INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2010年トンガ、ホエールスイミング24日目、未確認だった親子を確認

2010.09.04 / Author.

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9月3日(金)、4週目最終日。心配していた天気は持ち直し、快晴。僕がニッカのスキッパーでフルーク。エミさんがピーターのスキッパーでプナに乗船。この他に、ノアがスパイホップに他のゲストの乗せて、海に出ていた。昨日は荒れている中、南のリーフで親子2組が見つかっていたというので、今日も午前中はまだ南は波が高いものの、プナの方が捜索に向かうことになった。
フルークは、昨日同様、透明度の高いエリアで、良いクジラを見つける事にした。しかし、他の船同様、まともに泳げるクジラが見つからない。朝8時に南のリーフで親子を見つけたTVクルーたちが乗船するプロティウスは、午後4時までその親子を追跡して、まともには泳げなかったようだ。
エミさんとは、お互い、携帯で情報交換しながら、探し続けるがまったくいない。チャネルの内側に入ってきたところで、遅いランチ休憩を取る。その前当たりから、イッカが僕と操船を代わって、無線連絡を頻繁にやり始めていた。
どうやら、スパイホップのノアと連絡を取っているようだ。確認すると、かなり南の方で、泳げそうな親子を見つけたとのこと。しかし、スパイホップにはガイドが乗船していなくて、ゲストのカップルだけなのだという。ノアが海に入れと促すのに、そのカップルは恐くて入れないらしく、近くにいた、マレスキングを呼んで、そこのガイドに一緒に入ってもらうことになった。
「泳げそう」と言っても、まだ誰も海に入っていないから、本当に泳げるかわからない。しかし、今の段階では、この親子にかけるしかない。ランチ休憩を終えると、全速力でそちらに向かった。荒れていると思っていた南のリーフは、午後になってから、かなり穏やかになっていた。
到着した頃には、スパイホップのゲストは、マレスキングのガイドと一緒にクジラの泳ぎ終えていたところだった。近くにはプナも来ていた。
無線でやり取りして、マレスキングが泳ぎ終わったら、こちらに譲ってくれることになった。透明度は悪く、下で休んでいる母親の姿は見えないらしいが、浮上してきた子クジラは見れるとのことだった。
しばらくは離れて様子を伺っていた。その間に、プナは別の親子を発見して、そちらにトライしてみることになった。しかし、無線連絡では、そちらも透明度が悪く、なかなか近寄れないらしい。
マレスキングが泳ぎ終えて、まず僕らが先にトライすることになった。子クジラが浮上してきたタイミングで、慎重に接近して海に入る。しかし、子クジラが潜ってしまい、見失う。透明度はかなり悪い。
水面で周囲を見回していると、少し離れたところで、子クジラが浮上してきたので、そちらに向かうと、母親も一緒に浮上してきてしまった。「自分はともかく、これでは追いつくのは無理かな」と思った瞬間、何を思ったのか、泳ぎ去ろうとしていた親子クジラが、急転回してこちらに向かってきた。
それもかなりの勢いで。僕は咄嗟にカメラを構えて身構えた。先頭を泳いでいた僕のスレスレに胸びれを近づけながら、向きを90度回転させて、猛スピードで泳ぎ去った。完全に僕らを威嚇しているようにも見えた。
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その後、移動を始めたので、追跡する。潜行するときに、母親のテールの裏が見えるのだけど、それがどこかで見覚えのあるものだった。記憶を思い返すと、4週目の初日、朝見つけて、2時間トライしたけど、泳げなかった母親のテールも同じ真っ黒だったので、南半球では珍しいということを記憶していた。水中でちゃんと撮影できなかった個体に関しては、unknown(未確認)ということで、名前はつけずに、ナンバーをつけて記録していた。
そのときに撮影したテールがこの写真。3日前のものだ。
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そして、今回個体識別のために撮影したテールがこの写真。
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あまりテールをしっかり上げないところも似ている。
テールだけでは良くわからないので、背びれの特徴も同じものか確認してみた。右の背びれに大きな瘤のようなものがある。これは3日前に撮影した写真。
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そしてこれが、9月3日に撮影した同じ背びれ右側の写真。
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これで、同じ個体であるとほぼ確定した。3日前はまったく泳げなかったので、かなり進歩したというべきなのだろうか。IKUMIも最初はまったく泳げなかった。できれば、IKUMIのように慣れてもらえれば嬉しいのだけど。
しかし、その後はなかなか止まらない。別の親子にトライしていたプナも戻ってきた。どうやらあちらもなかなか泳げないらしい。交代で海に入ることになった。
しかし、透明度の悪さも手伝って、なかなか良いタイミングで入れない。お互い何度か入水して、見ることができたのは、この母親が、僕らを確認すると、決まって泳ぎ去る方向から反転して、こちらに向かってくるからだ。
しかし、そのまま泳ぎ去ればいいのに、こちらに向かってきて自分で僕らに近づきすぎてびっくりして逃げ出してるようにしか見えない。まあおかげで近くで見れるのだけど。
最後にID用の背びれと胸びれの写真を撮影して帰路についた。

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