INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

ペリリュー、ショック!ハビレじゃなくてカマストガリザメ

2008.04.04 / Author.

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イレズミフエダイの産卵もピークに達し、連日ペリリューコーナーの棚の上では、激しい産卵行動と、サメたちによる捕食活動が行われている。

僕も遠藤さん、ソアイ、そして先日家族を伴って合流した秋野さんとともに、連日のように、ペリリューエクスプレスを潜り続け、撮影を続けている。通常の海での撮影取材であれば、10本潜ったら、2回か3回のデコがでることはある。しかし、この海では10本潜ってデコが出ないダイビングが2回か3回・・・。
それだけ、深くハードな海でもあるわけだ。すでにWEB-LUEのロケでデイドリームペリリューステーションにお世話になって、この海を訪れること4回。4回目にして、やっと精神的に余裕を持って撮影に挑めるようになったと感じる。
ただ、、潜って撮影すればいいというだけでなく、常に「次はどうアプローチしよう」といつも思い悩まされるという意味でも、とても難しい海。数日間のロケでこの海を簡単に表現できるものではないと、初めて訪れたときに感じていたように、訪れる度に、撮影のためのアプローチに関して、新たな発見が生まれるのも、この海の魅力でもある。
「カメラマン泣かせの海」・・・、でも、だからこそ、多くの無駄骨を折ってでも、良い写真、インパクトのある写真を撮って、この海のすばらしさ、魅力を表現できたら、と思う。
しかし、良い写真がときには、夢を壊すこともある。昨年、この海で撮影した見慣れないサメ。なんとか撮影した写真をもとに、図鑑で同定したところ、深海性のサメ、「ハビレ」であるという結論に達していた。ブログでも、WEB-LUENの記事でも、雑誌でも、サメとしては、レアものの、「ハビレ」と発表していたのだけど、どうやらこのハビレが実はカマストガリザメではないかという説が浮上してきた。
写真がしっかり撮影されていないから、まだハビレで無いとも限らない。であれば、今までなかなか誰もしっかり撮影できなかった「ハビレ」の写真を撮影してやろう。と、意気込んでエクスプレスに潜った。
場合によっては、ロストする覚悟で、ちょっとゲストやガイドから離れて、ダウンカレントのかかるリーフエッジで、一人でイレズミの群れに隠れて、サメが接近するのを待った。今までの経験から、ここでは、無理にサメにアプローチしても撮影ができないことはわかっていたから、群れに隠れて待つ作戦に出た。
それが功を奏したのか、一人だったのが良かったのか、サメが群れの間を縫って、何度か目の前まで接近。今回の取材で一番の快心の一撃!を撮影することができた。「これで、ハビレかどうかはっきりする」と思い、戻ってデータをダウンロードした。その結果は、「ハビレではなくて、カマストガリザメ」の可能性が90%以上高くなってしまった・・・。
1枚の写真で、新たな確証が得られれば得られるほど、夢が遠のくこともある。快心の一撃で、こんなにがっくりさせられたことも、また珍しい。
明日がペリリューでのダイビングロケ最終日。さてさて、ドラマは起こるのだろうか・・・。

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