INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

撮影スタイルを変えた出会い

2006.11.25 / Author.


新聞社在籍時代、良く頼まれて友人や、友人の友人、あるいは親族の結婚式を撮影に行くことが多かった。年間に40近く、撮影したこともある。

友人の場合は、そんなに親しくなくても撮影だけでは申し訳ないと思うのか、席を用意されて、披露宴に参列しながら撮影をするというパターンが多かったのだが、40近くとなるいと、単純にあのころ一人につき3万円のお祝いを包んで120万円。
おめでたいことだからと、最初は思っていたけど、独身で今よりも交友関係での出費も激しかったから、それはかなりの痛手だった。もちろん、ご両親がお礼金を包んでくれてお返ししてくれる場合がほとんどだったけど。出席しても撮影してるからまともに食事も食べれないし。その後の写真セレクトやプリントなども自分でやっていたから、年に1回、2回ならともかく、そのたびに会社に休暇願いを出して撮影のためにそれほど親しくもなかった友人、知人の結婚式に出るのは、ちょっと辛かった。実際そういう知人の場合、席用意されても周りは知らない人なっかりで、結局撮影してる方が気楽だったし。それに、友人の結婚式でも、自分が撮影してるから、自分が写っている写真なんかほとんど無いし。
というか、その年はよく40近くも結婚式のために休んだよな~と感心する。他にやることなかたのか?
そろそろ会社を辞めようと思いだした頃、フリーになってからも仕事ができるようにと、様々な方面に、仕事の話が無いかと良く相談していた。そのときに、「外国人が撮影するセピアの結婚写真」を売りにしている会社を紹介された。
経営者は、イギリス人で僕と同年代のカメラマンと、その日本人の彼女。あまり結婚式の撮影を仕事にしたいとはそのときまでは思わなかったのだけど、彼の撮影した写真を見せてもらって、衝撃が走った。今まで自分が撮影していた、表向きの結婚式の様子だけでなく、彼らのスタイルは、結婚式前の準備段階から、新郎新婦に密着して撮影をしていくというものだった。来賓たちの見ることのできない、控え室でのその日の主役たちの、表情や、思いが写真から伝わってきた。結婚式の撮影というよりは、ちょっとしたルポルタージュ撮影という感じだ。
ほとんどの場合、外国人のカメラマンというのを売りにしていたから、彼や彼の友人のアメリカ人やイギリス人カメラマンがメインで仕事していたので、そんなに頻繁に仕事したわけじゃない。だけど、実際、自分もそこで撮影の仕事を経験して、あれだけ本人たちの身近にいて、声を掛け合いながらの撮影がこんなに面白いものだとは思わなくて、しばらくは楽しくてしょうがなかった。新郎新婦の親族の人や友人が「一緒に写真撮りましょうよ」とか「いつもお世話になってる上に撮影までして頂いてどうもすみません」とか、完全に僕を友人で撮影を頼まれているものと勘違いして、そんな風に声をかけられることもしばしばだった。
新聞社に数年いても、あまり変わり映えしなかった、自分の撮影スタイルも彼らと出会ったことで、大きく変わった。
そういえば、ちょっと芸能の仕事も悪くは無いと思い、安室奈美絵の写真を撮影したのも彼らの元で仕事を始めた後だったな。
先日、久しぶりに結婚式に出て、しばらく会っていなかった彼らのことを思い出して、電話をしてみた。しばらく会っていない間に、彼らの状況も一変していたようだが、まだブライダルフォトの仕事は続けていてた。二人めの子供ができたことを伝える。長男の海友が電話に出たがったので、「ちょっと変わっていい?」と言って海友に電話を渡した。「もしもし・・・。はじぇめまして・・・、かいとです・・・・。よろしくね・・・。ばいばい」といって、受話器を戻してきた。「もしもし?ごめんね」と言うと「ミナ、しばらく会わない間に無口になったネ」と相変わらずイギリス人らしい、ジョークが返ってきた。今度息子たちに会いに来てくれることになった。 

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