INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2010年トンガ、ホエールスイミング23日目、シンガー

2010.09.03 / Author.

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9月2日(木)、曇り時々雨のち晴れ。南東からの風が強く吹き始めた。完全に天候が変わったような気がする。肌寒い。
この日、トニーがフルーク、スキッパーはイッカ。今週はノアが風邪を引いていて、毎日兄貴のイッカが海に出ている。
そして、僕はプナ。こちらの専属スキッパーのピーターも昨日辺りから、風邪を引いていて、かなり体調が悪そうだ。まるで日本の真冬のような格好で、波,風除け対策を万全にしてやってきた。
曇っていて、海の中も暗いし、南のリーフは、風も強く荒れているだろうからと、西の外洋側に限定してクジラを探すことにした。僕はノースベイへ、トニーはフンガの外側へ。
ノースベイへは、同じタイミングで、アメリカのカメラマンたちが乗船している、プロティウスもやってきた。スピードも彼らの方が早いし、波の高くてこちらはさらにスピードが出せない。遠くでブローを発見しても、あちらの方が先に着いてしまう。そんな状態で同じ場所を探すのもどうかと思ったのだけど、今日はとにかく南側に行ける可能性が少ないから、意地でもこちら側で見つけなければいけなかった。
普段なら、湾の半分くらいまで時間をかけて見回して、ブローを発見できなければ、引き返していたのだけど、とにかくこの日は、湾の反対側の岬付近までふんばって探すことにした。
プロティウスは常に僕らより、少し先の湾の内側を同じ方向へと移動している。
反対側の岬先端辺りまで来ると、プロティウスは、ノースベイでの捜索を早々に切り上げて、さらに北の湾目指してスピードを上げ始めた。僕らは、岬の先端で引き返すつもりだったので、スピードを緩めた。
そのタイミングで、こちらに近い側で、1頭のクジラが突如ブリーチングを始めた。判断の差で、こちらがそのクジラに着くことができた。
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クジラは何度も何度もブリーチングを繰り返し、船の本当に目の前でブリーチングしたときなどは、皆思わず大声て叫んでいた。
プロティウスから、「撮影したいから、側に寄っていいか」という無線連絡が来たので、「船上からだったらいい」と伝えた。しかし、プロティウスが接近すると、ブリーチングをやめて、海中に潜ってしまって、その後は浮上してきても、ブローをするだけで、何もしなくなっていましった。
落ち着いたところで、潜行した辺りで海に入ってチェックしてみた。姿は見えないけど、鳴き声が聞こえてきた。しばらく周囲を見渡すが、姿が見えない。透明度が高いから、いればすぐ見つけられそうだ。
一度船に戻り、ピーターに次浮上してきたら、おそらく潜行した位置より少し前に移動して止まっているはずだから、次は潜行部分より少し前に落としてくれと頼む。
次の浮上時に、その通りにして海に入るのと案の定眼下でクジラが停止して歌っていたので、皆にも入水してもらった。このメンバーは、昨日もシンガーを見ている。しかもかなり浅かったというから、今回のは少し深めかもしれない。
それでも、ほぼ水面に平行ではあるものの、テールを少し上、頭を少ししたにして、おそらく水深20mちょっとの場所で歌い続けていた。
皆も潜って撮影を試みる。
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しかし、なかなか近くまでは潜れないようだった。自分は、何度か呼吸を整えて、同じ水深まで降りて、テール側から撮影を行った。以前に同じような状況で顔側に回り込んだら、歌っていたクジラが驚いて歌うのをやめて泳ぎ去ってしまったことがあったので、テール側からのみの撮影にした。
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しかし、このクジラ、テールがいびつなので、あまり絵にならない。生まれつきなのか?それとも、サメなどに襲われてこうなってしまったのだろうか?
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皆しばらくは,水面で鳴き声を聞いたり、潜って少しでも近くで撮影したりしていた。クジラが歌い終わって、動き始めるタイミングで潜り、移動の瞬間を撮影した。
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