INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

2007ペリリューロケ 雨の降る暗闇でのワニ探し

2007.03.19 / Author.

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ペリリュー島には、ワニ(クロコダイル)が沢山生息していて、家畜被害も出ていて間引きしなければいけないと前々から聞いていた。僕は、「ワニ撮影に行きたい」と以前からデイドリームの秋野さんに御願いしていたのだが、今回、ワニ捜索を実行することになった。

ワニたちは、マングローブ林の奥深くに潜んでいて、日中は見ることができないという。そのため、夜暗くなってから、小さなボートでマングローブを捜索することになった。秋野さんもこの日が初めてのワニ捜索だった。大きいものでは4mくらいになるという。今まで最大で8mのワニが見つかったことがあるとも聞いた。
撮影は夜8時、ペリリュー島の北にある港から、リーフを抜けて、マングローブ地帯へ向かう。しかし、出発前から雨が降り始めた。内心(雨だから、写真撮れないし、やめようよ~)と思ったのだけど、レンジャーの格好したキャプテンと、現地スタッフを見たら、そんなこと言うの悪いかな~と思って、彼らが船準備するのを淡々と見守っていた。
参加したのは、秋野さんと僕と、ビデオ担当のマッチャン。はっきり言って、3人とも超乗り気じゃなくなっている。でも、船は港を出発し、雨の降りしきる中、暗がりの中へと突き進んでいく。(おい、おい、こんな暗くてこんなにスピード出して大丈夫なのかよ)というくらいのスピード。
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でも、こんな暗がりで、こんなにスピード出せるのだから、(このキャプテン、さぞややるな)と雨に打たれながらも、暗がりの中、複雑なマングローブの中に颯爽と分け入っていく僕らの雄姿を想像しながら、目深にカッパのフードを被っていた。
いよいよマングローブ地帯へ、水深は、僕らが普通に膝下くらいに浅そうな場所もある。船先に立つスタッフが、サーチライトで進行方向を照らしながら、ワニを探す。雨はさらに激しさを増していく。僕はビニールシートでカメラをカバーしながらも、いつでも撮影ができる体制を整えていた。しかし、なかなかワニは見つからない。「間引かなければ行けないっていうから、もっとすぐに見つかるものかと思っていたよ~」と3人で話し合っていた。
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しかし、スタッフの話では、もっとマングローブの奥までい行かないとワニがいないとのこと。それでは、さらに奥まで進もう!ここまで来たのだから、雨にも負けず頑張ろう!と、気合を入れた。その直後、ボートはUターンして来た方向に戻り始めた。
(あれれ?どうしたの?)と思っていたら、スタッフが「キャプテンがこれ以上奥には進めないと言っている」という。「何で?」と聞くと、すでに干潮で潮が引きすぎていて、船が入れないのだという。「もし来るなら、満潮の6時くらいじゃないと駄目だ」との説明。「あ、そうなの・・・・・・・」。「だったら、6時集合って言ってくれれば良かったのに。雨にも濡れなくてすんだんじゃないの・・・・」。「そ、そうだよね」と3人でカッパ越しに、ため息をついた(あんなに、このキャプテンやるなって思ったのに・・・)。
ということで、僕らはただ雨に濡れるためだけに、屋根なしボートに乗って暗闇の中をボートで走り続けたのだった。それはそれでとても"おいしい"状況だったんだけど。今日、再度ワニ探しにチャレンジすることにした。もちろん、雨降ってなければだけど。

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