INTOTHEBLUE 水中写真家  越智隆治

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トンガ ホエールスイム

2009トンガホエールスイム 4週目週末 今年一番の親子FULL MOON

2009.09.07 / Author.

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9月5日土曜日、満月の日、4週目のゲストが帰国。昨日の雨は上がり、快晴。風はあるものの、海に出るのが気持ちよいコンディションだ。

この日、僕は週末も残っているゲスト3人とともにフルーク(スキッパーはノア)で海に出る。トニーは、オンゴ、ノフォと一緒にトンガの子供たちを乗せてホエールソングで海に出る。以前からボランティアで子供たちにクジラを見せる活動を行って来たオンゴに、僕らも協力する形で参加していた。
スピードの早いフルークで良いクジラを見つけて、船足の遅いホエールソングに連絡するという手はずだった。
ゲストの「透明度の良い場所でクジラが見たい」というリクエストもあり、僕は一番最初にノースベイに行くことをノアに伝えた。もし、他の船がいなくて、良いクジラを見つけたら、ほとんど1日中クジラと泳げる可能性があるからだ。
それに、今日はコンディションも良くて、とにかくのんびり泳げそうな場所に行きたかった。10時に出港して、速攻でノースベイに入り、しばらくはクジラのブローを探す。できれば湾の内側にいて欲しいと思っていたら、湾内の北側でブローを発見。しかも、かなり穏やかな場所だ。
僕らは「ラッキーついでに、親子だといいな」と思いながらブローの上がった場祖を目指す。接近するとかなり島寄りの浅い穏やかな部分に親子を発見。これを落ち着かせられれば、最高だ。それにしても、他の船は8時とかに出港してるはずなのに、ノースベイは探しに来なかったのかな?と思うくらいにラッキーだ。
「しばらくは、水中では母親の姿を確認した時点で、泳ぐのを止めて、様子を見ましょう」とゲストに伝える。僕らが特に危害を加える存在では無いと認識してもらい、慣れてもらうために、撮影のための無理な接近は控えるようにしなければいけない。それが上手くできるかどうかで、その後の親子のリラックス度も違ってくる。
最初の2回ほどは、僕らの姿を水中で確認した途端に、移動してしまっていたが、3度目もとにかくこちらが姿を確認した時点で、全員が動くのを止めていたら、母親は、まったく気にせずに落ち着いて留まってくれていた。
しかも、かなり浅い砂地で、透明度も高く、太陽の光が降り注ぎ、なんだかとっても気持ちよい気分だ。明るい日だまりの中で眠るクジラの親子。僕らも誰一人無理な撮影に走る人も無く、流れに乗りながら、ゆっくりゆっくりと親子に近づいていく。
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子クジラは母親の脇の下から僕らの様子を伺いながら、呼吸のために、ゆっくり浮上しては僕らの周囲を回って、また母親の元に戻って行く。リラックスしている母親は、息も長く、カレントがあるにも関わらず、同じ場所から微動だにしない。たまに、長くて魅力的な胸びれを静かに前後させるだけだ。あの水中バランスは本当に見事だと思う。
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移動のときには、かなり長く移動してしまうものの、基本的にはノースベイの岸近くの浅瀬に沿って、北から南へと広い湾内を移動していくので、当分は穏やかな場所で一緒にいられるから、僕らも気持ちの上でかなり余裕があった。
皆、「無理には追いかけないで」という僕の指示にもちゃんと従ってくれていたので、母子は、本当に本当に穏やかに水中でリラックスしてくれていた。こんな巨大な生き物を目の前にしながら、とても穏やかな気持ちになれた。
コンディションの良さもあるけど、これだけクジラの親子に、僕らの存在が受け入れられていると感じられたのは、久しぶりのことだった。
この親子とは2時間半ほど一緒にいて、無線連絡していたホエールソングが到着したので、彼らにこの母子を譲って、僕らは別の親子を探すために、クジラから離れた。子供たちも、皆が水中でクジラを見れて、大喜びしていたそうだ。
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その後しばらくは、フンガ島の南側でシングル1頭を発見したが、それ以外はまったくブローが見当たらなかった。出発早々にピンポイントで向かった場所で親子を発見できたなんて本当にラッキーだったと思うし、自分の読みが当たって、気分も良かった。
今日は他の船もリーフの内側でクジラを見つけていないのか、ほとんどが外洋の遠くの方まで出ているのが確認できた。
僕は、この船の状態なら、もしかしたら、昨日帰り道で見つけた親子はまだいるかもしれないと思い、ノアにそちらに向かうように頼んだ。読み通り、その親子はまだ、昨日発見した場所とほとんど同じ場所にいた。
自分は、昨日の親子の行動と、今日の行動を見ていて、その前日に、なかなか泳げなかったディアルガ親子じゃないかなと予測していた。水中には入れそうにないので、母親と子クジラの背びれを左右から撮影したりして帰路についた。
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部屋に戻って、写真をマックに取り込み、確認してみると、やはり、昨日の子も今日の子も同じ背びれで、その前に水中で撮影したディアルガの背びれも同じだったことが確認できて、この親子はほとんど同じ場所に3日間留まっていたことが確認できた。できれば、もっと人慣れしてくれればいいのだけど。
今日、ノースベイで見つけた新しい親子の子クジラの名前は、この日が満月だったこともあり、FULL MOONと名付けた。

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