INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

超フレンドリー(?)過ぎるペアクジラ

2008.08.07 / Author.

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2日目、この日は新月。新月や満月になると、クジラたちがまったく、見つからないことが多い。しかし、超フレンドリー(またはアグレッシブ)なクジラに遭遇しているのも、新月や満月のときが多い。

僕とトニーがガイドを交代して、海に出る。最初は2隻とも昨日の親子がいた場所に、違うルートを辿って捜索しながら探す。しかし、残念ながら親子は見つからなかった。まあ、そういうこともある。
こちらのボートに乗船していたのは、今回でトンガのリピーター4度目の木村さんと、3度目の平田さんという女性二人。どちらもこれまでに、結構クジラと泳げた経験があるので、かなり良いクジラに会わせてあげないと、というプレッシャーも少し(本当に少しだけ)感じながらクジラを探す。
最初は多分、今年親離れしたばかりのような若い1頭のクジラが、船に興味を示しながら、ジグザグに泳ぐのにトライ。しかし、多少様子は見に来るものの、すぐに方向を変えて泳ぎ去ってしまう。水中ではその繰り返し。しかも、その海域は透明度が悪く、よほど接近できないと撮影は難しかった。
次に見つけてトライしたのが、3頭の群れ。しかし、こちらもあまり芳しくなくて、しばらくして諦めて、オンゴとトニーの船が向かった南の外洋側に向かう。途中で何度も無線で彼らに呼びかけたが、まったく返事がなかった。遠くてつながらないらしい。
クジラを探しながら外洋に向かうと、彼らの乗るプナの他に、2隻の船が集まっていた。トンガでは、1組のクジラに対して、船は1隻までと決められているので、様子がおかしい。何かよっぽどすごいクジラがいるのか、何か別の状況が発生しているのだとすぐに感じた。
もうすでに船上のオンゴが見えるくらいの距離だったので、無線で呼んでみる。すると、「今ペアのクジラがいて、トニーは海に入っている」とオンゴが返してきた。きっと、かなり良いクジラなのだろうと思ったのだが、それにしてもあの船の状況はどうなってるのだろう?
僕らはかなり順番を待たなければいけないのかもしれないな、と思ったのだが、オンゴとノーファが無線で何やら話して、次にクジラたちが近くにあがったら、僕らが入っていいということになった。
他についていた2隻の船は、遠ざかって行った。残ったのは、僕らの船2隻だけになった。海から上がってきたトニーに無線で聞くと、「かなり寄って来るから交代で海に入ろう」ということだった。
次にペアが浮上してきたときに、エントリーを試みる。すると、このペアは逃げるどころか、目の前で2頭でスパイホップして見せたり、向きを変えて、向かってきたりと、昨年のTBSの「世界ふしぎ発見」で放送された、アグレッシブなペア並みに接近してくる。特に寄って来る方が、メス。
昨年と同じ固体なのか、後で写真を見比べてみたが違う個体だった。違いは、昨年のペアは、ムナビレでこちらの身体に触ってこようとしていたが、今回の奴は、触る前によけるような感じだった。もちろん、こちらがよけていたというのもあるのだけど。
とにかく、間に挟まれそうになったり、方向を変えて、こちらに向かってきたりするのを見てると、ちょっとびびった。船の上からは、オンゴが「テールに気をつけろ!」と叫びながらも、指笛でクジラたちを煽っていた。まあ、指笛でクジラたちが興奮するかどうかは定かでは無いけど。
スパイホップしながら、トニーに接近するメスのクジラ。
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あまりに接近してくるので、さすがのトニーも慌てて後退。「う~ん、トニーが後退するなんて珍しい・・・写真撮っちゃお」パシャパシャ
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と笑って撮影していたら、かま首上げたまま、ぐいっと向きを変えてこちらに向かってきた。「おいおい、こっちかよ」と同じように逃げ腰になる僕。
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しばらく、2隻のボート全員で泳ぎ、オンゴの合図で皆、船に戻った。2日目にして、皆興奮状態のクジラとの遭遇となった。平田さんは、「10年間クジラと泳いでいて、今日が一番良かった」と感動していた。ということで、今日で、今週の仕事は終わったようなものだ。

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