INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

トンガ・ホエールスイムweek2 オーシャニックホワイトチップとフレンドリーな親子クジラ

2016.08.20 / Author.

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トンガホエールスイムweek2は、week1以上に天候に悩まされた。初日の火曜日は晴れていたものの、あとの3日間は、ほとんど雨か曇り空が続き、クジラを探すのがなかなか困難な週だった。
初日、ゲストは、この日に飛行機で到着してすぐに海にでなければいけなかったので、出港を10時30分に遅らせてスタートした。
出港してすぐ、サブマリンロック近くでアプローチした若いシングルのクジラが、かなり近くまで近寄っても逃げないで愛嬌を振りまいてくれた。初めてトンガに来たゲストはそれだけで、「涙出そう」と感動していたくらいのフレンドリーさを振りまいてくれていた。
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同じエリアでハンマーヘッドシャークが泳いでいたので、一度追いかけて海に入って撮影しようとしたが、撮影できる距離までは近づけなかった。
フレンドリーなクジラの方は、しばらくすると別のクジラが合流して移動を始めてしまったので、他のクジラを探すことに。
フンガ島の北側で、シンガーを見つけて、皆で歌声を聞いていたときに、ゲストの一人が、「越智さん!ハンマー!」と船上に残っていた僕に叫んだので、カメラを持って慌てて海に飛び込んだ。近づいてみると、ハンマーではなくて、オーシャニックホワイトチップシャーク(ヨゴレ)だった。
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ハンマーよりレアなオーシャニック。トンガで目撃したのは初めてだし、見たのは過去に2回しかない。クジラのことも忘れて、追跡した。オーシャニックも慌てて逃げるでもなく、こちらに向かってくる様子もなくて、しばらく撮影を続けた。
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<カジキも近くで飛び跳ねていた>
大きくて、先端が真っ白な胸ビレと背びれが特徴的でかっこいい。
2日目は、朝は激しく雨が降っていたので、出港を少し遅らせた。1時間半遅く出港。まだ小雨は降っていたけど、風はあまりなくて、海は穏やか。南のエリアで何頭かのクジラを見つけてアプローチ。この日は親子3組にもアプローチしたが、最期に見つけた親子が止まってくれて、お母さんが休んでいる間に、何度か子クジラが浮上してきて、皆の近くで遊んでくれた。その後、移動しながら子クジラがブリーチングしているシーンを撮影。
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3日目、出港時は北風が吹いていて、クジラの多い南の外洋エリアは穏やかだったが、親子とエスコートを見つけて追跡しているときに、南から徐々に怪しい黒雲が迫ってきていた。このまま追跡したらやばいかも、と思っているタイミングで、同じ会社の船から、「泳げる親子がいるから、来ないか?」と無線連絡が入る。「近いの?」と尋ねると「近い」とスキッパーのナティが言うので、このまま外洋で追跡していると、やばそうだったので、そちらに向かうことにした。
しかし、思っていたよりも離れていて、途中で黒雲に飲み込まれ、北風から、激しい雨を伴った、強い南風へと180度変わってしまい、海が荒れ始めた。クジラと泳いでいた船のスキッパーから「海が荒れて親子クジラを見失った」と連絡が入り、このままこの海域にいたら、やばいということで島に囲まれたリーフエリアに引き返す。
その途中で、別の親子に遭遇。まだ荒れてるエリアではあったが、その親子にアプローチ。止まってはくれないのだけど、2回ほどエントリーしてどうにか親子を見ることができた。
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最終日の4日目、この日も雨雲が空を覆っていて、青空がまったく見えない。それでも、海は穏やかだったので、南に遠出しようということになった。南に向かっている途中で、同じ会社の船から、リーフの中で泳げる親子がいると連絡を受ける。透明度はどうか尋ねると、近寄れるから問題ないとのことだったので、そちらに引き返す。
向こうが泳ぎ終わったタイミングでエントリーしてみた。母クジラは横からアプローチしている分には、まったく僕らを気にしていない様子。女の子の子クジラもそれなりに成長していて、時々、母クジラから離れて、僕らの周りを泳ぎ回ったりして、愛嬌を振りまいてくれた。
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最初は人を警戒している母クジラも、穏やかなアプローチを繰り返していくうちに、人が自分たちに害が無いと認識して、肝っ玉母さんになっていく個体も多い。最初にどんな風にアプローチされたかで、人が危険な生物だと認識するか、そうでないかを判断しているのだと思う。
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害の無い生物だと認識すると、母クジラは、僕らのことを子クジラの丁度良い遊び相手と認めてくれるのかもしれない。浅い海中でじっとして動かない母クジラは、子クジラが僕らの周囲でくねくねしながら泳ぎ回っているのを静かに見守っている感じだ。
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これから先、南氷洋までの長旅をする子クジラの、泳ぎの練習にもなっていると思ってくれているのだろうか。
かなり長くこの親子と泳ぎ、他の船に譲った。「素敵な思い出ができました」と感動してくれるゲスト。ずっと天候が悪くて苦労したけど、最終日に良い遭遇ができて本当に良かった。
この日の夜は、スキッパーのナティの家で豚の丸焼きをご馳走になった。去年まではゲストの帰った土曜日か日曜日にご馳走になることが多かったのだけど、今週はゲストが帰国する前に準備してくれた。
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雨が降る中、皆豚の丸焼きの前でお酒を飲んで談笑をして楽しんだ。
week1とweek2の間で、オリジナルのTシャツデザインを作って、ババウにあるTシャツ屋さんでプリント販売してもらうことに。
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トンガホエールスイムweek2に参加してくれた皆様、ありがとうございました。国内線飛行機も無事にトンガタプに着陸して、ほっと一息。

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