INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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Photographers Diary

イレズミフエダイとミヤコテングハギの群れ

2010.03.06 / Author.

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イエローウォールに群れるイレズミフエダイの群れも、数万単位になり、ドロップオフの壁面を乳黄白色に覆い尽くしている。これだけいれば、簡単に撮影ができると思うかもしれないが、なかなかそうはいかないのが、この魚の嫌なところだ。

ダイバーの気配を感じると、ある距離を保ちながら、後退していく。それが撮影には微妙な距離なのだ。だから、今までにも色々な作戦を立てて、撮影に挑んだが、最終的に、ドロップオフのくぼみに隠れて撮影するのがベストだという結論に達した。
それが「越智ケーブ」と言われていて、今回も何度かその横穴に隠れて撮影を試みた。しかし、追い込んでくれるメンバーが上手く追い込んでくれなければ、ただ穴に隠れて、ブルーウオーターを眺めて終わることになる。
撮影スタイルとしては、一番かっこわるいのだけど、とにかくこの方法が、イレズミフエダイの撮影にはベストだ。昨年、NHKが取材に来て、「ダーウィンが来た」で放送したときにも、この作戦で撮影を行なったそうだ。そのときには、僕が愛用していたケーブの隣のケーブを使ったらしく、そちらは、その撮影のときにコーディネーターをした坂上治郎さんの名前から、「治郎ケーブ」と呼ばれている。
はっきり言って、二つとも、ただのくぼみなんだけど。
この日は午前中2本、イエローウォールに潜り、イレズミフエダイ狙い。しかし、なかなか上手くは撮影できなかった。
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午後は、ニュードロップオフに、ミヤコテングハギが群れているという情報を聞きつけて、急遽、そちらに潜りに行くことになった。このミヤコテングハギも、年間で3回ほどしか、群れを形成しないことで、知られている。ツノダシや、バラフエダイ、イレズミフエダイ同様、期間限定群れに属する。せっかく上記の3っつの群れを、今回だけで押さえているのだから、ミヤコテングハギも押さえておきたい。
そう思いつつ、ニュードロップにエントリー。しかし、エキジット直前までは、その姿を確認することは無かった。ガイドの遠藤さんに言わせると、このミヤコテングハギが、狙うのが一番難しい、期間限定群れなのだそうだ。
多分、自分も滞在期間を考えると、今回が最後のチャンス。できれば撮影しておきたかったのだが、見つからないまま、遠藤さんがフロートを上げて、安全停止の体勢に入った。その直後、ドロップオフの下の方から、ブワーっとミヤコテングハギの群れがわき上がってきた。
30匹はいるグレーリーフシャークに追い立てられながら、群れは、ドロップオフを右往左往している。僕らも、安全停止を忘れて、群れを追った。自分は31mまで落ちてしまったのだが、他の人たちは、35m近くまで落ち込んで撮影していたようだ。
撮影した画像で群れ全体が写っている写真を治郎さんに見せて、群れのカウント方法で数を推定してもらったところ、約1200ぐらいの群れということだった。今回のロケの中では、一番嬉しい1ダイブだった。
この日、イレズミフエダイの撮影と、ミヤコテングハギの群れの撮影で、2回、エアがほとんどゼロになった。
それにしても、引きが強いなと我ながら感心した。

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