INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

2020年バハマタイガーシャーククルーズ  Part2 ビミニ・グレートハンマーヘッド・ポイント

2020.03.16 / Author.

ダイビング前半3日間、タイガービーチでダイビングを行った。4日目は、タイガービーチの近くのリーフで一夜を明かし、5日目は、風の強さと風向きでタイガービーチも潜れなくなってきた。

風向き的には、ビミニのハンマーの出る海域の方が島陰に入るので、この日は日中に12時間かけてビミニへと移動した。そのため、ダイビングは行えなかった。皆船内で思いも想いに過ごす。サメの行動学のレクチャーは、この日は、4回に分けて、4時間ほど行われた。

5日目は、1ダイブ目からグレートハンマーヘッドシャークを呼び込むために、フィーディングダイブを行った。常に姿を見せていたタイガーシャークと違い、グレハンは、フィーディングをしなければ、姿を現さない。なので、2人のフィーダーが休むことなくフィーディングを続けた。

僕らも、好きなタイミングでダイビングを行い、海中でハンマーの出現に備えた。1ダイブ目から4個体のグレハンが、入れ替わり立ち代わり、姿を見せてくれた。これで、この海域で見ることができる、6種類のサメに全て遭遇した。

6日目も、フィーダーが交代しながら餌付けを行い続けた。しかし、前日のようにはなかなか上手くいかず、ナースシャークやブルシャークが姿を見せるのみだった。

それはそれで、主役のグレハンがいるときには、気にもかけなくなってしまうナースシャークやブルシャークの撮影を行えた。ナースシャークは、フィーダーの前に集まって、海底に着底して、円陣を組んでるみたいでなかなか面白い写真が撮影できる。

他の海では主役のブルシャークも、ここでは、どちらかと言えば、フィーダーからは邪魔者扱いされてしまう。

餌箱に入ったグレハン用の餌には限りがあるし、流石に、ナースシャークのように群がられても、危険だ。彼らが近づいてくると、フィーダーは、モリの先で追い払うように、威嚇する。そんなシーンを度々見ているとなんだか、少しかわいそうでもある。

しかし、この日は、なかなかグレハンが出てくれなかったから、僕らからすれば、しばらくは彼らに主役を努めてもらわないと困る。多い時には、8個体が一度に姿を見せてくれて、僕らの周囲をウロウロしてくれた。

しかし、タイガーや、ハンマーと違って、かなり警戒心が強く、十分に撮影できる距離まではなかなか近づいて来てくれない。まあ、タイガーやグレハンがいるときに、めちゃくちゃ近づいてこられても、困ると言えば困るのだけど。

この日は、最終ダイブでやっと3匹のグレハンが姿を見せてくれた。ただ、すでに諦めてダイビングを切り上げてしまっている人もいて、全員が見たわけではなかった。

かなり遅くまで、潜っていたので、色々撮影したいと思っていた、面白い写真も撮影できた。

ダイビング最終日のこの日は、かなり早い時間からグレハンが姿を見せてくれた。合計5個体で、同時に3個体がフィーダーの前に姿を見せてくれたこともあった。中には、昨年タイガービーチに毎日のように姿を現していた、パッチーズという小さめのハンマーの姿も。

しかし、クレオパトラと名付けられていた、5m級のメスが姿をみせないとのこと。代わりに、若干小さめではあるが、プリンセスとクルーが呼んでいるメスのグレハンは、今回毎日のように姿を見せてくれた。

昨年は、タイガーとグレハンが目の前で交錯するなど、通常ではなかなか経験できない状況に何度も送風できた。今年は、それが無いのは残念ではあるけど、まあ、自然相手だからしょうがない。

それでも、出現してくれるグレハンの個体数は、タイガービーチは2個隊だったけど、こちらは、最高5個体だった。

最終日は、フィーディング撮影したい人が交互に入れ替わり、撮影を行ったりした。タイガーと違い、常にいるわけでは無いから、出現してから、上手く順番を調整しながら、撮影を行った。

正直なところ、ビミニ海域は、砂の目が細かく、すぐに舞い上がるので、あまり好きではない。できれば、タイガービーチにずっと滞在できた方が、海底環境が美しいし、綺麗な砂地や、緑の海草の上を泳ぐタイガーやグレハンなどの撮影ができる。今年は、ギンガメの群れの雰囲気も良かった。

ビミニでは、フィーディング時には、本当に砂が舞い上がり、撮影には苦労した。

良いタイミングで撮影しても、写真のように、砂泥が舞い上がってる写真が多い。まだ、この写真はマシな方。

やってはいけないと思いつつ、グレハンが姿を見せない時は、目の前でじっとしているグレーリーフにフィンで砂泥をかけて暇つぶしをしてしまった。

いくら振りかけても、全く逃げないし・・・気がついたら、写真みたいになってて、結構かっこよく化粧された感じになったので、撮影してみた。

今回のクルーズでは、7日間のダイビング可能日程中、1日だけダイビングできない日があったが、タイガーとグレハンの出現度合いは、良かった。もう10年もチャータークルーズをやっているから、サメには慣れたけど、それでも、警戒はしなければいけないと常に思っている。

ぶつかってくるくらい寄ってくるわけだから、当然なんだけど。

新型コロナでどうなるか心配していたが、バハマから無事、フロリダに戻ってきた。この記事がアップされる頃には、帰国の途についているはずだが、今後益々世界中で感染者が増え続けていきそうで、先行きは不安だ。

しかし、こうした自然環境に身を置いて、野生生物と対峙している間だけは束の間、世の中で起こっているパンデミックなるものを忘れて、生活することができていた事は、悪いことではなかったと思っている。コロナに感染してしまうのも、不注意でサメに噛まれてしまうのも、自己責任であることに変わりはない。どんな生活をしていても、「油断は禁物」ということだ。帰国したら(今もだけど)できるだけの対応策をこうじながらも、なるべく普段と変わりなく生活していければとは思っている。

ハンマーポーズは万国共通

参加してくれた皆様、お疲れ様でした。どうもありがとうございました。

2021年度のタイガー&グレハン・クルーズのチャーター日程は確定しています。
ご興味のある方はお問い合わせください。

2021年3月2日(火)日本発
    3月3日(水)乗船〜3月11日(木)下船
3月13日(土)日本着

乗船は9日間、ダイビング可能日は、7日間

お申し込みは
お問い合わせ
より、お願いいたします。

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