闘いが終わって、多くのダイバーが島を離れ、今は少し落ち着いている。次のイレズミフエダイのピークまでの間は、これと行った明確な狙いも無く、比較的のんびりとしたダイビング。
「のんびり」と言っても、流すのはペリリューエクスプレスだったり、ペリリューコーナーだったりする。普通に考えたら、日中にこのポイントを流すのでさえ、緊張するのに、慣れと言うのは恐いものだ。
少し長めに、移動距離を取り、エクスプレスを流し、数十匹のグレーリーフシャークが群れているのを見たり、最後には、やはり中層に飛び出してロウニンアジの群れに突っ込んで行ったにも関わらず、エキジット後には、「お疲れさまでした~、ゆったり、まったりダイビングでしたね」というガイドの遠藤さんの言葉に、皆が一様にうなずいている。
他の海では、このダイビングは明らかに、「一番ハードなダイビング」の部類に入るはず。なのに、数日間、あれだけ激しく、緊張感のあるダイビングをした後だから、遠藤さんの発言に、誰も異論を唱える人がいないのがおかしい。
そう思いながら、僕は一人でにやけている。
空は、青く、そして、海はどこまでも碧い。