INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

サンゴの楽園、沖縄本島最北部・伊平屋島

2021.10.09 / Author.

沖縄本島にしばらく訪れる機会がなかったのだけど、2021年には、沖縄本島北部にある離島、伊平屋島に3度も訪れる機会に恵まれた。沖縄の離島で有人島としては最北端。すぐ近くに鹿児島県の与論島がある。本島最北端の辺戸岬からは、伊平屋島も与論島も両方見渡せる。

「ここのサンゴすごいですよ!」と最初に誘ってくれたのは、那覇にあるサワディダイブの辻アキノブ君。5月にサワディダイブで企画したツアーに同行させてもらい、この島のサンゴの見事さに、久しぶりに驚愕した。最近は沖縄のあちこちでサンゴが回復してきている話は聞いているし、実際に見てもいるが、ここのサンゴの群生度合いは、かなり凄い。ということで、一度の来島で伊平屋島のサンゴに魅了され、すぐに8月と9月の2回、ツアーを企画し、1年の間に3回も伊平屋島を訪れることになった。

人が住む、沖縄最北端の島、伊平屋島へは、名護市にある運天港から1日2往復しているフェリーに乗船して、約1時間20分で到着する。

サンゴの元気さを実感する「バチバチサンゴ」

伊平屋島でサンゴの群生の凄さを一番実感するのは、バチバチサンゴというポイント。これは、伊平屋島の隣にある伊是名島との丁度真ん中にある具志川島にあるポイントだ。具志川島は現在無人島だが、以前は人が住んでいた。この島の近くにあるサンゴのリーフは、写真のように、横に並ぶいくつものリーフが全てサンゴに覆い尽くされている。これだけ広範囲に元気なサンゴがリーフを覆い尽くしている光景は、他ではなかなか見たことがない。

写真を見てもらえばわかると思うが、リーフの上は足をつく場所が見当たらないくらいのサンゴで覆い尽くされている。ここでは、広大なサンゴのリーフをゆったりまったりと満喫して楽しむ。何か凝った撮影をするよりは、サンゴで埋め尽くされたリーフを素直に撮影するだけでいい。とにかくサンゴの群生の規模を実感したい。透明度も高いことが多いので、結構皆広範囲にバラけて泳いでいる。何故バチバチサンゴかと言うと、サンゴの中にいる甲殻類が、ハサミでバチバチと音を立てているらしく、意識していなくても、エントリーするとすぐにその音がクリアに聞こえてくるからそう名付けたのだそうだ。

 

砂地に様々な形をしたサンゴの根が点在する、「トライアングル」

伊平屋島と南の野甫島と繋ぐ野甫大橋の近くにある砂地のポイント。水深10m弱のこの砂地のポイントには、いくつものサンゴの根が点在し、それを1ダイブでのんびり回る。それぞれの根が独特な形をしていて、小魚たちが生息するオアシスになっている。いくつかある根の中で一番気に入っているのが、下のパラオハマサンゴの根。実際にはイビツな形をしているが、ある方向から撮影すると、写真のように丸みを帯びた形の良いサンゴに見える。

テーブルサンゴが砂地にポツンとある風景も案外面白い。実際には、根の端にあるので、根の大半は切り取って、砂地とテーブルサンゴだけを撮影してみた。タイミングよくエイが通過して行った。

 

集合写真撮影に最適?「魔神ブー」

ここも浅い砂地に、元気なサンゴが成長し、その中にスカシテンジクダイやキンメモドキの群れが生息している。円周魚眼で真上から撮影すると、大海に囲まれたパンゲア大陸みただと、誰かが言っていた。確かにそんな感じに見えて面白い。

普通のフォッシュアイで同じ位置から撮影するとこんな感じ。ここは、トライアングルと違い、砂の質が泥っぽくないので、記念ダイブの撮影するにも、水深も浅くて綺麗なので、おすすめだ。

 

日が西に傾いたら、「Go to Hell」

太陽が西に傾いてきたら、オススメなのが、GO TO HELLと勝手に名付けたポイントが良い。浅いサンゴのリーフに遮光が差し込み、サンゴだけの短調な写真にアクセントをつけてくれる。もっと遅くまで潜っていたい気分にもさせてくれる癒しの空間だ。このポイントは、太陽が沈む方角に対して、水平にサンゴのリーフが並んでいることだ。しかも、そのリーフが、浅い海底から、かなり垂直に林立しているので、下の写真のように、低い位置から、リーフのトップにあるサンゴを煽って撮影ができるので、こうしたシルエットでバックに太陽光の遮光を入れることができる。

この時気をつけて欲しいことは、サンゴに接近しすぎて、サンゴを折ってしまわないようにすること。身体を固定するときも、元気なサンゴを掴むのではなくて、死んでしまったサンゴに人差し指だけ乗せるくらい、サンゴのことを配慮する気持ちで撮影に望んで欲しい。良い写真を撮りたい気持ちは理解できるが、美しいサンゴ、美しい海の自然を写真に切り取って、皆に見てもらいたいのであれば、まず自然の事を大切にしたいとう気持ちを持ってもらえたら良いなと思う。

早朝や西日が傾いた時間帯であれば、こんな風に遮光を入れての撮影が楽しめる。浅くて穏やかなリーフなので、ほぼ自由行動ができるのもフォト派には嬉しいポイントだ。1枚目の写真は、ギリシャ神話に登場するメデゥーサの髪のように成長する枝サンゴお造形が気に入ってかなり時間をかけて色々撮影した。

2枚目のデバスズメダイの幼魚が群れるサンゴも、目線の高さにあって撮影がしやすいポイントで、無理な体勢を取らないで、撮影できるので時間をかけて撮影した。リーフとリーフの真ん中にポツンとあるポイントなので、他のサンゴを気にすることなく、撮影に集中できる。

このポイントはできれば、ロングフィンではないフィンで撮影することが望ましい。

 

ベタ凪の時は、有無も言わさず港の目の前のポイント、「赤提灯」

現地でお世話になっているダイビングショップは、North Island。そのショップの船が出る港の目の前にあるポイントが、赤提灯。実際には、船の航路を知らせるための航路標識のこと。その周囲には、成長したいくつものサンゴの根が広がっていて、潮が引いた時には水面に顔を出しそうな浅さまで成長している。島の海岸からも近く、風からも守られている。岸に近い割には透明度が高い時も多いようだ。

このエリアがベタ凪の時は、迷うことなく、ここで潜らせてもらえるようにリクエストした方が良い。島に近いこともあり、目の前の山と絡めて半水面の撮影がしやすいだけでなく、反響面の写真が本当に撮りやすい。

 

このポイントは、サンゴのリーフからはみ出すようにサンゴが成長している。なので、下の写真のようにサンゴを仰ぎ見て、太陽光を入れてシルエットの写真が撮影できる。このアングル、簡単に見つかりそうで、そうそう見つからないのが普通だ。しかし、伊平屋島には、こうして見上げて絵になるサンゴがある結構ある。こういう構図のサンゴの写真はあまり見かけないのは、あまり撮られていないのもあるかもしれないが、これだけはみ出して成長してるサンゴが、実はあまり無いからではないかと思っている。

マーシャル諸島のマジュロ環礁に通っていた時期があるのだけど、そこにも、こういう感じで撮影できる、元気に成長したサンゴが沢山あった。上へ上へと林立するサンゴが、点在する、当時クニズコーラルガーデンと呼ばれていたポイントは、まるで、海中の美術館を巡っているようだった。

イソバナの群生とテトラポッドに付着して成長を続けるサンゴ「サイド3」

波除のテトラポットを積み上げた港の近くの防波堤でさえ、こんな風にサンゴが成長している。人工物に自然のサンゴが成長する、なんとも不思議な造形美。波除の防波堤だから、波の当たらない側に繁殖していると思うだろうが、逆で、波の当たる側がこちら。波の当たらない陸側には、全くサンゴが付着していない。目の前のリーフも「バチバチサンゴ」同様にかなりのサンゴが成長しているポイントなので、そのサンゴが大産卵した後の卵が波に流されて、このテトラポッドの防波堤に着床してるのかもしれない。サンゴの産卵時期に、ナイトで潜って様子を見てみたい。

テトラポットを覆い尽くすように成長するサンゴ。これはこれで芸術作品のようだ。

 

テトラポットの斜め横にある小さなリーフは、流れが早く、イソバナが群生していて美しい。ポリプが開いている時といない時の迫力と美しさが全然違うので、出来たら、ポリプが開いているかどうかチェックしてからエントリーした方が良いと思う。

大物&群れポイント「スーカブヤー」

これだけ、サンゴがすごい伊平屋島だが、最後は、群れ系のポイントを紹介する。伊平屋島南部にあるスーカブヤーと呼ばれる、巨大な隠れ根では、マルコバンアジ、ギンガメアジ、バラクーダ、ツムブリなどの群れに遭遇できる。時には、ハンマーやカマストガリザメなどにも遭遇する。流れが早い時には、なかなか根から離れることができないが、サンゴの楽園にあって、唯一の豪快系のポイントになる。群れが上がってくるのは、真夏よりも、初夏の頃の方が可能性が高いように思う。

以上が今年3回訪れたい伊平屋島のポイント紹介と写真だ。まだまだ納得のいく写真は撮れていないので、来年も何度かこの海に戻ってきたいと思っている。

今現在、予定しているのが以下

伊平屋島Week1

5月12日(木)
那覇入り何時でも大丈夫です。
5月13日(金)
那覇市〜伊平屋島
2ダイブ
5月14日(土)
3ダイブ
5月15日(日)
3ダイブ
5月16日(月)
伊平屋島9時00発のフェリー、那覇市到着12時予定、解散

伊平屋島Week2

5月15日(日)
那覇入り何時でも大丈夫です。
5月16日(月)
那覇市〜伊平屋島
2ダイブ
5月17日(火)
3ダイブ
5月18日(水)
3ダイブ
5月19日(木)
伊平屋島9時00発のフェリー、那覇市到着12時予定、解散

伊平屋島はモズクの栽培も盛んで、この時期は収穫期でもあるので、モズクも沢山食べれるチャンスもあります!

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