INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

鹿児島は錦江湾のタコクラゲとシオミドロ ①シオミドロ編

2021.10.05 / Author.

コロナで海外に行けなくなってから、以前から潜ってみたいと思っていた日本国内の海を潜らせてもらっている。今回は、2021年に潜った、そんな海に関して書いていきたいと思う。まずは今年前半、ほとんど毎月のように潜りに出かけた九州の海から。

鹿児島県の顔、桜島を覆うカルデラ海の錦江湾。その鹿児島市側には、四季折々の海中景観を見せてくれる長水路がある。この四季折々の海中景観を美しく写真に切り取っていたのが、鹿児島にあるダイビングショップSBの松田康司君。

初めて取材で訪れた時に、ショップ内に飾られていた何点もの写真パネルの中で、真っ先に目に飛び込んできたのが、この長水路で撮影した2点のパネルだった。1点は、緑の藻、シオミドロが浅い海の海面を覆い尽くし、その間から太陽光がいくつも差し込み、目の前を魚が泳ぐ幻想的な写真。もう1点は、鹿児島市街のビルの夜景をバックに半水面で撮影されたタコクラゲの群生の写真。

こちらは、次のタコクラゲ編で紹介する。

どちらも今まで全く見慣れない海中景観だったのも衝撃的だったし、松田君の撮影する写真の構図の美しさにも感動した。それ以来、この2つのシーンを撮影したいと思いながら、海外ツアーの合間を縫って何度か鹿児島を訪れたが、撮影する機会にはなかなか巡り会えなかった。

何故かと言うと、どちらも季節限定の海中景観で、タコクラゲは8月から9月、シオミドロは2月から3月頃しか、長水路に発生しないからだ。8月から9月と言えば、17年間続けてきたトンガのホエールスイムとモロ被りだし、2月3月は、オーストラリアのアシカスイムバハマのタイガーシャーククルーズ、それに国内の奄美のホエールスイムと被ったスケジュール。どうにかスケジュール調整できないかと思い悩んでいる間にコロナになり、海外に渡航できなくなった。

海外をメインに活動していたので、海外に行けなくなるのは痛いのだけど、悩んでいてもしょうがない。この機会に国内で行きたくて行けなかった所に潜ってみることにした。シオミドロとタコクラゲも、タイミングを見計って撮影やツアーを組んで、訪れることができた。

最初は、シオミドロから。移動日も含めて2021年2月3日から7日、4日間の撮影。快晴でないと太陽光が差し込まず、幻想的な撮影が難しい。この時期は乾季で、雨は少ないとは言われていたのだけど、果たして4日で満足のいく撮影ができるものなのか?それだけでなく、快晴であっても、潮や風の関係で、シオミドロが良い位置に集まってくれるのかなど、条件が揃わないといけなかった。

結果は、2日間が快晴、3日目に雲が出て、4日目に雨で桜島のマクロ撮影。

これから撮影したシオミドロの写真をアップしていくけど、その前に「長水路」って何?と思う人もいると思うので、長水路の説明をリンクしておきます。

鹿児島県観光サイト かごしまの旅

ワイドで撮影したシオミドロの海中景観

普段青一色の海中景観の写真が多いので、海中で明るく目に眩しいくらいの新緑色に包まれると、森や草原にいるような癒された気持ちになる。新緑の間から木漏れ日がいくつも差し込んできて、幻想的な海中景観を作り出してくれる。

ダイバーを入れると、より不思議な感じがする。気をつけないといけないのは、あまり同じ場所で撮影していると、吐き出したエアで、シオミドロが履けて、海面に大きな空間ができてしまうこと。それが効果を増す場合もあるかもしれないが、基本的には、あまりシオミドロの空洞は作らない方が個人的には好みだったかな。後は、ご覧のように水深も浅く、基本ボトムは砂泥地なので、すぐに巻き上げて視界が失われてしまう。沈殿して落ち着くのには、かなり時間がかかるので、フィンキックなどには、細心の注意を払わないといけない。

マクロで撮影したシオミドロ時期の海中景観

気泡が太陽光で輝いてなんとも美しい。水中写真と言うよりも、新鮮な野菜に霧吹きで水を吹きかけて気泡状になった水と緑の野菜の表面に光を当てて、マクロ撮影したみたいな感じ。玉ボケ具合も好きで気に入ってる写真。1mにも満たない浅瀬のスロープで撮影するのだけど、気を付ける点としては、気泡のサイズと、玉ボケを作るために、被写界深度を浅くして、気泡の奥行きを出せる環境を上手く見つけて、自分好みの構図を作ることだ。

この気泡の中に、ガイドの松田くんが近くにいるヤドカリなどを添えてくれることもある。何固体か持ってきてくれたのだけど、基本茶系の貝を被った個体が多かった。どうせ絵作りするなら、このように白い貝を背負ったヤドカリを見つけてもらえると、明るさが増して個人的には好みの写真になった。ただ、ヤドカリもチョコチョコ動いてしまうので、玉ボケが綺麗に映るポジションで撮影するのは、かなり時間を要するし、動いてしまったヤドカリを元のお気に入りの構図位置に戻すのに、アシストが必要。

天気が良くない時は、桜島へ

シオミドロの難しいところは、前述したが、快晴で太陽光が出ていないと、全く思い描いたような撮影ができないことだ。そのため、天気の回復が見込めない時には、桜島でのダイビングとなる。全日程天気悪いと、ガッカリするかもしれないが、4日間で1日くらいであれば、それはそれで桜島でのダイビングも満喫できる。

マトウダイの若魚

ヒメイカの交接

2022年の撮影スケジュール

2022年の2月4日(金)〜8日(火)まで、このシオミドロ撮影で、参加者を募ってスペシャルトリップを開催します。すでに、土日は満席だが、7,8日の平日はまだ少し参加可能です。興味のある方は、以下のロゴをクリックして、お問い合わせのページからフォームを送ってください。

◆ご興味のある方はこちらよりお問い合わせください。
https://takaji-ochi.com/reservation/

 

 

 

 

 

 

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