INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

蜜に群がる蟻ならぬ、リーフィーに群がるダイバー、そして水没? 2007 西オーストラリア

2007.01.11 / Author.


1月8日
ダイビング2日目、ラッキーベイ
今日もリーフィー狙いでラッキーベイへ向かう。昨日よりも天候も良く、サイクロンにより増水していた水もかなり引いてきていた。それでも、透明度は悪い。本来なら、この日、タンカージェティーに3本目に入る予定だったが、透明度が最悪なので、諦めることにした。


1本目。昨日2本目のダイビングをスキップすてリーフィーも、ゴブリンフィッシュも見ることができなかった、チエさんと聖美ちゃんも、一緒にエントリー。最初に昨日ゴブリンフィッシュを見つけたポイントへ。
同じ場所にはいなかったが、同じエリアの海草の中に潜んでいて、全員が見ることができた。透明度は昨日より悪そうだが、そのまま、いつものコースをたどって深場へと向かう。
なかなかリーフィーは見つからない。海藻が、うねりでまるで生き物の集団のように激しくゆらめいている。その中でいくら体長が40センチ以上はあるといっても、リーフィーを探すのは至難の業だ。
ウィーディーの方が個体数も多く、比較的見つけやすいので、それまでに数個体発見していたが、とにかく今回は何としてもリーフィーを見つけなくては。と思いながらも、とうとう、昨日2匹目のリーフィーを見つけたポイントまで来てしまった。
諦めかけたとき、ついに、おそらく昨日と同じ個体を発見。僕とトッチアーニ以外、初めて見たため、皆がリーフィーに群がる。リーフィーはどんどんと追い詰められて、ドロップオフを上へ上へと浮上していく。さすがに5mよりも浅くなった時点で、ガイドのコリンが下に戻したほうが良いと僕に促してきたので、一端皆が撮影するのをを制止して、下へ誘導する。12mくらいまで下がったところで、オッケーを出し、また皆が群がって大撮影大会。
発見した僕はその時点で1枚も写真を撮影することもできず、ただただ、皆のパワーに圧倒され、リーフィーを取り囲むアマチュアカメラマンたちの輪の外側で様子を伺うのが精一杯だった。プロとして、この状況はいかがなものか・・・。
しばらくして、皆の興奮も落ち着いてきたので、僕も少しだけ参加したが、そのときは、一応誰も近寄ってこなかった。しjかし、しばらくすると、また皆から、「撮りたい」モードのオーラがわらわらと発散されているのが伝わってきたので、また皆にリーフィーをかえしてしばらくふらふらしていたのだが、ふとハウジングを見ると、ガラス窓に水滴が走っていた。不安に思い、レンズのポート側を覗くと、少し海水が溜まってきている。
これはまずい!慌てて、チエさんと聖美ちゃんに、そのことを告げて、皆と一緒にいるように促し、僕は一人で、エキジットポイントに向かって、全力で泳ぎ始めた。自分の手でハウジングをおさえて、ポート側を下にして、平行にもって、ときたまポート側を覗き込んだ。海水は少しづつかさを増している。
この体勢をキープできれば、この勢いであれば、最悪の場合でも、レンズだけで、ボディーはなんとかなるだろうとは思ったが、できることなら、レンズも助けたい。途中で水面に浮上してBCにエアを入れて、ハウジングを水面にかかげて移動しようかとも思ったが、不安定なコンディションでは、平行が保て無くなるので、その判断はやめて、とにかくエキジットポイントを目指した。

なんとか無事、エキジット。しかし、全力で泳いだために、運動不足の身体は限界。そこから、全ての機材を背負って、ハウジングをその状態にしたまま、岩の上を上りながら、車まで戻るのはかなり辛かった。最後の一段の階段を昇りきり、ハウジングを木のテーブルに置き、ウエイトベルトと機材を脱ぎ捨てて、慎重にハウジングのポートを外した。中から海水が出てきたが、なんとかカメラとレンズは無事だった。
自分で見つけたリーフィーはまともに撮影できず、おまけに身体はヘロヘロ。もうこの日は2本目は潜るのやめようかとさえ思ってしまった。
しかし、皆が戻ってきて、再度エントリーの準備をしているのをみて、気を取り直し、水没したハウジングの中の海水を取り除いて、またカメラをセッティングして、2本目のダイビングを行った。しかし、そのダイビングでは、ちょっと放心状態で、僕は皆と別行動を取っていたため、何も見つけることができず終了。他の皆はまた同じポイントで別のリーフィーを見つけていたようだ。

そして、リーフィー狙いのダイビングはこれでおしまい。明日はボートダイビングを行う予定。
この日、2ダイブ後、ラッキーベイでバーベキューをした後、ホテルに戻ってから、エスペランス周辺をちょろっと観光した。それにしてもここのビーチの砂の白さは、いまだに他に類を見ないくらい純白だ。珪素でできた微粒子で、鳴き砂。なんだか異空間のような不思議な光景にはいつも見とれてしまう。

撮影機材:Canon EOS 5D + 17mm~40mm and 70mm~200mm

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