INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

ブルームからダーウィンへ、8日間の野宿生活、バオバブの木との出会い

2008.05.19 / Author.

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ブルームから、ダーウィンへの旅は、キンバリーという大自然の残る、西オーストラリア北部地域を巡る、全日程野宿というハードな内容だった。道路も全て未舗装。野宿するキャンプグランドに向かう途中、日没前には、焚き火用の薪を自分たちで集める毎日。

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野宿場所が決まるとすぐに、太陽が沈んでからの冷え込みから逃れるように火を焚く。昼間の灼熱地獄が嘘のように、身体の心まで冷え込んでくる。皆フリースやセーターを着込んで、焚き火の周りに集まってくる。
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毎日交代で調理を担当する。エクスマスからブルームまでの旅では、ドライバーの食事への知識の無さと、体力の衰えから、食事が不味く感じられて、ほとんど食べれなかった。
しかし、今回のドライバーは、キャンプ用の食事に慣れているようで、バリエーションも豊富だし、毎日かなり美味しい食事にありつくことができた。体調もかなり回復してきて、8日間連続の野宿(スワッグ生活)も、あまり苦ではなかった。それでも悩まされたのは、朝の冷え込みと、近くで眠るまっちゃんのイビキ、それに朝早くにギャーギャー鳴きながら集団で頭上を飛び回る野生のオウムたち。野宿など初めてのまっちゃんは、かなり疲弊してきっていたようで、イビキの音もだんだん大きくなっているようだったので、寝る距離は日々離れていった。
それでも、毎日星を見て過ごすことがなんだか楽しくなってきた。それだけではなく、この西オーストラリア北部には、バオバブの木が繁殖していることを今回の旅で初めて知った。オーストラリアではBoab treeと呼んでいる。
元来、バオバブは、アフリカに1種、マダガスカルに6種くらいあるそうだ。大昔、実が潮流に乗って、インド洋を渡り、オーストラリア北西部に漂着して繁殖したと考えられている。このBoab treeが僕の関心を大いに引き付けた。行く先々で、チャンスがあればこの木を撮影した。
古いものでは、数千年も生きているもののあるそうだ。奴隷のように扱われていた当時のアボリジナルを縛り付けておくための、Prison Treeと呼ばれる木もあった。他のBoab treeに比べて、不気味に横に肥大していて、まるで当時のアボリジニたちの怨念を吸収しているかのようだった。
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バオバブには、年輪が無いという話もガイドから聞いて驚いた。1日、そんな不思議な巨木、Boab Treeの木の下で眠る機会があった。
星空の下、逞しい幹を持ったBoab treeに守られて眠る。妙な安心感だけでなく、願い事を唱えると適えてくれそうな神秘的な雰囲気もあって、何気なく、自分のこれからの夢を巨木に向かってお願いしてみたりした。
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朝起きて、ドライバーのダンカンに「この木は何歳くらいかな?」と尋ねると、「う~ん多分1500歳くらいじゃないかな。まだ若い方だね」と答えた。1500歳で若い方・・・、人間の寿命などたかだか100歳。どれだけ長い間、この木はこの地に立ち、ほとんど変わることのない風景を眺めてきたことだろう。
キャンプ地を出発する前、この木の下で集合写真を撮影した。
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