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生まれた直後は捕らえられた宇宙人みたいだったけど、生後2日経って、ようやく人間らしい顔になってきた。それでも、動き出すとその表情は奇妙な生物に見えてしまうのだけど。
赤ちゃんが生まれた翌日、赤ちゃんに対して海友が焼もちを焼くことを心配していた。しかし、予想に反した、赤ちゃんへの溺愛振りに驚かされたり、ハラハラどきどきさせられたり・・・。
「家族を連れていろいろな場所へ行きたい。若いころ夢みた暮らしを手に入れた」
子連れ放浪撮影生活を楽しむ水中写真家 越智隆治 インタビュー
月刊ダイバー2006年6月号「ダイバーである幸せ」特集より抜粋した記事です。今の僕たち家族のあり方をインタビューしてもらいました。
2005年目に入ってからの、海友最初の冒険は、ダイビングディスティネーションではなく、なんと、豪華客船「飛鳥」のオセアニアグランドクルーズへの乗船だった。
マーシャル諸島のマジュロ環礁では、環礁に守られた穏やかなラグーン内でダイビングを楽しむ事も多い。マーシャルズダイブアドベンチャーズのオーナーガイドの吉居さんは、デイトリップのボートダイビングに、愛犬のマンタを連れていく。マンタへの溺愛の仕方は、どう見ても僕らの親バカ振りをも超越している。でもとても大人しくて賢い犬なので、ゲストにも人気があるし、ボート上ではとても静かにしている。
6週間に及ぶバハマのクルーズから帰国した翌月(2004年6月)には、家族でサイパンにいた。フロリダ、バハマ、タイなど、今までの旅程から比べれば、サイパンくらいの距離ならば、11か月の赤ん坊が一緒でも、もう国内旅行の感覚、楽なものだった。
今、この原稿は、タイセイヨウマダライルカたちの住むバハマの海の上で書いている。昨年に続いて、今年(2005年)も約1か月間、息子を連れてイルカの撮影に訪れている。今現在の話まで、この連載が続けられるかどうかわからないけど、今回もまた、昨年のイルカと息子の話。
2005年5月~7月の間、息子の海友を連れてフロリダ東海岸のウエストパームビーチに滞在して、バハマのドルフィンクルーズを6週間開催していた。全日程連続で乗船するのは大変なので、3週でインターバルを取り、フロリダ半島の西の付け根に位置するパナマシティーまで、別のイルカの撮影に行くことにした。
2004年5月末から、約6週間、バハマでのドルフィンクルーズ船に乗船して、家族での船上生活が続いた。この間、父親としてはとても恵まれていたことに、常に息子が自分の仕事場にいてくれた事になる。ここで言う僕の仕事場とは、ゲストのいる船上であり、イルカたちの待つ青い青い海の中だ。
息子の海友を初めて海外ロケに連れて行ったのは、奴が3ヶ月の時フロリダにマナティーを撮影に行った時の事だ。初めての海外旅行、しかもまだやっと首が座ったくらいの月齢。海外に離れて住んでいる親に会わせに行くためとかならともかく、ただ、「マナティーに会わせてみたいから」という理由で、トータル飛行時間約17時間はいかがなものか。