INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

Photographer Takaji Ochi Official Site INTOTHEBLUE水中写真家 越智隆治

Official SNS
Facebook
Twitter
Instagrum

Blog

Photographers Diary

エレファントスイム インドのアンダマン諸島にて

2010.03.30 / Author.

_MG_62041.jpg
今日、インドの東にある、アンダマン海のアンダマン、ニコバル諸島のクルーズ取材から戻ってきた。今回、タイでの取材から直接インドに向かった。一番の目的は、エレファントスイム。現地では、ちょっとしたトラブルもあり、ちゃんと一緒に泳げるのか、ヤキモキしたけど、結果的には最高のコンディションでゾウと泳ぐことができた。

ゾウは、アンダマン諸島のハブロック島に住む、ラジャン(RAJAN)さん、60歳。オス。ネットで探しても、あまり詳しい情報はなかなか載っていない。行くまでは、複数のゾウたちが泳ぐものと思っていたのだけど、今この島でエレファントスイムが可能なゾウは、このラジャンさん一頭だけだ。
もともと、島で材木を運ぶ仕事に従事していて、彼以外にも数頭のゾウたちが、同じように海で泳ぐことができたそうだ。しかし、その多くが死んでしまったり、他に移されたりして、今ではこのラジャンさんだけが、こうして、海で泳ぐことが可能なのだという。
海中を泳ぐゾウの撮影がしたくて訪れたのだけど、このエレファントスイムも、ゾウ使いが指示して泳いでいるので、賛否両論あるようだ。YOU-TUBUには、ゾウ使いが、泳ぐことを拒むラジャンさんを、竹の棒で叩くシーンが問題視されている映像もアップされている。映画やコマーシャルの映像などで取り上げられて、このゾウと泳ぎたいという希望も増えてきたためか、現地でのスイム料金も年々つり上げられているようだ。
僕らが、ダイビングクルーズで訪れていた期間も、ナショナルジオグラフィックが1週間ほど、このラジャンさんを高額でチャーターしていて、最初は、僕らは「泳げない」と言われた。どうにかこうにか、交渉して別日程に変更して、泳ぐことができたのだけど、もちろん、トライしたとしても、気分が乗らないと、海に入ってきてはくれないことも多いそうだ。
野生の海洋ほ乳類と泳ぐのとは、やっぱり印象が違う。いつかは撮りたいと思っていたシーンではあったのだけど、色々と交渉に当たっているうちに、ちょっとその気持ちが揺らいだ。それでも、白砂の透明度の高い海で、ラジャンさんがゾウ使いに促されて、海中に入ってきたときには、ワクワクしてしまったのが正直なところだ。
_MG_6304.jpg
アンダマンに残された、最後の海中を泳ぐゾウ。「後継者は育てないの?」とオーナーに訪ねたら、「海中を泳ぐためだけの目的で、ゾウを育てる気はない」とのこと。あくまで、昔材木運搬で働かされていた、ゾウの最後の一頭として、ラジャンさんが泳げなくなったら、この島でのエレファントスイムは、終わりを告げることになるのだろうか。
クルーズ船は、タイのカオラックにある、ediveがチャーターしたパヌニーヨット。ワールドツアープラナーズでも、セミチャーターベースでダイビングクルーズとともに、このエレファントスイムを体験することができる。

RecentEntry

  • カテゴリーなし