INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2011年トンガホエールスイムweek2 day5(day10) 今年最高のペア

2011.08.28 / Author.

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風は多少収まったようだ。しかし、それでもベストコンディションではない。多くの船が今まで風が強くて捜索できなかった西のリーフエリアでクジラを探していた。東の外洋は、ここ数日ほとんどクジラが見つかっていないからだ。
それでも、自分は東の外洋にこだわった。ただ、見せるだけなら、おそらく西のリーフに行った方が、クジラのいる確率が高いだろう。だけど、この風ではリーフの透明度は最悪なはずだ。
今日、2週目の最終日、リピーターの二人には、妥協した感じでクジラを見せたくは無かった。だから、賭けに出た。無線では西のリーフで何頭かクジラが見つかっていると報告を得ていたけど、とにかく外洋の透明度の高いエリアでクジラを探し続けるつもりで海に出た。
最初に、フンガ島の外洋でペアに遭遇。しかし、なかなか近寄らせてくれない。しばらくそれに着いていたが、諦めて、他のブローを確認しに行く。しかし、見つからない。
こちらにも船影は見えるが、ほとんどがフィッシングボートだった。僕らはとにかく許す限り、外洋に居続けた。
一隻のボート(トンガタンゴ)が島の側で急にスピードを上げた。きっと何か見つけたのだ。遠目に確認していると、小さくブローが見える。親子かもしれない。それに、着いてからずっと同じ場所を動かない。
僕らは様子を見ることにした。最初のペアに時間を取られていなければ、この親子に行き着いていたはずだった。後は、いつ、このボートが僕らにクジラを譲ってくれるかだった。
それは思っていた以上に時間がかからなかった。きっと向うのゲストは、少し見れただけで満足したのだろう。スキッパーのカレンが大きく手を振って、「行っていいわよ!」と合図をくれた。どうやら、無線が使えないらしい。
エントリーしてみると、ペアの1頭がテールを上にして、水面に垂直に、もう1頭の小さい、白い方が水平に海中で休んでいた。水深が浅いのでボトムが見える。これなら、浮上する前にも留まっているところを撮影できる。
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一度浮上する。僕らを確認しても慌てるでも無く、ゆっくりと移動して、また浅い場所に潜って留まる。それを何度も繰り返した。僕は、トニーたちの乗船するプロティウスに無線で連絡を取るように、スキッパーのイッカに伝えた。
その間も僕らはほとんど海の中に入っていた。
大きい方がメスで小さい若いクジラがオスだった。はっきりと断言はできないけど、このサイズの違いや、行動の仕方から、ペアと言うよりは、昨年生まれた子供を連れた母親という感じだった。常にメスの方が小さいオスをカバーするように浮上してくる。こんなに浅い深度で留まろうとするのも、子供のためにしているように感じた。
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きっと数日後には、親離れしなければいけないのだろう。つかの間の母子水入らずの時間を邪魔してしまったのかもしれない。
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西のリーフでは親子も見つかっていたが、2m前にいるクジラさえ、水中でははっきり見えなかったそうだ。

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