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トンガ ホエールスイム

トンガホエールスイム2019【番外編】 崖から落ちて来た、「幸運の豚マリナーズケーブ」のお話

2019.10.07 / Author.Kaoruko Inou

奇跡は突然起きました。
しかも、1つではなく複数重なるという普通ではあり得ない奇跡です。

忘れもしない8月23日。
この日はたまたまクジラを見終わってから少し時間がありました。

ボートのキャプテンが「みんな少しマリナーズケーブに寄りたいかな?」と私に聞いて来たので、ゲストに聞いてみると、行ったことないから行ってみたいかもとの返事。

トンガに訪れたことがある方はこの時点でおわかりかもしれませんが、通常、ホエールスイムのあとにマリナーズケーブに行くことはレアなのです。

普段は、ケーブに寄ったとしても、マリナーズケーブではなく、スワローズケーブというケーブに行きます。

理由としては、マリナーズケーブは、ケーブの中に入るための入り口が、海の中にあるため、水深1〜3mくらい潜って、3m程度くぐり抜けないといけないからです。

スノーケリング初心者や、潜れたとしてもトンネル的なところをくぐるのは怖いという方も多いので、マリナーズケーブ自体は、行ったとしても年に2〜3回。
1度も行かない年もあるのですが、この日、キャプテンの選択肢は、マリナーズケーブでした(前日にスワローズケーブに行っていた人がいるというのも理由なのですが)。

そしてマリナーズケーブに到着。

私はほとんどの場合、ケーブに寄っても海にはあまり入らないので、今回も船の上から、「ケーブの入り口、もっと左〜!」とか言って、船上から指示を出していました。
マリナーズケーブの入り口は海の中なので、水面からでは入り口が見えないのです。

するとそのとき、右目の視界の隅になにかちいさなものが、ぴゅ〜〜〜っと見え、ぽちゃんって言ったんです。

え!?
って思って海を見ると、30センチくらいの子豚が必死にボートに向かって泳いで来ます。

なんで海に豚?(笑)

キャプテンもローカルのガイドも私も頭がぽかん。
船まで自力でたどり着いた子豚をキャプテンが拾い上げました。

これが、子豚マリナーズケーブとの出逢い。衝撃的な思い出になりました。
(マリナーズケーブで救出したので、キャプテンがマリナーズケーブと名付けました)

母親とはぐれて迷子になっているうちに崖から落ちたか、子豚同士で遊んでいるときに踏み誤って崖から落ちたか、そのあたりのことが推測されますが、子豚が落ちて来た島は無人島、返えすこともできません。

衝撃的といえば、子豚の前にも衝撃的事案は起こっていて、この日は子豚の前にもカツオドリの若鳥も救出?していました。

カツオドリは、ホエールスイムの時に船を止めていたら、飛び疲れたのか、船の後ろ側に降り立ったかと思ったら、そのまま船に自ら上がってきたらしいのです(笑)

私たちがホエールスイムから船に戻ったら、ローカルのガイドがカツオドリ抱えて出迎えてくれました。

「なんで鳥かかえてんの!?(笑)」

そんなこんなで、動物運にとても恵まれたこの日は、海で普段は拾うことのない、カツオドリと子豚を救出することになってしまったというわけです。

港に戻ったら、他の船のキャプテンやガイドが、「なんで鳥と豚持ってんの?」と、ワラワラ寄ってきて、それ以降、私の顔を見ると「今日はPIGは一緒じゃないのか!?」と声をかけられるくらい有名になりました(笑)

翌日から、幸運の豚、マリナーズケーブは船に同乗。

まだ生まれて間もない(たぶん3週間程度)の子豚なので、長距離移動や、揺れの激しい時には、抱えて乗りました。

初日はキャプテンがミルクをあげようとしたのですが、船酔いをしたみたいで、全く飲まず、そのまま寝てしまいました。

つんつんしても、ゆさゆさゆらしても、びくともせずに寝続けるマリナーズケーブ。

たまに起き上がると、おしっこをして、よちよちあるいて、カメラの上を探検し、疲れてそのまま、カメラの上で寝てしまう(ギリギリおしっこはしなかった)。

もう可愛くて可愛くて仕方ありません。
里親になった気分です。
自分の子には完全に親バカになれると確信しました。

数日船に乗り続けると、ミルクを飲むことにも船にも慣れて、「ミルク欲しい〜!」とぴーぴー鳴くように。

ミルクが欲しい時の声と、嫌がっている時の声と、ただブヒブヒ言っている時の声の違いが理解でき始めた時点で、親バカの1歩を踏み出しましたよね。

人にも慣れだすと、鼻先を温かいところに入れたいのか、膝の上に乗っかってきて、鼻先を人の脇の下に入れだすように。

さらに人に慣れだすと、一番揺れの少なく、一番水のかからない“特等席”で伸び出しました(笑)

1週間も経つと、だんだんと抱っこするのも重たくなってきて、全体重を預けるようにして腕の中で眠るんですが、9月に入ったころには、重たい……と感じるようになりました。

「キャプテンの家ではどうやって暮らしているの?」と聞くと、家には犬が6匹いるので(うち子犬4匹)、マリナーズ用の柵を作っていて犬と隔離して、夜はキャプテンの子供達と一緒に布団で寝ているとのこと。

基本的には食料とされてしまう豚が、子供と一緒に布団で寝るなんて……、人と同じ布団で寝られる豚ってどれだけ幸せなんでしょう。

しかも、他の家の人などに、捕獲されて食べられることのないようにと、3日目くらいから赤い首輪をつけて可愛がっているので、キャプテンもメロメロの様子。
また、このブチ柄がなんともいえず、可愛いですよね!

クジラが見られなかった日には、マリナーズとともに、無人島に上陸して、撮影大会もしました。

最後、会えるかなと思っていた日に、マリナーズ(だんだん名前も短縮して最後は「マリーナ」と呼んでいますが、女の子の名前 笑)が風邪をひいたとかで、船に乗ってこなかったので、会えなかったのがかなり心残りですが、スタッフもたくさんいるので、8週目は他のスタッフに任せて、私はホエールスイムを4日ほど残して先に帰国しました。


(9/20に出逢った親子)

救出してから約1ヶ月で、すごく大きくなって、そろそろ船に乗るのも限界かもしれませんが、たくさんの思い出をありがとう!

きっと来年には普通の豚の大きさになっているんだろうけど、子豚とともに、また、日本にいてはなかなかできない、豚を観察しながら過ごした生活はきっとなにかの大きな財産になるなと確信しています。

クジラも豚もカツオドリも、こちらの気持ちは絶対にわかると感じています。
人も動物も同じで、誠意をもって、真摯に彼らに接すれば、彼らの世界を少しは見せてくれます。

予期せぬトラブルや、日本ではありえないことが日々起こる国ではあるけれど、「世界を見る」ってこういうことだなと、この国はある意味、古代文明がそのままあるんじゃないかって感じの国なので、それが味わいたくて、やはり毎年来たくなってしまうんですね。

訪れるゲスト全員に笑顔をもたらすマリーナ、母親と離れて寂しかったかもしれないけど、崖から落ちてきてくれてありがとう!


(やっぱりパパのお膝がお気に入り)

来年大人になった君に会うのが楽しみです。

追記:

稲生が帰国したweek8最終日、into the blueでのババウ・ホエールスイムは今日が最後と前日に伝えると、船長がマリナーズを船に乗せてくれました。おかげで、やんちゃな子クジラに会うことができました。

初めて見たときより、倍近くに成長したマリナーズ。少し強気なやんちゃ坊主になってはいたけど、相変わらず可愛いアイドルのままでした。
あ〜、足の裏を当てると、遊んでくれてると思って、鼻を思いっきり足の裏に押し当ててくる、ちょっと湿った感じの、鼻圧感が恋しい・・・  (By 越智)

2020年のスケジュール

◆2020年のトンガホエールスイムに関して◆

2020年のスケジュールは、すでに確定していて、すでに仮予約のご連絡もいただいています。
スケジュールは以下になります。
こちらもご興味のある方は下記contctからご連絡ください!
来年は是非トンガで一緒にクジラと泳ぎましょう!

◆2020年のトンガホエールスイムスケジュール日程◆

week1 8月9日(日)〜8月16日(日)
week2 8月16日(日)〜8月23日(日)
week3 8月23日(日)〜8月30日(日)
week4 8月30日(日)〜9月6日(日)
week5 9月6日(日)〜9月13日(日)
week6 9月13日(日)〜9月20日(日)
week7 9月20日(日)〜9月28日(日)

<詳細・お問い合わせはこちら>
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文:稲生薫子
写真:稲生薫子、越智隆治

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