ペリリューから帰国後、日本で自宅に2泊して、またヤップに逆戻り。貴重な時間は、タイのダイビングサービスのオーナーとの次回のロケの打ち合わせと、WEB-LUEの作成、バハマのドルフィンクルーズの連絡を1週目、2週目の人に伝えて、そして、ニューカレドニアのダイビングサービスのマサシ君と純ちゃんの結婚祝いボーリング大会をして、また機上の人に。
慌しくて、眠る暇も無く、家族に空港に送ってもらった。ラッキーだったのは、搭乗者が少なくて、コンチネンタルのマイレージがシルバーエリートの僕は、エコノミーから、ビジネス・ファーストクラスにアップグレードされたこと。
これでゆっくり眠れる。そう思ったのだけど、機内では映画を見てしまった。グアム着は夜中の1時。次のヤップへのフライトは、確か8時くらいだったかなと、スケジュールも見ないで、勝手に思いこんでいた。
出発ゲートは17、空港コンコースの一番端にある。そこまで行くと、周囲に、食事できる場所も無いから、僕は中央のレンストランなどがあるところのソファーを陣取って、爆睡していた。
たまに目が覚めては、時計を確認、「まだ、3時20分、まだまだだな~」・・・・「まだ5時10分。は~」・・・・と思っていたら、寝ぼけた頭の中に、僕の名前がアナウンスで連呼されているのが何となく聞こえてきた。「なんだろう・・・」僕は目を擦りながら、「もしかしたら、この路線もビジネスにアップグレードできるから、カウンターで手続きしてくれってことなのかな。またまたラッキー!」とか、思って、「まあ、直前に行って変更すればいいよな、まだ3時間くらいあるし・・」と少しづつ冴えてきた頭で、考えていたら、次のアナウンスがはっきり聞こえてきた。
「もにょもにょに向かわれる、ミスター・オチタカジ。ファイナルボーディングコールです。17番ゲートにお越しください」・・・、みたいな・・。「え?違うオチタカジ?。世の中以外とこんな名前の人がもう一人くらいいるもんなんだな~。どこに行く飛行機に乗るんだろう」と一瞬思った直後に、再度アナウンスが流れる。
「“ヤップ”に向かわれる、ミスター・オチタカジ。ファイナルボーディングコールです。17番ゲートに至急興しください!」・・・・みたいな・・・。「え、それオレじゃん!?」
「何で?何で、飛行機の出発そんなに早まったわけ?」と思いながらも、僕は重いカメラバックをひっつかみ、全力で17番ゲートに向かって走り始めていた。走りながら何故こんなことになったのかと時計を見ながら考えた。ボーリングして筋肉痛になった、右手に力が入らず、カメラバックがわずらわしい。
時計は5時15分を示していた。「あ、グアムだから1時間早いんじゃんかよ!今6時15分だろ。でも、1時間間違えていたにしても、8時にはまだ早いだろ~!」くらいに思いながら、登り傾斜のある、長いコンコースを息を切らして走り続けた。やっと17番ゲートが見えてきたら、向こうで、「ミスター。オチ~!?」と叫ぶ、ちょっと小太りの空港地上職員の女性。僕は手を上げて「はい!僕がオチタカジです~!」と英語で叫びながら、答える。
すでに、ゲートがクローズされていたのを開いてもらい、カウンターでチケットを渡すと、「あ、あなたはアップグレードね、3Aに座ってください」と6Aと書かれたチケットは、3Aに書き直された。でも、久しぶりに全力で走ったので、「ラッキー」とか思う気力もなく、今にも吐きそうになりながら、座席に着いた。
隣の人は、きっと「はあ、はあ、げほ、げほ」言いながら駆け込んできた僕を怪訝に思っていたに違いない。「やべ、吐きそう」と思いながら、「落ち着け~、落ち着け~」と深呼吸して、フライトアテンダントに水を頼んで飲み干した。飛行機は僕が搭乗すると同時に、動き出し、出発した。
落ち着いてから、3Aと書き換えられた、搭乗券を確認すると、ボーディングタイムは5時15分と書かれていた。書き換えられたわけではなくて、最初から5時15分だったようだ。コピーして持ってきたEチケットの紙を、かばんから出して、確認みると、飛行機の出発時刻は6時になっていた。成田で確認したはずなのに、何故に8時と思い込んでいたのだろうか。今だにさっぱりわからない。
今はヤップにいて、のんびりしている。明日から、水中で撮影を開始する。