INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

15日目(1週目初日)、ギリギリでヒナヒナに遭遇

2007.08.11 / Author.


初日、快晴。しかし、風は止まない。2人乗船のプナ(トンガ語でブリーチングの意味)、3人乗船のフルーク、4人乗船のスパイホップの隻で海に出る。僕はこの日2名乗船のプナガイド役で乗船。フルークはエミさん、スパイホップにはトニーがガイド役として乗船。


風が強く、なかなかよいクジラが見つからない。僕らは、昨日オンゴがヒナヒナ親子を発見したという、東のリーフの奥の方を捜索。クジラのブローは至るところで発見するものの、ほとんどがペアとか、シングルの大人のクジラ。

スパイホップは、北の外洋入り口辺りで、エスコート付きの親子を発見したと無線が入っていた。しかし、なかなか止まってくれず、追走している状態だという。
僕らは引き続き、ヒナヒナを探し続ける。1番最初にヒナヒナ親子を発見したリーフを南の外洋に向かってゆっくりと移動していると、1隻のボートがほとんど動かずにいるのを確認。先日、エンジントラブルで動けなくなったボートだ。
オンゴが「あのボートがヒナヒナと泳いでるに違いない」と言う。「見えるの?」と聞くと「さっきから、ブリーチングとかテールスラッピングしてる子供が見えるよ」というので、良く目を凝らしていると、確かに時折小さなクジラが、テールスラッピングしてるのが確認できた。
僕らはしばらく様子を見ていたのだけど、なかなかボートは親子から離れようとしない。時間はもう3時になろうとしていた。だいたいいつも4時頃には港に引き上げる。僕は駄目かもしれないけど、オンゴに「あのボートに譲ってもらえないか聞いてみてくれる?」と頼むと、オンゴはしばらく考えてから、無線で話始めた。
予想に反して、そのボートはすぐに親子を譲ってくれると返信してきた。どうやら朝からずっと一緒にいたらしい。他の2隻もまったく泳げていないようだったので、僕はすぐに無線で2隻に連絡を入れた。「親子発見、でもまだ泳げるか確認していないので、はっきりしたらまた連絡します」。
しばらくして、近づいてみると、やはりヒナヒナだった。相変わらず、水面で激しくテールスラッピングしながら遊んでいた。母親は少しだけ潜って、眠っているようだった。無線で「ヒナヒナです」と再度連絡を入れ、静かにエントリー。
またさらに成長したヒナヒナは、僕らが追いかけずに、水面に浮いていると、親元から離れて、近くまで接近してきて、こちらの様子を伺いにきた。目の前でテールスラッピングしたり、ブリーチングしたりしては、母の元に戻っていく。それを何回も繰り返していた。
母親も、こちらが激しく追い回していないからか、まったく意に介していないようだった。息継ぎのために、浮上すると、しばらくはヒナヒナをともなってゆっくりと移動を続けるのだけど、僕が後ろを向いて、ゲスト二人の様子を見ながら、ゆっくりしたあおり足でも余裕で付いていけるほどのスピード。その間は、あまり接近せず、距離を置いて並泳し、また母親が止まって、休み出したところで、静かに接近して、親子一緒のシーンを撮影した。すでに時間は3時30分。スパイホップは見えないけど、フルークの方はすでに、近くにいて順番を待っていた。
「どうしますか?」とゲストの二人に尋ねると、もう3年連続でトンガに来ている二人でもあったので、「僕らだけ見れちゃうのは良くないよね」との返事。「じゃあ、交代してあげてもいいですか?」と再度聞くと「そうしましょう」ということで、僕らはボートに戻り、フルークにヒナヒナ親子を譲った。
僕のブログを読んでいて、二人とも「ヒナヒナに会いたい」と思っていたそうなので、初日に会えてよかったと喜んでいた。この日、プナとフルークは水中でヒナヒナ親子に遭遇できたけど、スパイホップは、別の親子(エスコート付き)を追走していて、結局止まってくれず、海中での遭遇は果たせなかった。明日は全員が満足いくまで、海中でクジラを見れるといいのだけど。

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