INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

今年最後のInto the blue 御蔵島ドルフィンスイムも波乱のスタート!

2021.10.25 / Author.

前週の御蔵島ドルフィンスイムに続き、今回のコンディションも微妙。現地の宿や船長さんとのやり取りを何度も繰り返すけど、前回以上に天候、特に風向きがコロコロ変わって、なかなかはっきりした回答が得られない。

特に帰る日のコンディションが微妙過ぎ…

帰れる保証はないかも…という意見から、一度はキャンセルを決めたのだけど、しばらくしてその事を連絡すると、なんかそれほど悪く無いかもしれないとの回答。

今までこれほど、はっきりしないあやふやな状況が続くのは、初めてのことで、こちらもキャンセルしたものの、どうも諦めきれない思いが拭えず、やっぱり玉砕覚悟で行きますか?とまた参加者に声をかけなおした。この場合の玉砕とは、下りで接岸できず、八丈に流され、さらに、上りでも接岸できなくて、東京に引き返す、ただ竹芝からフェリーに乗船して、八丈からまた竹芝まで一度も下船しないで戻ってしまうことだ。この場合、フェリー代は返金されるのだが、虚しい1日を船上で過ごすことになる。あるいは、ヤケ酒を煽るクルーズになるとか・・・。

元々、下りの接岸の可能性は低いと言われていて、上りは多分大丈夫なのでは・・・との意見を信じて参加者8人中、6人が、このギャンブルに付き合ってくれることになった。

下りは案の定接岸できず、チャンレンジすることもなく、そのまま八丈島へ。八丈で船員の方から「御蔵チャレンジの方々ですね?チケット拝見します」と言われた初御蔵島のゲストから「越智さんが勝手にチャレンジって言ってるだけかと思ってましたけど、本当にチャレンジって言われちゃいました(笑)」と喜んでいた。そして覚悟を決めて向かった上りの御蔵島は、思いの外楽々と接岸に成功して、上陸した。これで、ミッションの半分はクリア。

午前中のドルフィンスイムはできなかったものの、午後のスイムは青い空も見えて、水温も26度と高く、透明度も良い海でストレス無く何度もイルカたちと泳ぐことができた。

ちょっと気になったのは、6人のゲストと僕の7人で大きなハウジングを持って写真撮影するゲストが、5人もいて、イルカと泳いでイルカを遊びモードにさせてくれるスイムができる人が一人しかいなかったことだ。理想としては、スイムメインの人6に対して、撮影する人4くらいの割合が丁度良いような気がするのだけど、それを考えると、撮影する人が多すぎる。

水底ギリギリを移動するイルカを水面まで連れてくる役をする人が少ないので、結局自分が下まで行って、イルカたちを上げてくる動作をしないといけない。その間は撮影に集中するのが難しいので、ほとんどカメラを構えないで、片手で掴んだまま・・・なのだけど、そんな時、一緒になって上がってきてくれるイルカが目の前にいると、ついつい誘惑に負けてカメラを顔の手前に持って来てしまうことも。ほとんどの場合、イルカたちは、一緒に泳ぐのをやめて、離れていってしまう。これは、バハマでもそうなのだけど、イルカと良い感じで泳げているときに、(あ、今いい感じだな〜、撮影したいな〜)と欲を出してカメラを構えて撮影しようとすると、気持ちよく泳いでいたイルカたちに水を刺すことになるみたいだ。それに、本当に息があって楽しく泳げている時は、僕も撮影をしたいっていう感情があまり湧いてこないような気がする。そういう意味では今回は中途半端な気持ちで泳いでいることが多かったのかも。

何度も経験して、わかっているのに、つい欲が出てしまう。最初から上に誘導しながら撮影するなら、下からずっとカメラを構えた状態にしておかないと、イルカたちの機嫌とタイミングを損ねるようだ。

「泳ぐ」と決めたら、最後までカメラを構えないで泳ぐ。「撮影する」と決めたら最後まで撮影する。不器用な僕には、両方を器用にこなすことがでいないので、できるだけそう決心して泳ぐようにしている。なかなかそうもいかないことも多いのだけど。

到着した日の午後のスイムは、前述したように、10月後半にしては、ストレスフリーの状況で、半周とはいえ、イルカたちとのスイムを満喫できた。親子のイルカも側をのんびりと泳いでくれた。

翌朝は、曇天からの雨。しかも、空気も肌寒い。

(いや〜、泳ぐのやめようかな・・・)というのが、本音だった。

ボートに乗船してからも、頭に浮かんでくるのは、イルカと楽しく泳ぐ自分の姿や、良い撮影をして喜んでいる姿ではなくて、暖かいお風呂に入ってのんびりしてる「自分」の姿だった。1回入ると、海中は暗いし、透明度もイマイチ、昨日とくらべてイルカたちも素っ気ない。船上より水中の方が暖かいのが救い。それでも、船に戻ると風が冷たくて、益々暖かい湯船につかる自分のイメージが強くなって来た。

にもかかわらず、ゲスト2名が果敢にも水着で泳いでいる!(今は夏?なのか?)せめて、何故、昨日水着で泳がなかったのか?

右のゲストがノーマルスーツの状態だと思ってもらえれば・・・。海豚人丸の船長の加藤君には、「今年一水着の女性が多い日でした」と言われた。

イルカと泳いで癒されに来ているはずなのに、なんでこんな辛い思いしないといけないのか・・・ということで、前日と打って変わって、まるで修行のようなドルフィンスイムではあったけど、皆で楽しい時間を過ごすことができた・・ハズ。

楽しい時間と言うと、今回宿泊した御蔵荘さん、毎晩食事の後に1階で飲むのだけど、毎回泊まっている別のグループといつの間にか一緒になって、ワイワイ楽しく飲んでいるような気がする。マネージャーの岩本さんの配慮と言うのか、優しい物腰できっと人をつなげるのが上手なんだと思う。今回は、映画の撮影で来ていた鈴木あやのちゃんや、映画くじらびの監督、石川梵さんなども合流しての呑み会に。中に浦安在住者が多くて、12月にはどこに住んでる人も参加可能そうな、浦安地元呑み会も企画することに・・・。

もちろん、今回も美味しいご飯もいただきました。また来年もよろしくお願いします。

そして、問題の帰り!ここで、フェリーが接岸しないと本当に玉砕だったけど、帰りのフェリーも無事接岸して無事東京に戻ってくることができました。

そして、帰りの船上でも飲む

今年のInto the blueでの御蔵島ドルフィンスイムは今回で最後になります。今年は、9回企画して6回御蔵島に行けました。行けなかった3回は、7月、8月、9月の緊急事態前言で御蔵島の宿の受入がストップしてしまったためでした。なので、6勝3敗。その6勝も無傷の勝利とは言い難いけど、それでも「見えるけどたどり着けない幻の島」にしては、かなり行けた年ではなかったかと思います。来年もまた4月くらいから御蔵島でのドルフィンスイムに”チャレンジ”していきたいと思いますので、また是非ご参加ください。今年、参加して下さった皆様、そして行けなかった皆様も本当にありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします!

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