INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

29日目(3週目初日) ベタ凪、子クジラ「ケンシロウ」と初遭遇

2007.08.23 / Author.

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3週目メンバーの初日、風は完全に止まり、ベタ凪状態。ちぎれ雲が海面に写り、どこまででも行けそうな爽快な気分。僕はプナ、エミさんはフルーク、トニーがスパイホップに乗り込んで出発。無線でどのルートを取るかを確認し合っているときに、僕はオンゴに「どこに行く?」と聞くと「フィジーまでだ!フィジーまで行けるぞ!」と嬉しそうに言っていた。僕も無線で「今日はフィジーまで行くそうです」とトニーとエミさんに伝える。それくらい外洋もべたべたで、ボート上にいるだけで心地よくてうたた寝したくなるような陽気だった。

この日、フルークは、とてもフレンドリーなシングルクジラを泳ぎ続け、海中でブリーチングまで見せてくれたそうだ。スパイホップは、3頭のエスコートのついた親子に遭遇。ボート上でかなりの撮影ができた。水中でもクジラたちを確認することができたそうだ。
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僕が乗船したプナは、最初ヒートランを見つけてそちらに移動するが、他のボートとほぼ同時にその場所についたので、そちらにクジラを譲って、別のクジラにトライ。
海中に沈んでなかなか上がってこないが、海底の見える浅い海域だったので、一度ブローをしに上がってきたところで、僕が海に入ってクジラを探すと、海底にじっとしているペアを発見。しばらくは上で見ていて、浮上してきたところで撮影。しかし、1回だけで驚いてクジラたちは姿を消してしまいった。
しばらく探すが、なかなかは入れそうなクジラが見つからない、その後も2組ほどの群れにトライしようとするが、なかなか止まってくれず、諦めた。
この日、デイトリップで出ていたホエールソングが親子についているというので、しばらくしてその親子を譲ってもらい、トライ。オンゴは、「この子は昨日見た、ウリウリだ」と言っていた。最近、親子の数が増えてきているように感じる。おそらくこの前の新月周りで、子供がかなり生まれたのだろう。すでに、トニー、エミさん、僕の3人で10ペアくらいの親子を確認し、個体識別をしている。写真やビデオで母親や子供の違いを確認しているので、間違いはないだろう。
ウリウリは、トンガ語で「黒い」の意味。確かにこの子は腹部の一部を除いて全身が黒かった。ヒナヒナとはまったく違う。まあ、ヒナヒナは、今まで見た個体の中でも、一番白い部分がはっきりしてる子ではあったのだけど。
しかし、今年の親子はなかなか留まってくれる個体が少ない。この親子もホエールソングがついている間中、まったく止まってくれなかった。スパイホップがフォローしていた親子も、またまったく止まってくれなかったそうだ。
僕らはホエールソングから親子を譲り受けて、しばらくは親子が休息のために留まるのを待つために距離を置いてついていった。外洋で、子供だけが浮上してきて、同じエリアを旋回し始めた。しばらくすると同じ場所に潜っていった。母親が海中で休息を始めたようだ。
オンゴが「子クジラが再度浮上したら、海に入って母親の寝てる場所を探せ」と言われたので、そのタイミングに合わせてエントリー。しばらく探すと、テールを上に向けて寝ている母親と、その横でぴったりと寄り添う子クジラを確認。皆を呼んで、水面で浮上してくるのを待った。
しばらくすると子クジラが浮上してきて、また母親の上を旋回しながら、興味を持ってこちらに接近してきたところで撮影。こちらは、まった動かずに、水面に漂うようにして、子クジラと、海中の母クジラを刺激しないようにした。
再度母クジラの元に潜行したので、再度浮上してくるのを待ったが、母親が目を覚ますと同時に、移動してしまった。再度トライするが、今度は母親が顔を上にして止まっていて、僕らを確認するとすぐに移動を開始してしまった。
結局この日はそれで終了。とりあえず、初日から全員が水中でクジラと遭遇することができた。
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戻ってから、写真で確認すると、僕らが出会った親子も、また別の個体だったようで、新たに名前をつけることにした。体にかなり沢山ダルマザメに噛まれたような傷痕があって、星座みたいになっているので、「ケンシロウ(漫画「北斗の拳」の主人公)」と名づけることにした。
「女の子だったらどうするの?」とエミさんに聞かれたけど、「どうせ僕たちの間での今年だけの名前だから」と言うことで、その名前に決定。トニーが出会った子クジラも違う個体だったので、名前をつけた。
数日前にトニーが確認した子クジラも同じように身体が黒くて、ダルマザメに噛まれたような跡がひし形状についていたので、その子の名前はトニーが「ジュエル(宝石)」と名づけていた。

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