2日目、風が上がる。多くのボートがクジラを見つけるものの、まともに泳げるクジラには遭遇できていなかった。無線で連絡を取り合うスキッパーの情報だけでなく、僕と寺山君も、こちらで使用できる携帯を使って、今の状況をお互い伝え合った。
「親子についているけど、なかなか海に入れないです」。「シングルのクジラがいるけど、潜ってなかなか上がってこない」。「状況が変って、入れるようになったら連絡して」などなど。
風はあるけど、雨雲が無いので、まだ過ごし易い。しかし、日向にいる人は、すでに相当に日焼けしていた。
なかなか良いクジラが見つからないまま、時間が過ぎていく。そんなとき、チャネル内で一頭のクジラを発見。同じ場所からあまり動いていないし、場所的に、水深40mくらいで、底が見えるところだった。もし、潜ったとしても、上から探せば見つけられる可能性が高い。
スキッパーに、「浮上してきて、潜ったら、その上まで移動してチェックするから」と伝えて海に入る。ボトムははっきり見える。鳴き声み聞こえる。シンガーだ。トンガ人ガイドとスキッパーの指示する方向を確認しつつ泳ぐ。しばらくすると、海底にぼんやりとクジラの姿が見えて来た。
クジラはほぼ海底に頭をつける感じで、テールを力なく上にして鳴いていた。腕を上げて皆を呼ぶ。自分は何度か潜水をして、テール側からクジラを撮影。しかし、テール側でせいぜい水深30mなので、まだトンガに着いたばかりで、潜行しなれていない自分には、これが限界の撮影だった。
一度浮上してきたが、僕らの存在に気づいたシンガーが、「うざい」と感じたのか、突然ブリーチングとテールスラップ、ペクトラルスラップを始めた。しばらくその行動を繰り返し、また潜行をしたが、かなり遠くに移動したか、鳴かなくなったのか、水深も深い場所に移動したので、姿を見つけることはできなかた。
その後、しばらく何頭かのクジラのブローやブリーチングなどを見つけるが、海が荒れている場所だったり、接近してもその後あまり浮上してこなかったりした。
外洋側を移動中、親子に遭遇。しかし、子どもが明らかに小さくて母親は止まる気配がない。しばらく追走するが、難しそうなので、「近よれないので、透明度が高いから、遠目に見るだけになります」という説明をしてエントリーしてもらう。
自分の泳力なら充分撮影できるスピードではあったのだけど、最初は皆を誘導して先頭にいたものの、すぐに皆の後ろに回って見ていたので、撮影した写真はこんな感じ。
この親子も全員が見れて、今日の状況からすると、他の船からの無線情報を聞く限り、かなり見れた方だと思う。
13日、火曜日に到着予定だったニュージーランドからの参加者は、ババウ側の天候の悪さで飛行機が2便とも欠航して、水曜日に到着。その同じ便で、僕らのスーツケースも全て到着した。
9月のときにも、大人数での移動なので、気をつけ無ければいけない。