INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2009トンガホエールスイム Non-Japaneseグループ

2009.09.01 / Author.

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29日土曜日、3週目のメンバーが無事帰国。同時に、僕らはNon-Japaneseグループを迎え、週末からプロティウスで海に出た。構成メンバーは、シンガポール人女性2名、フランス人カップル、アメリカ人女性2名の計6人。

土曜日の初日、日曜日の2日目はトニーがガイドとして一緒に海に出た。相変わらず風は強く吹いていて、良いクジラを探し出し、水中で見せるのはかなり困難な状況が続いているにも関わらず、初日にペア、2日目に新たな親子(子クジラの名前はLUNA)と水中で遭遇した。
月曜日、トニーとエミさんはビザの更新と、ゲストの出迎えをしなければいけないために海には出れず、僕がNon-Japaneseグループのガイドとして8時から海に出る。
昨日の親子は透明度の悪い東のリーフで見ていたので、下で休んでいる母親をほとんど確認することが困難だったと聞いていたし、海が荒れていて、泳ぎ慣れていないフランス人女性からは、もう今日は海に入るのをやめようかと思っていると言われた。
なので、この日は透明度の高い西の外洋で、高い崖で、風が遮られている穏やかな場所でクジラを探すことに決めた。東のリーフの方が親子の遭遇率は高いのだけど、昨日トニーが見せているから、結果的に見せられなくても賭けに出てみようと思った。
最初の一往復目、いくつかのブローは確認するも、ほとんどがシングルですぐに深く潜ってしまう。鳴いているか確認しても、まったく鳴いていない。
2往復目、やはり成果は無い。とにかく、午後になって、外洋からクジラたちが島の近くに入ってきてくれることを期待して、外洋側を捜索し続けた。
トンガシカの外洋側で、いくつかのブローを確認。時間は1時になろうとしていた。最後の望みと近づいたブローが親子とエスコートであることを確認した。このエリアは何度も自分たちの船や他の船が行ったり来たりしていてるのに、それまで見つかっていなかったから、やはり外洋から島回りに入ってきたに違いなかった。
とにかく、しばらく移動を始めたこの親子とエスコートを追跡、外洋に戻ってしまわないように、船で風からのシェルターとなる崖沿いを誘導するように、ノースベイまで移動。そこで突然親子とエスコートは動くのを止めた。
透明度が高いから、ある程度の位置で止まったか把握していれば、海に入って探した方が早かった。離れた場所で子クジラが一度浮上してくるのを確認すると「チェックするから」と言って先に海に入り、すぐに親子とエスコートを確認して、腕を挙げ、皆に入水してくるように促した。
エスコートは顔を上にして垂直な状態で、その横に水平な状態で休んでいる母親と、それにつき従う子クジラを確認した。透明度も高く、3頭一緒に撮影できるほどのコンディションだった。
子クジラは何度も僕たちの近くに浮上してきて、また母親の元へと戻って行く行動を繰り返した。一度母親が息継ぎのために浮上したが、皆が昨日までのトニーの言う事をよく聞いて、子クジラが浮上しても、母親が浮上しても極力その場を動かないように撮影していたので、少し移動して、またすぐに止まってくれた。おかげでかなり長い時間、この親子とエスコートを観察&撮影することができた。
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また親子が浮上して移動したのを機に、船に戻り、メンバーを交代して海に入ることに。しかし、そのご、また親子が動きだし、なかなかどこで止まっているのかわからなくなった。しかし、見てないゲストにも見せておきたい。
なんとか2時までの、制限時間を少し延長しても、もう一度海に入りたい。そう思いながら粘っていると、やっとまた止まってくれた。まだ水中に入って探すには距離がありそうだったが、トンガ人クルーに、「方向だけはなんとか指示して」と伝えて海に入る。
船の方を何度も確認して、彼が指示する方向目指して泳いだが、そろそろだろうと思っていた場所になかなかクジラが見当たらない。しかし、入水と同時にシンガーの鳴く声が大きく聞こえていた。もしかしたら、親子はこのシンガーを嫌がって水中でまた移動してしまったかもしれないと思ったときに、やっと親子を発見した。
腕を挙げて皆に場所を知らせる。今度はエスコートの姿が見当たらなかったが、親子してしばらくゆっくりとしていてくれたので、他のゲストも十分に観察と撮影をすることができたようだ。
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朝は「もう入らない」と言っていたフランス人女性は、自分のコンデジでも親子の良い写真が撮れて、船上で嬉しそうに、皆にその写真を見せていた。フランス人男性には、「今日は500カットも写真撮れたよ」と言われたし、早めにババウに来て、他の船に4日間ほど乗船してからこっちに参加したアメリカ人女性にも「今日が一番良かった」と喜ばれた。
「辛抱してあの海域で待った甲斐があった」と無事、初めてのNon-Jpaneseグループのガイド役を果たせてほっとした。
ちなみに、子クジラの名前は、もう船上でゲストたちが「オスだったら、ジェラート、メスだったらヴァニラにして」とリクエストしてきた。特に特徴があるわけではないのだけど、「トニーも僕もこの島にあるイタリアンレストランのヴァニラジェラートが好きだから」という理由からだそうだ。
あまり意味は無いのだけど、部屋に戻って、写真で識別を確認したら、どうやらメスらしかったので、Vanilaと命名した。これで、僕たちが今年水中で個体識別した親子の数は14組。3週間で、昨年6週間の間に遭遇した親子の個体数と同じになった。やはり今年は親子の確認が多い。
しかも、同じ親子を何日か経ってから、再度確認することは多くなく、ほとんどが新しい個体。そう考えると、ババウに来ている親子は、長く留まっているというよりは、経由地といて立ち寄っていると考えた方が良いような気がする。

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