で、Into the Blueでは小さな子供の参加を可能な限り受け入れていきたいと思っています。

 

何か新しいことを体験した後の目の輝き、笑顔、そしてまた違うことにもチャレンジしてみようという挑戦を恐れない心など、子供の成長の後押しをしていきたいと考えています。

 

もちろんそれには、参加されるご家族だけではなくて、他のゲストの皆さんのご協力があってこそ成り立つものです。

 

今回また御蔵島にいきたいと言ってくれたことも、参加者全員が楽しかったね、頑張ったね、イルカも見れたね!と楽しい雰囲気作りをしてくれたからだと思います。

 

私自身も、現在2歳の娘の母となり、自分の子供もいつか参加させたいという夢と、迷惑をかけてしまうのではないかという不安、様々な葛藤の中にいます。

 

だからこそ今回の5歳の女の子のツアーを担当できてとても嬉しく思いましたし、もっと子供たちもツアーに参加しやすい環境作りをInto the Blueとして作っていきたいなと思いました。

 

御蔵島のドルフィンスイムに限らず、海のトリップは、子供には結構ハードな局面も多いですが、もしお子様連れでご参加ご希望の場合にはぜひ一度お問い合わせください。

今年もまだまだ御蔵島ドルフィンスイムツアー開催予定です!

詳細お問い合わせはHPよりお願いいたします。

 

ガイド・レポート:稲生薫子

 

《Into the Blueの御蔵島ツアー空席状況》

 

7月21日出発、24日戻り 満席

8月17日出発、19日戻り 空きあり

8月26日出発、28日戻り キャンセル待ち

9月20日出発、22日戻り キャンセル待ち

9月22日出発、24日戻り キャンセル待ち

9月24日出発、26日戻り 空きあり

9月25日出発、27日戻り キャンセル待ち

 

詳細・お問い合わせはこちらからお願いいたします。

https://takaji-ochi.com/special-trip/trip11

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