INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

25日目、2週目最終日、強風は止まず。クジラとの劇的なラストコンタクト

2007.08.21 / Author.

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2週目、最終日。風は昨日とほとんど同じくらいの強さで吹いている。ただ、東から北東、あるいは北に風向きは変わっていた。それだけでも、多少は探せるエリアは増えるはず。今日は電話をするなり「今日で最後の人もいるので、とにかく港の先までしか出せなくても、ボートを出してもらいたい」と無理矢理お願いして海に出る。僕は4人乗りのスパイホップに乗船。コンディションが悪くても一番遠くまで行けるボートだ。

しかし、やはり波は高く、晴れているだけが、唯一の救い。クジラのブローでさえ、ほとんど見つからない。それはどのボートも同じだった。無駄に時間が過ぎていく。この風では行けそうにない海域にも探しに行こうと試みるが、風が強くて行くことができなかった。
今日はもう駄目かと諦めかけていたときに、ホエールソングのキャプテンのノーファが、別のボートのキャプテンとなにやら話している声が無線から聞こえてきた。男性のジョンやオンゴと違って、彼女は他のボートが持っているクジラを、頼んで譲ってもらうことも多い。男性はプライドがあって、なかなか他のボートのキャプテンに頼み辛いのだろうけど、そういうことを気にしないノーファの交渉術が時にはとても役に立つことがある。
案の定、彼女は別のボートが一緒に泳いでいたシングルクジラを譲り受けていた。ホエールソングの皆が見れた後、無線でこちらにもその「クジラと泳げるから来て」と連絡が入る。その場に急行すると、まさに2組目が泳ぎ終わった後で、皆ボート上や水面で歓声を上げているところだった。
僕らも、時間的にも一度だけと言う条件付きで、エントリー。テールから浮上してくるこのクジラはどうも妊娠しているようでもあった。僕らが泳ぎ終わってから、プナにも連絡するが、遠くにいるのか連絡がつかなかった。が、あちらもシンガーを遠めではあるけど、水中で見ていたそうだ。
夜、マーメイドで打ち上げ。明日のフライトが心配だったが、旅行社のルビーから「、9人が朝11時30分のフライトに、一名だけ、午後2時のフライトにブッキングできた。最終的には全員が11時30分のフライトに乗せれるようにする」と携帯に連絡が入る。僕は、「それは100%確実なのか?」と何度も確認を取る。オークランドへの国際線の出発は夜の8時40分。それには間違いなく乗れるフライトで帰れるのか。それが最も重要な問題だった。
しつこいくらいに、ルビーに確認を取り、彼女は「100%大丈夫」と答えたので、電話を切った。皆は今回お世話になった人たちと写真を取り合ったりして楽しんでいた。最後まで何が起こるかわからない。明日になってみないとわからない。僕やトニー、エミさんは、多少の不安を残しつつ、帰路に着く。

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