INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

36日目(火曜日)子クジラ「ハヤト」

2007.08.30 / Author.

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フルークはトニー、スパイホップは僕がガイドで出発。週末の風もおさまり、コンディションも上々。多少風は残ってはいるものの、これならどこへでも探しに行けそうだ。久しぶりに東のリーフエリアを探す。しかし、なかなかクジラが見つからない。ブローもあまり確認できない。やはり満月だからだろうか?

東のリーフからサブマリンロックの方へ移動。ブローをいくつか確認する。「世界不思議発見の取材チーム」が乗船している大型のホエールウォッチングボートもそこにいた。キャプテンのロリーとこちらのキャプテンのジョンが無線でやり取りをして、シングルのクジラと泳げているということが確認できていた。
しかし、そこに数組のペアも確認できていたので、僕らはそのペアにトライしてみるが、なかなか近寄らせてくれない。取材チームの撮影が終わったので、こちらにクジラを譲ってくれることになったが、僕たちはそこを離れて、別のエリアでクジラを探すことにした。その代わりに、フルークの方がそのシングルを譲り受けた。
僕らはその後東のリーフに戻り、親子狙いで探すが、1つのブローさえ見つからない。やはり、あのシングルを譲ってもらっておけばよかったかな・・・とちょっと後悔し始めていたが、もうかなりその場所からは離れてしまっていた。
東のリーフから島々の中を抜けて、北西の外洋へゆっくりと移動する。北西の外洋の出入り口付近で、ブローを2箇所で確認。ここでもどちらを選ぶか迷ったのだけど、どちらもブローが1つづつしか確認できなかったので、島に近い浅いエリアで上がったブローの方を選ぶことにした。
もしシングルのシンガーでも、浅ければ、唄っている場面が水面からでも確認しやすいと判断したからだ。ゆっくりとそちらのブローにボートを接近させる。しばらくすると、どうやら1頭ではなく、2頭いるのが確認できた。しかも、もう1頭のブローはかなり小さい。どうやら子クジラのようだった。
3時前に親子を発見。皆にも「親子だよ!」と知らせる。喜んだのもつかの間、さらにもう1頭いることが確認できた。エスコートだ。エスコートがついていると、警戒して移動をはじめ、なかなか止まってくれないことが多い。
ちょっとがっかりしながらも、さらに接近する。親子とエスコートはホワイトパッチと呼ばれる崖の近くの浅いエリアでほとんど動かずに海中で眠っていた。息の短い子供だけが、頻繁に浮上してくるので、場所を確認し、エントリー。
海底が見える深さ。しかも砂地なので明るい。これなら簡単に見つけられる。親子とエスコートはすぐに見つかった。僕ら最初は刺激しないように、子供が浮上してきても向かっていかず、その場で停止しているようにして、徐々に慣らしていくようにした。
最初は多少警戒していたけど、これを何度も繰り返していくうちに、子クジラも母クジラも僕らがいてもあまり気にしなくなってきた。ラッキーだったのは、エスコートがまったく僕らの存在を気にせず、一緒に眠っていてくれたことだ。
とても穏やかな親子とエスコート。エスコートつきで、これだけのんびり休んでいるのは、今シーズンでいえば、初めてのことだった。ときには、浮上してきた子クジラが、母親と間違って、エスコートの方に戻っていき、母親が慌てて「何間違えてるの!お母さんはこっちよ!」って感じで、連れ戻しに行くおかしなシーンも。そんなシーンも初めて見た。それくらいエスコートが穏やかな性格だったということだ。
1時間以上、この親子+エスコートと泳ぎ、無線でフルークに連絡。交代して帰路につく。この親子も初めて見た個体だったので、名前をつける。僕にとっては、ヒナヒナについでフレンドリーな子クジラだったので、「ハヤト」(昨年生まれた次男の名前)とつけることにした。
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長男の名前は、彼が生まれた翌年の元気な子クジラ(母親と一緒にダブルブリーチングとかも見せてくれた)に「カイト」と名づけていたので、これで、二人の名前をクジラにつけることができた。
もちろん、成長してしまうと、体色も身体の模様も変わってしまうので、もし来年遭遇したとしても、それが同じ子クジラだとは認識できないのだけど。でも、両方とも写真やビデオも撮影しているし、よい思い出になる。

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