INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

2006年マーシャル取材、アクシデント続きの3環礁クルーズ2

2006.09.20 / Author.


開拓ダイビングでの小さなアクシデントその2
やはり上げ潮なのに、ダウンカレント

ファーストダイブで潮の読み間違いをしたが、2本目はちゃんとその日の潮見表で上げ潮の時間帯。今回は大丈夫なはずと同じチャネルに、ゲストチーム、撮影チームともエントリー。しかし、最初のダイビングで気になっていたのが、エントリー直後のチャネルの端部分は、下げの時間帯だったにも関わらず、ゆるいインカレントだったことだ。真ん中に行った途端に激しいダウンにつかまったので、どうやら思っているよりもそのチャネルのカレントが複雑なのではないかと、僕ら撮影チームは話し合っていた。
ポイントに付くと、水面上からでもなんだか中央部分が複雑な流れをしているように、見える。先ほどもスティーブ氏が、チャネルの砂地部分で砂が渦を巻いて舞い上がっていたから、インとアウトの流れがぶつかっているんだろうと言っていた。
今回撮影チームには、二人のゲスト(カップル)も乗船していた。この二人は、バリバリにダイビングをしないのでクルーズ船ライフを楽しむために来ていたので、1日2本くらいしかダイビングをしないのもあるし、ダイビング本数も数千本潜っていたので、こちらのチームに加わって潜ることになった。
まずはやはりチャネルの端部分でインカレントに乗ってチャネルから環礁内側へ。しばらくは穏やかに何事もなく移動していた。しかし、しばらくするとインカレントのはずなのに、透明度が悪くなってきたと同時に、アウトの潮が流れ込んできた。最初はゆっくりだったのだが、徐々に流れが強くなってきた。僕らはかなりインに入っているはずだから、このままこのカレントを横切ってチャネルの反対側まで行くことにした。途中でゲスト二人の様子を見ると、どうやらエアが少なくなっているらしい。僕たち4人は12リットルのアルミタンクをつけていたが、その二人は10リットルだったのだ。アウトに流されながら、二人はガイドのカルロと一緒に浮上を始めた。僕たちは引き続き強いアウトカレントを横切るようにチャネル横断を続けた。しかし、横断しきる前に、僕たちは外洋まで押し戻されてしまった。あとどれくらいこのチャネルがあるかわからなかったが、それほど大きなチャネルではなかったので、少し潜行してサンゴの根の盛り上がっている部分に身を隠すことに。するとその先はまた透明度が上がっていた。どうやら反対側の端に到達したようで、やはりこの端の部分はゆるいインカレントになっていた。
3人でしばらくはまたゆっくりインに流す。しかし、またしばらくインに流していると、前方からまた透明度の悪い水が迫ってきた。やはりアウトカレントが発生し、また僕らは外洋入り口まで流されてエキジットした。先に上がった3人はすでにボートにピックアップされていた。
ゲストチームは、最初ゆるいインカレントだったので外洋側でそのまま群れやサメ、イソマグロ狙いでチャネルを横切ろうとしたのだが、やはり途中で透明度の悪いアウトカレントにつかまり、そのまま引き返して浮上したそうだ。見れたのはツムブリの群れ、バラクーダ、ギンガメアジ、イソマグロ、ブラックフィンシャークなど。
単純そうに見えたチャネルのカレントが思いの他複雑だったのには少しびっくりした。何が原因で上げ潮の時間帯なのに、強烈なアウトカレントが発生するのだろうか?

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