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Photographers Diary

ジブリの世界 オオサンショウウオと蛍 in 岐阜

2022.06.25 / Author.

Salamander とFirefly 

2022年6月15日(水)〜20日(月)岐阜でオオサンショウウオとホタルを見に行くスペシャルトリップを初めて開催しました。オオサンショウウオは、世界最大の両生類で、英名はGiant Salamanderと呼ばれます。なんか、カッコ良い名前じゃあないですか?このSalamanderには、火トカゲ、火の精、火の中に棲む伝説の怪物という意味もあります。

 

古代ギリシア時代より、火の中に棲むとされたトカゲ。現在では、イモリ、サンショウウオなどの有尾両生類を総称する英語として使われます。とくに陸上生活するグループのみに限定して、この言葉を用いることが多いとのこと。しかし、実際には、オオサンショウウオは国内に約50種類いるサンショウウオの仲間の中で、唯一、その一生を水中で凄すのだそうです。

そしてホタルは英名Firefly。どちらも火に関係する意味や言葉が含まれているのが面白くないですか?

今回は、川や水辺に棲む源氏蛍と、山中に棲む姫蛍の両方が観れる時期ということで、昼間はオオサンショウウオ、夜は源氏蛍と姫蛍を撮影する、かなりハードスケジュールの日程でしたが、想像していた以上の成果があったと思います。

現地でガイドをしてくれたのは、以前トンガのハードリピーターだった、羽島市出身の伊藤義弘さん。伊藤潜水企画というダイビングショップを立ち上げて、岐阜県内の川や山で観察できる、オオサンショウウオや蛍、ムササビなどなど、独自のリサーチを行い、漁協や行政との関わりを地道に作り上げて、今の観察ツアーを確立させました。タンクをほとんど使わないダイビングショップです。

県内でホタルの観察ができる独自のポイントだけで、30箇所はあるそうで、ホタルは、5月から7月までであれば、そのどこかで観せてくれることが可能だそうです。オオサンショウウオの観察エリアも、何箇所かあり、タンクを背負ったり、山道を長く歩く必要も無い、浅い川で観察が可能です。しかも、今回は、一度に10匹以上の個体に遭遇することが当たり前みたいに沢山いて、「こんな簡単に会えるの?」って感じでした。

伊藤さん曰く、12年間ツアーを開催して、見せれなかった日は一度も無い!とのこと

とにかく、12年前から、「一度是非来てください!」と誘われていながら、海外のスペシャルトリップが忙しくて、なかなかスケジュールが組めなくて、コロナ禍になって、やっと今回お伺いできたという感じです。

正直、最初はオオサンショウウオも、ホタルも、あまり期待していませんでした。オオサンショウウオの呼吸は30分に一度、あるいはそれ以上しない場合がほとんどだから、粘らないとだし、世界最大の両生類とは言え、全長は70〜90cmくらいだし。ホタルも、今までに取材で西表の八重山蛍くらいしか見たことなかったので、あんな感じなのかなー、くらいにしか想像していませんでした。

しかし、実際に遭遇してみて、初めに持っていた、先入観と偏見は大きく覆される結果に!

源氏蛍がピークの時間帯に川面と背景のこんもりとした森で、いっせいに光り輝くシーンは、まるで幻想世界に引き摺り込まれるかのような迫力があり、息を飲みました。

 

真っ暗な山中で姫蛍が、淡い光を点滅させながら、木々の間を同じ方向へとゆったりと下っていく様子は、優しい自然に包まれていると実感できました。どこからか「こだま」でも飛び出してきそうでした。

 

最初はオオサンショウウオ撮影メインだったのに、日に日にホタルにもハマっていきました。

しかし、最終日のオオサンショウウオ撮影では、暖かくなって、活性が進んだオオサンショウウオが、目の前で何度も呼吸のために浮上してくれたのですが、その様子がまた滑稽過ぎて…。

流れの早い少し深めの水底から、浮上して息継ぎした後に、流れに流されて行くのですが、そのときの、手と足の様子がなんとも可愛いというか、マヌケというか…。ジブリの世界に出てくる滑稽でそれでいて愛嬌のある架空の生き物のようで、見ていてホンワカしてしまうというか…

きっとあの姿を見たら、多くの女性が母性本能をくすぐられるに違いない。男である僕でさえ、「守ってあげたい!」そんな感情が芽生えたくらいですから。

今回の岐阜でのオオサンショウウオとホタルを観るスペシャルトリップは、予想を上回る充実したものになりました。

虫や両生類が苦手で無いのなら、一度は体験しても良いと思います。なんと、表現したら良いのか、海では感じることの無いジブリの世界観とでも言いますか、素敵な世界観を堪能できると思います。

ミニラみたいな表情が愛くるしいハコネサンショウウオ

スペシャルトリップは3日間ですが、その間に1度だけ、泊まる宿から少し離れた山間部の清流に案内されました。目的は、ハコネサンショウウオという小型のサンショウウオ。体長は5cm程度で、清流の中の岩の下などに隠れていました。顔がまるでゴジラの息子のミニラみたいで、めちゃくちゃ可愛らしい。オオサンショウウオもこんな顔だったら、もっと人気でたのかもな〜、なんて思いながら、可愛い正面顔を撮影しました。

このハコネサンショウウオも、数年経つと陸に上がって生活するようになるそうで、身体の両サイドにある、肺呼吸用のエラもそのうち無くなるのだそうです。このハコネサンショウウオの棲む清流の風景が、これまたジブリの世界観で、めちゃくちゃ雰囲気があって良いです。

期待以上に面白かった、オオサンショウウオと蛍撮影。募集が少人数ということもあり、今年の開催はあっと言う間に満席になったのですが、来年も海外のスペシャルトリップの合間に開催することにしました。スケジュールは以下です。

week1 2023年6月14日(水)〜16日(金)

week2 2023年6月18日(日)〜20日(火)

観光客や釣り人の多くなる土曜日は避けたスケジュールです。両日程とも、基本的には満席なのですが、もう少し人数を増やして募集することにしましたので、もし、ご興味のある方は以下のHPのお問合わせフォームより、ご連絡ください。

https://takaji-ochi.com

 

 

 

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