INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2018年トンガホエールスイムweek1&2 写真家・岡田裕介のクジラとトンガへの思い

2018.09.02 / Author.

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今年もトンガでのホエールスイムのシーズンが始まった。
前半の2週間を終えての感想は、今年はクジラの数が多い!
泳げる泳げないに関わらず、船上にいても常に近くにいる感覚があり、1,2週目共にクジラを探してボートを走らせる時間が例年に比べてかなり少なかった。
そのおかげで色々なシーンに遭遇することができ、ゲストの方々も満足してくれたことだろう。
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今年からの大きな変化は、ルールがより厳格化されたことだ。
船長自ら、泳いでいるガイドやゲストに向かって「もっとみんな集まれ」などと大声で叫ぶ姿は今までほとんど見たことがなかったし、明らかにトンガ人ガイドもクジラに対して慎重になっていた。
急にルールが厳しくなった理由の1つに、中国からの参加者が増加したことが挙げられると思う。
全ての人ではないのはもちろん承知しているが、彼らのルール違反は目に余るものがあると言う話を何人ものクルーから聞いた。

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クジラに近づきたいという気持ちは誰しもにあると思うが、ただ欲求のまま闇雲に近づくのと、クジラの気持ちを考えながら過去の経験と照らし合わせて慎重に近づくのには大きな違いがある。
ルールを守らず、皆が自由に自分勝手に泳いでいたら、いつかこのババウの海からクジラがいなくなってしまうだろう。
それを防ぐ為のルールの厳格化に、僕たちも賛同し協力していきたいと思う。
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山頂の展望台から島を見渡すと、ここは本当に何もない島だと分かる。
そんなところだからクジラたちが集まるのだろう。
毎年、トンガの貧弱な航空事情には本当に悩まされているが、この島に近代的な設備を持った大型の滑走路が出来て、それによって多くの人が押し寄せ、同時にホテルやレストランが乱立することを想像すると、空港はこのままでもいいと思う時もあるし、今のクジラの環境をを守るためには、この街に必要以上の発展はいらないとも思う。
例えば、ここがハワイのワイキキのようになってしまったら、クジラはどうなるのだろうか。
その結末は想像に容易い。

今年の前半は、海や街では中国人の進出が大きな話題だったし、トンガ国内線の運休や遅延に悩まされ胃が痛くなるような日々を過したのでこのような話になってしまったが、ババウに集まるクジラは何も変わらず、雄大で感動的だった。
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1週目に家族で参加した小学生が、初めてクジラと水中で対面した姿が忘れられない。シュノーケルから溢れ出た興奮と歓喜の声、彼はその小さな体でザトウクジラと対面し、どんな気持ちだったのだろうか。そしてこの経験はこれからの人生にどんな影響を及ぼすのだろうか。
彼のそんな姿を眺めながら、改めてガイドという仕事の醍醐味を感じることができた。
今後も大きな期待を抱いて遠いトンガまでやってくるゲストが、ここでしか味わえない彼のような経験が出来るよう全力でサポートしていきたい。
来年もトンガで皆さんをお待ちしています。
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