INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

Photographer Takaji Ochi Official Site INTOTHEBLUE水中写真家 越智隆治

Official SNS
Facebook
Twitter
Instagrum

Blog

Photographers Diary

バショウカジキ捜索作戦失敗

2010.03.04 / Author.

_MG_3967.JPG
イエローウォールには、イレズミフエダイが群れ始めた。しかし、まだまだ、数百匹単位。明日には、数千、数万単位に膨れ上がっているだろう。これくらいで驚いてはいけない。彼らは、最終的に、十数万の群れに膨れ上がり、イエローウォールの壁を埋めつくすことになる。

残念ながら、僕は産卵がピークを向かえる前に、ペリリュー島を離れることになる。当初から、今回のメインの目的は、ツノダシの群れと、バラフエダイの産卵だったから。それに、帰国後、すぐに、タイのシミラン諸島とインドのアンダマン諸島へのクルーズ取材が立て続けに入っている。
今日も明確な狙いが無いために、デイドリームペリリューステーションの遠藤さんと、作戦を立てた。通常のファンダイブのゲストをもう一人のガイドの加藤君に任せて、二人で、イエローウォールのかなり沖合を流すというものだ。狙いは、バショウカジキ。
というのも、このイエローウォールでのバショウカジキ遭遇率は、この時期、かなり高くなる。先日も5本が目撃された。自分も過去に何度かこのポイントで目撃したことがある。しかし、まともに撮影できたことはない。
過去には、トンガ王国でクジラの撮影のために、素潜りで泳いでいたときに、目の前に2匹のバショウカジキが姿を見せて、撮影することができた。こんな距離まで接近できたのは、さらに昔、バハマでイルカの撮影をしているときに、イルカたちに混じって、突然バショウカジキが姿を見せたとき以来だった。
_MG_6275.jpg
そう考えると、スクーバダイビングでなくて、素潜りの方が良いのではないかという話になった。結果、遠藤さんは、タンクをつけて水深5~10mのブルーウォーターを移動しながらバショウカジキを探し、僕はその上を素潜りで一緒に移動するという作戦を実行すうることになった。
ダイビングの排気音を嫌がって、バショウカジキが逃げてしまう可能性があるために、見つけたときにその音を出さずに接近するためだ。
加藤君のチームをイエローウォールのリーフの近くで落とした後、ボートは沖合に移動して僕らはブルーウォーターで海に飛び込んだ。そのあとは、さらに外洋に向けて移動したり、島に平行に移動したりしながらバショウカジキの出現を待った。
しかし、最初に深場から僕らの様子を見るようにグレーリーフシャーク4匹が上がってきた以外には、何も姿を表すことはなかった。僕は時折、遠藤さんの潜る水深まで素潜りしながら、重い機材を持たない状況を楽しんでいた。
映すものと言ったら、彼が吐き出すエアくらいしかなかったが、捜索の最後の方には、夢中になってそのエアを撮影し続けていた。作戦は失敗に終わったが、楽しかった。
遠藤さんとは、過去にも色々な作戦を考えて、撮影に臨んでいたから。バラフエダイの先端への追い込み作戦。イレズミフエダイの場合、水深20mのくぼみに身を隠して、追い込んできた群れを撮影した。僕が身を隠していたくぼみは、「越智ケーブ」と名付けられて、今でも笑いのネタになっている。正直、あまりかっこいい作戦ではないけど、実際これがもっとも群れに接近して撮影できる方法だった。
ツノダシの群れは移動が激しいので、まず水面からスノーケルで捜索して、見つけたらピンポイントで潜るというのも、作戦といえば作戦だったかな。
少しでも良い写真を撮るために、通常のダイビングでは行なわない作戦(行動)を考えて、それを実行し、成功したときには、何とも言えない充足感に浸れる。
この日の2本目は、水深70mまで降りて、コウリンハナダイを撮影した。以前は50m代にいたのに。。。今日は、この横移動と、縦移動の2本で撮影は終了した。
_MG_0346.jpg

RecentEntry

  • カテゴリーなし